サ高住での人間関係トラブルと安全配慮義務違反

介護事故は、介護サービス提供上の事故、介護サービスに絡む事故だと考えている方が多く、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や住宅型有料老人ホームには、介護事故は関係ないと思われる方が多いのですが、そうではありません。

サービス付き高齢者向け住宅は、全室個室で個別の住居ですが、食事やリビングなど共同生活となる割合も増えてきますから、入居者同士の様々な人間関係が発生します。仲良しの友達ができたり、お互いにサポートし合ったりといったプラスの面もありますが、すべての高齢者が悟りをひらいて聖人君子となるわけではありません。それまでの生活環境・境遇・生活ニーズが違いますから、様々なトラブルが発生します。

自立・要支援高齢者は、それぞれに希望やニーズがはっきりしていて体も元気ですから、人間関係のトラブル・被害は大きくなります。実際、自立高齢者・要支援高齢者を対象とした養護老人ホームやケアハウスでは、入所者同士が大ゲンカとなり、殴り合いによる傷害事件だけでなく、殺人事件も起きています。

ところで、サ高住には、相談サービスや安否確認サービスが義務付けられています。
相談サービスは、『入居者の話し相手になってあげる』『簡単な事務手続きの代行をする』といった単純なものではありません。健康に対する不安、他の入居者とのトラブル、家族からの要望・クレームなど、入居者の生活上の様々な不安、不満を受けとめ、その解決に向けて全力で取り組む義務が生じます。またサービス提供には法的責任が発生します。(安否確認サービスについても、サービス提供責任が発生します。)

もし、入居者間のトラブルを知っていた、相談を受けていたにも関わらず、『入居者間同士の問題だ』と適切な対応が行われない場合、事業者の『安全配慮義務違反』となります。
事業者として、入居者様同士、人間関係が上手くいくようサポートをする事が大切だと思います。