公開日:2021.07.12

認知症の疑いがあったら

◯こんな生活の変調には注意を

・同じことを何回も言ったり聞いたりする
・今までできていたことができなくなった
・簡単な計算ができない
・時間や場所の感覚が不確かになった 「今、何時?」、「今、どこ?」など
・慣れている道に迷う
・だらしなくなった
・ものの名前が出てこなくなった
・水道やガスの閉め忘れが目立つ
・置き忘れやしまい忘れが目立つようになった
・夜中に起き出して騒ぐ


◯疑いがあれば早めの受診を
素人判断は危険です。不安な状態で過ごしたり、「大丈夫なはず」とやりすごしたりせずに迷ったら早めにかかりつけ医や専門医の診察を受け、早く対応策を相談しましょう。
近年、単なる物忘れと認知症との境界域を「軽度認知障害」と呼ぶようになりました。この段階で治療をすると、認知症の発症を遅らせる、また軽症ですませることが可能になってきました。「もの忘れ外来」などの専門課も設置されていますので、不安があれば早めに受診しましょう。
受診先としては、精神科、神経内科、老人科などになります。問診だけでなく、聞き取りによるテスト、血液検査、CTスキャン、MRIなどの画像診断が行われます。設備とスタッフがそろった病院を選びましょう。
専門医を探すには掛かりつけ医、保健所、市町村の高齢者福祉の窓口で問い合わせをします。介護保険サービスを使っている場合は、地域の医療・介護情報に精通しているケアマネジャーに相談するのも良いでしょう。
老人性のうつ病など認知症と紛らわしい病気や身体的な病気で認知症のように見える場合もあるので、全身のチェックも必要です。
自覚がないようでも本人は不安や心配を抱いています。受診は本人にとって大きなストレスとなる場合もあります。不安をあおらないよう健康診断のひとつとして、上手に受診を勧めてください。本人が病院に行くのを嫌がる場合は家族など介護者だけでも相談に行きましょう。認知症であるかどうかはっきりしない場合は、全国の老人性痴呆疾患センターでも相談を受け付けています。

◯認知症は予防できるか
認知症にはさまざまな原因があります。体質や遺伝など、手だてを講じることができないような原因もありますが、日々の生活習慣など改善できる要素もあります。脳の機能を心身両面から活発にしていくことがそのまま予防につながります。

《食事で脳機能を維持しよう》
バランスのとれた健康的な和食が認知症から身を守ります。

・野菜、とくに緑黄色野菜を多くとる
・魚に含まれる成分は脳の活性化に役立つ
・肉の脂肪を控え
・塩分を控えて高血圧を防ぐ
・食べ過ぎない


《人と関わる生活をしよう》
脳を活性化させるには人と関わり、感性を磨くことが一番です。

・デイサービスや公民館活動などを積極的に利用する
・家族ができる限り話かけたり散歩に連れて行く
・買い物など外出の機会をなるべく増やす