公開日:2021.07.12
更新日:2024.04.18

認知症の原因と特徴

認知症そのものは若い人でもお年寄りでも起こる可能性がありますが、原因は多種多様な要素が絡み合って発症します。特に高齢になると、脳の老化にともなって認知症が起こりやすくなります。
老化による認知症の代表的なものに、「変性症認知症」と「脳血管認知症」があります。

◯変性症認知症
脳の実質の変性によって脳が萎縮する。アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症など

◯脳血管認知症
脳出血や脳梗塞によって特定部位が障害されたりすることにより起こる脳血管性の認知症


・アルツハイマー型認知症[脳の実質の変性によって脳が萎縮し起こる認知症]

アルツハイマー型認知症は、ゆっくりと発症し、徐々に悪化します。初期の段階では運動麻痺や感覚障害などの神経症状は起きず、本人も周囲も日常生活で目立った変化が現れるまで気づきにくい特徴があります。最初はまず記憶障害から始まります。物忘れがひどくなり、何度も同じことを聞いたり、仕事や家事の段取りがつけられなくなり、小さな失敗が重なるために周囲とトラブルが増えていきます。なじんだ場所ではかろうじて行動できても、なじみのない場所やストレスが多い場面では、不安や混乱が高まり言動のくいちがいや失敗が多くなる特徴があります。
進行すると時間、場所、人物の判断がつかなくなり、外見上はしっかりしてみえても、見守りや支えがないと、外出や着替え、排泄、入浴などの日常生活を送ることが次第に困難になります。歩き回る(徘徊)、夜眠らない、大声で叫ぶ、興奮や乱暴などの激しい言動が現れる場合もありますが、かならず背景に引き金になる不安やストレス、体調の悪さなどがあるとされています。
さらに進行すると会話が難しくなり、のみこみ(嚥下)の障害、体温調節の障害なども起きてきます。
最近では、早期発見で症状を改善したり、進行を遅くできるようになってきました。

・脳血管認知症[脳出血や脳梗塞などによって起こる認知症]

脳血管障害による認知症は障害のある部位によって症状が異なります。日によって症状の差が激しく、いわゆるまだら症状をあらわすこともあります。障害のある部位以外は健全ですので、本人がわからなくなってしまったことがある一方、はっきりわかることも多くあります。
脳の障害部位によっては身体の麻痺や言語障害を伴う場合も多く、脳血管障害の再発によって急激に悪化する場合があります。