高齢者の健康度のものさし、それは生活機能の自立

高齢期の健康度はいったいどのようなものさしで測り知ったらいいのでしょうか。高齢期の方々は何らかの病気を持ち、薬を飲んだりしています。かりに「健康」とは病気に罹ってないこととするならば、高齢期のほとんどの人が不健康ということになってしまいます。罹っている病気の数やその程度で高齢者の健康度の水準をはかり知ることは現状にはそぐわないことに気づきます。病気が一つ二つあっても日常生活に支障がなく元気でくらしている人がほとんどです。


だれも幸福で生きがいに満ちた高齢期を過ごしたいと思い、その手段を知りたいと願うものです。しかし、その手段を探りあてるには、まず高齢者の健康度を測ることのできるきちんとしたものさし(尺度)の開発が必要となります。世界保健機関(WHO)は高齢者の健康度は、生活機能の自立度(独力で日常生活を営む能力)にすることを提案しています。

そこで、高齢者の健康度すなわち生活機能の自立度を測るものさしが必要となります。生活機能の自立度を測定するものさしには、古くから障害をもった高齢者の障害の程度や残されている能力を測るために用いられる日常生活活動能力(ADL:Activities of Daily Living)があります。

その項目は、歩行、食事、排泄、入浴および着脱衣の自立などです。しかし、このような項目がすべて自立していても地域で独立した生活ができるかといえばそうではありません。地域で独立した生活を営むためにはもっと高いさまざまな能力が求められるのです。