公開日:2025.10.10
更新日:2025.10.14

【比較表付き】要介護2と要介護3の違いは?5つの観点からチェック!

【比較表付き】要介護2と要介護3の違いは?5つの観点からチェック!

要介護には1〜5の段階があり、それぞれ心身状態や必要な介助が異なります。
状態を正しく理解していないと、介護サービスを受ける際の迷いやストレスにつながってしまう可能性があります。
適切な支援や施設を選ぶためにも、違いの把握が重要です。

この記事では、要介護2と要介護3をピックアップし、心身の状態をはじめ5つの観点で違いを解説します。
要介護の定義や利用率の高いサービスもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

要介護認定とは

要介護認定とは、暮らしの中で「支援や介護をどの程度必要とするか」の判定です。
支援または介護が必要であると認定された場合は、要支援1〜2・要介護1〜5のいずれかに区分され、対応するサービスが受けられます。
ここでは、要介護認定の基本知識として以下の2つを解説します。

  1. 要介護の定義
  2. 申請手順

まずは、どのような場合に要介護と認定されるのかみていきましょう。


要介護の定義

要介護の定義は、日常生活において一定期間、部分的または全般的に常時介護が必要と見込まれる状態です。
一定期間は、厚生労働省が定める期間で原則6か月となっています。
要介護の対象者や審査項目の分類は、下表のとおりです。

対象者(被保険者)・介護を必要とする65歳以上の方
・特定疾患により介護を必要とする40歳~65歳未満の方
審査項目・直接生活介助
・間接生活介助
・行動・心理症状関連行為
・機能訓練関連行為
・医療関連行為
・認知機能
分類要介護1~5

判定では審査項目を指標にして介護にかかる労力を基準時間に当てはめ、要介護1〜5(または要支援1〜2)のどの区分に該当するか算出します。
身体の状態だけでなく、認知症の有無や程度も判定要素の1つです。
要介護の5分類では、要介護1がもっとも介護の労力・時間が少なく、数字が進むにつれ大きくなります。

引用元:厚生労働省|要介護認定に係る法令 1 介護保険制度における被保険者の定義


申請手順

要介護認定の申請手順は、以下の3ステップです。

  1. 市区町村の窓口で要介護認定を申請する
  2. 訪問による聞き取り調査を受ける
  3. 一次判定・二次判定を経て要介護度が認定される

介護サービスを希望する場合は、本人または家族が市区町村の窓口で申請します。
申請には、介護保険被保険者証または医療保険証が必要です。
本人以外が申請する場合は、委任状や代理人の身元確認書類なども必須です。

申請後、市区町村の担当者が訪問し、本人の状態や住環境を聞き取りします。
聞き取り調査の結果や主治医による意見書などをもとに、一次判定・二次判定が行われ要介護度が決まります。

申請のタイミングや必要書類について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】介護保険を申請すべきタイミングとは?入院中・在宅介護にわけて解説


【比較表】要介護2と要介護3の違い

要介護2と要介護3の違いについて、下表に挙げる5つの観点から解説します。

要介護2要介護3
1.心身の状態日常生活の一部に見守りや介助が必要日常生活の全般に介助が必要
2.受けられるサービス・通所介護
・福祉用具貸与・購入
・訪問介護 など
・通所介護
・福祉用具貸与・購入
・訪問看護 など
3.入れる施設・有料老人ホーム(介護付きまたは住宅型)
・認知症グループホーム
・特別養護老人ホーム(特養)
・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) など
・有料老人ホーム(介護付きまたは住宅型)
・認知症グループホーム
・特別養護老人ホーム(特養)
・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) など
4.一人暮らしの割合16.5%9.5%
5.支給限度額(利用限度額)19万7,050円(1万9,705円)27万480円(2万7,048円)

要介護2と要介護3には具体的にどのような違いがあるのか、項目ごとにみてみましょう。


違い①:心身の状態

要介護2要介護3
要介護認定基準時間50分以上70分未満70分以上90分未満
心身の状態日常生活の一部に見守りや介助が必要日常生活の全般に介助が必要
認知機能理解力低下理解力低下による問題行動あり
具体的な状態像・立ち上がりや歩行の支えが必要
・食事や入浴の見守りや軽めの介助が必要
・爪切りや調理など細かい作業が難しい
・小銭の計算や服薬管理が難しい
・立ち上がりや歩行に介助が必要
・食事や入浴、排せつなどの介助が必要
・服の着替えや歯磨きなど身の回りのことに介助が必要
・徘徊や奇声をあげるなどの行動が発生

要介護2と要介護3の違いは、介護を必要とする事柄やかかる労力です。
介護にかかる手間を時間に換算した「要介護認定等基準時間」においても違いが表れています。
要介護3では認知症進行によるさまざまな行動もみられるため、家族のみでは対応が難しいと感じる場合もあります。

なお、要介護2における心身機能の状態について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしましょう。

【関連記事】【具体例付き】要介護2の状態とは?心身機能の維持におすすめのサービスも


違い②:受けられるサービス

要介護2要介護3
通所介護(デイサービス)54.5%通所介護(デイサービス)62.5%
福祉用具貸与・購入48.0%福祉用具貸与・購入48.5%
訪問介護(ホームヘルプ)16.6%訪問看護23.5%
住宅改修16.6%ショートステイ22.8%
訪問看護14.4%訪問リハビリテーション18.4%

上記は、要介護2・要介護3で受けられるサービスから、利用率TOP5をピックアップして比較した表です。
要介護3では「訪問看護」が3位にラインクインしており、点滴や導尿など医療的ケアの必要性が増すことがわかります。

また、要介護3で利用率が高くなっているのは、施設に短期間宿泊する「ショートステイ」も同様です。
自宅で一時的に介護ができないときはもちろん、家族の負担軽減や施設入所前の準備としても利用されています。

なお、要介護2で受けられる在宅・通所サービスを一覧で確認したい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】【一覧表付き】要介護2で受けられる在宅・通所サービスとは?主な入居先も

引用元:名古屋市|第3章介護保険在宅サービス利用者調査4介護保険サービスの利用状況等


違い③:入れる施設

要介護2と要介護3の方が入れる施設は、以下のとおりです。

  • 有料老人ホーム(介護付きまたは住宅型)
  • 認知症グループホーム
  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
  • 介護医療院
  • 介護老人保健施設(老健)

有料老人ホームは、介護や家事支援などが受けられる施設で、認知症の方も入居できます。
グループホームは、少人数での共同生活しながら認知症ケアを受けられる施設です。

特養は、原則要介護3以上の常に介護を必要とする方が対象です。
しかし、要介護2でも「在宅介護が困難」と認められれば特例として入所できる可能性があります。

サ高住は、見守りや生活相談などの支援を受けて暮らせるバリアフリーの住まいです。
介護サービス付きの住宅もあり、基本的に終身で利用できます。
同じく介護医療院も終身利用でき、介護と医療を一体型で利用できる点が特徴です。

一方、老健は在宅復帰を目指す施設です。
医学的管理を受けながら介護やリハビリを受けるため、利用期間は決められています。
なお、各施設のサービス内容や費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしましょう。

【関連記事】【要介護2の方向け】入れる施設のサービス内容や費用を解説!選び方も


違い④:一人暮らしの割合

要介護2要介護3
16.5%9.5%

要介護度が高くなるほど、一人暮らしの割合は減少します。
心身の状況が異なり、介助の必要性も変わってくるためです。

とくに、要介護3では認知症進行によるさまざまな行動が出てくるため、一人暮らしが難しい方が増えます。
要介護2や要介護3の方が一人暮らしを続けるためには、適切なサポートが必須です。

なお、要介護2の方が一人暮らしをする場合のポイントや役立つサービスを知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】要介護2でも一人暮らしはできる?ケアプラン例や役立つサービスも解説

引用元:厚生労働省|2022年国民生活基礎調査の概況


違い⑤:支給限度額(利用限度額)

要介護2要介護3
1か月あたりの支給限度額※119万7,050円27万480円
利用者負担額※21万9,705円2万7,048円
※1 1単位=10円で計算/2025年9月時点
※2 自己負担1割の場合

支給限度額は、介護サービスを単位として表したものを金額に換算して計算しています。
換算する金額は地域によって異なるため、介護サービスを検討している場合は事前に確認しておくと安心です。
また、一定以上所得がある場合、自己負担額が2割または3割に区分されます。

支給限度額を超えて介護保険サービスを利用すると、超過した分は全額自己負担となるため注意が必要です。
なお、要介護2で利用できる金銭的負担の軽減制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしましょう。

【関連記事】要介護2でもらえるお金はある?利用できるサービスやよくある質問も解説


ゴールドエイジのサ高住は要介護2~要介護3の方にもおすすめ

サ高住の9割以上が見守り・生活支援のみの「一般型」ですが、弊社ゴールドエイジのサ高住は9割が「介護型」です。
要介護度に応じたケアを受けられるため、要介護2や要介護3の方にもおすすめです。

館によって、看護師常駐や訪問介護事業所・デイサービス併設など、さまざまな体制を備えています。
日常介護だけではなく、医療ケアやリハビリまで幅広くサポートいたします。
また、24時間対応のサポートや趣味を楽しめる環境づくりなど、多方面で安心できるサ高住です。

また、ゴールドエイジでは行事やレクリエーション活動も充実しており、楽しく生きがいのある生活を送れます。
実際の施設の様子は以下のInstagram投稿からもご覧いただけます。


まとめ:要介護2と要介護3は細かい部分で違いがある

要介護2と要介護3は共通している部分もありますが、細かい部分で違いがあります。
要介護2と要介護3の違いを理解し、できることは見守り、できないことは適切にサポートしていきましょう。

なお、弊社ゴールドエイジでは心身の状態に応じて選べるよう、さまざまな形態のサ高住を取り揃えております。
生活支援はもちろん、介護・看護サービスやいきいきと暮らせるレクリエーションなど、幅広いニーズにお応えいたします。
要介護2や要介護3から入居できるサ高住を探している方は、まず施設一覧ページをご覧ください。

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【関連記事】要介護3のケアプラン例|一人暮らし・在宅介護・施設入所のケースを解説
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この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。