公開日:2024.12.10

要介護1だと認知症状の程度はどのくらい?利用できるサービスや施設も解説

要介護1だと認知症状の程度はどのくらい?利用できるサービスや施設も解説

要介護1とは、日常生活を送るうえで見守りや一部介助が必要な状態です。
認知症の症状も出てくる要介護1の方も多く、「どのように対応すればよいか、わからない」「何か使えるサービスはないのか」と、介護に悩むご家族も多いでしょう。

この記事では、要介護1における認知症の程度や受けられるサービスについて解説します。
認知症を抱えた要介護1の方でも入居できる施設や、生活状況別のケアプラン例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

要介護1で認知症がある状態とは

要介護1とは、日常生活を送るための動作に見守りや一部介助が必要である状態です。
たとえば、以下のような状況が想定されます。

  • 立つときや歩くときに支えが必要
  • 排泄・食事・入浴などで部分的に介助が必要
  • 同じ内容を何度も聞き返す など

要支援2と要介護1の大きな違いは「心身状態の乱れと認知機能の低下」が基準であり、主な特徴は認知症の初期症状が現れることです。
ここでは要介護1での認知症に関して、以下2つを解説します。

  1. 要介護1の認知症状はどのくらい?
  2. 認知症があっても一人暮らしはできる?

要介護1の状態像や要支援2・要介護2との違いについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】要介護1でもらえるお金はある?利用できるサービス一覧や希望別の選び方も


症状の程度はどのくらい?

要介護1における認知症状の例は、以下のとおりです。

  • 直前の出来事を忘れてしまう
  • 家事などを順序だてて行えない
  • 時間や人、場所がわからなくなる など

主に認知症の初期症状が現れ、理解力や判断力の低下がみられます。
日常生活ではたいていのことは1人で行えるものの、状況によって見守りや部分的な介助が必要です。

要介護者の安全を守るために介護サービスを利用しはじめ、認知症の進行を少しでも防ぎましょう。


一人暮らしはできる?

認知症で要介護1の認定を受けていても、一人暮らしは可能です。
厚生労働省が行った調査によると、要介護認定を受けた方のうちおよそ3人に1人は一人暮らしをしており、要介護度別で最も多いのは要介護1の方です。

一方で、認知症の進行具合や心身状況によっては、以下のようなリスクが考えられます。

  • 自宅での転倒・ケガ
  • 火の不始末による火事
  • 金銭トラブル など

住み慣れた自宅で長く過ごしたいものの、さまざまなリスクを考えると不安を感じてしまう方が多くいらっしゃいます。
ご本人の安全やご家族の介護負担軽減を踏まえ、施設への入居も検討しましょう。
おすすめの施設について知りたい方は、後述する「要介護1で認知症がある方におすすめの入居施設」を参照してください。

引用元:厚生労働省|2022(令和4)年国民生活基礎調査 IV介護の状況


認知症をもつ要介護1の方が受けられるサービス

認知症をもつ要介護1の方が受けられるサービスは、主に以下の4つです。

  1. 通所介護(デイサービス)
  2. 通所リハビリ(デイケア)
  3. 訪問介護(ホームヘルプ)
  4. 福祉用具貸与・購入

上記のような居宅サービスは、自宅にいながら、もしくは自宅から施設・事業所に通って利用できます。
生活環境を変えずにサービスを受けられ、他の方やスタッフとの交流を通して孤立感を解消できる点が魅力です。
ご本人やご家族の希望に合わせて、在宅サービスを検討しましょう。


要介護1で認知症がある方におすすめの入居施設

要介護1で認知症を抱えている方におすすめの入居施設は、以下3つのサービスです。

  1. 認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)
  2. サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
  3. 有料老人ホーム

それぞれのサービス内容や費用について解説します。
なお、以下の内容を前提にした介護サービス自己負担額を掲載しています。

  • 2024(令和6)年6月現在
  • 負担割合:1割の場合
  • 地域区分:1単位=10円の場合
  • 30日あたりの費用目安

各種加算を取得している施設もあるため、詳しい金額は直接確認しましょう。


入居施設①:認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)

認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)とは、認知症を抱えた方に対し、少人数で共同生活しながら専門的な認知症ケアを提供するサービスです。
グループホームの主なサービス内容と自己負担額は、下表のとおりです。

主なサービス内容・日常生活上の支援
・機能訓練 など
自己負担額※2,259円
その他費用・家賃
・光熱費
・食材料費
・共益費
・管理費
・日常生活費 など
※2ユニットの場合

グループホームは、認知症専門スタッフによるケアを受けられる点が大きなメリットとなっています。
認知症の進行を遅らせると同時に、少人数での生活により穏やかなリズムで生活できます。

引用元:介護サービス情報公表システム|どんなサービスがあるの? – 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)


入居施設②:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)とは、高齢者を対象にしたバリアフリー構造の住まいです。
サ高住の主なサービス内容と自己負担額は、下表のとおりです。

主なサービス内容・安否確認
・生活相談
・(施設によって)食事、入浴など
自己負担額一般型外部の訪問・通所サービス利用した分
介護型1,626円
その他費用・家賃
・共益費
・管理費
・食費
・日常生活費 など

豊田市が行った調査によると、要介護1・2がサ高住や有料老人ホームへ入居する割合は最も高くなっています。
主な理由は、以下のとおりです。

  • ご家族が介護できない
  • 一人暮らしでご本人を支える家族がいない
  • 住居環境の都合で十分に介護が受けられない など

サ高住のほとんどは外出や外泊の制限がなく、他施設と比べると自由度が高い傾向にあります。
ただし、施設によっては立地や設備の充実度により月額費用が異なります。

引用元:豊田市|令和4年度豊田市高齢者等実態調査結果報告書


入居施設③:有料老人ホーム

有料老人ホームとは、下表4つのうちいずれか(もしくは複数)のサービスを提供している施設です。

主なサービス内容1. 食事の提供
2. 介護(入浴・排泄・食事)の提供
3. 洗濯、掃除等の家事の供与
4. 健康管理
自己負担額住宅型外部の訪問・通所サービス利用した分
介護付き1,626円
その他費用・家賃
・管理費
・光熱費
・食費
・日常生活費 など

日常生活全般の支援を受けられ、イベントやレクリエーションが充実していることが特徴です。
住宅型では共に入居されている方とのかかわりながら楽しく生活でき、介護付きでは日常生活全般における介護ケアを受けられます。


要介護1で認知症がある方のケアプラン例

要介護1と認定されたとき、生活環境に応じて以下2つのケアプランが挙げられます。

  1. 在宅生活の場合
  2. 施設生活の場合

それぞれの環境に応じたケアプラン例について見ていきましょう。


ケアプラン例①:在宅生活の場合

要介護1で在宅での生活を希望する場合のケアプラン例は、下表のとおりです。

サービス利用目的頻度
通所系サービスデイサービス
(9:00~16:00)
・日常生活支援
・機能訓練
・入浴
・レクリエーション
・他者交流 など
週2~3回
訪問系サービス訪問看護
(~30分/回)
・体調管理
・日常生活指導
・必要に応じた医療処置 など
週1~2回
訪問介護
(生活援助、45分~)
・掃除、洗濯などの生活支援
・買い物、薬の受取 など
週2~3回
短期入所サービス短期入所生活介護・孤立感の解消
・ご家族の介護負担軽減
月に2泊3日

在宅生活を希望する場合、以下の視点で考えるのが重要です。

  • 自宅の生活環境を整える
  • 心身機能を維持・改善する
  • 社会との関係・孤立感を解消する
  • ご家族に休息の時間を設ける

ご自宅の生活状況やご家族の介護力により、デイサービスや訪問サービスの回数を調整する必要があります。
ご本人やご家族の希望・悩みをケアマネージャーへ伝え、できるだけ長く在宅生活を続けられるようプランを組んでもらいましょう。


ケアプラン例②:施設生活の場合

施設生活の場合におけるケアプラン例は、下表のとおりです。

サービス利用目的頻度
通所系サービスデイサービス
(9:00~16:00)
・日常生活支援
・機能訓練
・入浴
・レクリエーション
・他者交流 など
週2~3回
訪問系サービス訪問看護
(~30分/回)
・体調管理
・日常生活指導
・必要に応じた医療処置 など
週1~2回
訪問介護
(生活援助、45分~)
掃除、洗濯などの生活支援 など週3~4回

たとえば、サ高住ではデイサービスや訪問介護事業所が併設している施設もあります。
住居の掃除・洗濯などは訪問介護サービスを利用し、介護だけで補い切れない日常の困りごとはサ高住の生活支援を活用できるのです。

「1人だと生活に不安」だと感じている方や、「ご家族がなかなか介護できない」と悩んでいる方は、施設への入居も検討してみましょう。


ゴールドエイジなら認知症がある要介護1の方もサポート可能

弊社ゴールドエイジでは、認知症を抱えた要介護1の方も入居できる有料老人ホームやサ高住を運営しております。
実際に、ご入居者のおよそ10〜25%の方が認知症を抱えており、年々増加傾向です。

また、理学療法士・作業療法士も在籍しており、ご入居者の身体状況やニーズに沿ったリハビリテーションを提供しています。
認知症がある要介護1の方でも、心身機能や社会活動の維持・改善が期待できます。
入居相談やご見学も随時受け付けているので、以下の一覧ページからお近くの施設をお探しください。

※ゴールドエイジでは認知症の方のご入居につきまして、ご入居者様の個別の状態により判断させていただいております。
認知症の診断の有無にかかわらず、他のご入居社様との共同生活や、職員のサービス提供に支障がない場合は、ご入居いただけます。


まとめ:要介護1で認知症があるなら介護サービスの利用を

認知症を抱えた要介護1の方にとって、介護サービスの活用はとても重要です。
心身機能を維持・改善するだけではなく、さまざまな人とのかかわりを通して社会活動ができ、孤立感の解消につながります。
これからの生活で少しでも不安を少なくできるよう、介護サービスを利用しましょう。

なお、弊社ゴールドエイジでは、要介護1で認知症を抱えた方も安心して過ごせる有料老人ホームやサ高住を運営しております。
入居相談やご見学も随時受け付けているので、以下の一覧ページからお近くの施設をお探しください。

※ゴールドエイジでは認知症の方のご入居につきまして、ご入居者様の個別の状態により判断させていただいております。
認知症の診断の有無にかかわらず、他のご入居社様との共同生活や、職員のサービス提供に支障がない場合は、ご入居いただけます。

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この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。