要介護1でも一人暮らしは可能?利用できるサービスやケアプラン例も解説
要介護1は、介護が必要な場面が増えてくる状態です。
しかし、もともと一人暮らしをしていた方からすると、なるべく今の生活を続けたいという想いも強いものです。
とはいえ、ご家族から見ると「本当に一人暮らしを継続できるのか」「安全に暮らせるサービスはないか」など不安をもつ方も多いでしょう。
この記事では、要介護1で一人暮らしを継続するポイントや利用したいサービスについて解説します。
また、要介護1で一人暮らしを続ける場合の具体的なケアプラン例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
要介護1の方でも一人暮らしは続けられる?
要介護1の方でも必要なサポートがあれば、一人暮らしは可能です。
要介護1の場合、日常生活で必要な動作は自立している部分が多く、一部の介助があれば生活できます。
実際、一人暮らしをしている要介護者は下表のとおり、要介護1の割合が多くなっています。
要介護度 | 要介護度別の割合 |
要支援1 | 17.5% |
要支援2 | 26.1% |
要介護1 | 18.9% |
要介護2 | 16.5% |
要介護3 | 9.0% |
要介護4 | 5.9% |
要介護5 | 3.3% |
ただし、認知症の有無や程度により、事故のリスクが高い場合は、一人暮らしが困難な場合があります。
一人暮らしが可能かどうかの判断は、ご本人やご家族だけでは難しいため、ケアマネジャーなどの専門家の意見を踏まえて決めましょう。
要介護1で一人暮らしを続ける場合に押さえたいポイント
要介護1で一人暮らしを続けるためのポイントは、以下の3つです。
- 健康的な生活を心がける
- 自宅のバリアフリー化を進める
- 必要に応じて家族や外部の力を借りる
それぞれについて解説します。
ポイント①:健康的な生活を心がける
できるだけ介護がいらない生活をするためには、心身の健康を保つことが大切です。
要介護1の方で介護が必要となる主な原因は、下記のとおりです。
- 認知症
- 脳卒中※
- 骨折・転倒
※脳卒中は脳梗塞や脳出血など脳の血管がつまったり、破れたりする病気
認知症の予防には、バランスの取れた食事や適度な運動の継続が効果的です。
塩分の過剰な摂取を防ぎ、ウォーキングなどの有酸素運動を続けることで血行を改善しやすくなります。
また、骨折や転倒は、加齢による筋力の低下や運動不足などが原因とされています。
介護が必要となる要因を防ぎ、一人暮らしを継続するためにも適切な生活習慣を心がけましょう。
認知症の種類や予防のポイントについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参照にしてください。
【関連記事】認知症になりやすい人の特徴一覧!予防として今からできることや相談先も
ポイント②:自宅のバリアフリー化を進める
要介護1でも転倒を防ぎ、移動しやすくするために自宅のバリアフリー化を進めましょう。
介護保険を利用すれば、自宅をバリアフリーに改修するための工事費が最大20万円支給されます。
要介護度による支給額の差はなく、工事の合計金額が20万円に達するまでは複数回申請可能です。
また、据え置きの手すりや段差を解消するスロープは、介護保険を利用してレンタルできます。
要介護1でレンタル可能な福祉用具は、以下のとおりです。
- 手すり
- 歩行補助つえ
- 歩行器
- スロープ
- 自動排泄処理装置(尿のみ)
制度をうまく活用して、安全で暮らしやすい環境を整えましょう。
引用元
ポイント③:必要に応じて家族や外部の力を借りる
日頃の健康状態を把握したり、急変に対応したりするために、ご家族や外部のサポート体制を整えましょう。
同居していなくても、日頃から頻繁にコミュニケーションをとって健康状態などを把握することが大切です。
定期的に顔を合わせる機会を作ると、細かな変化にも対応しやすくなります。
また、自治体が提供する一人暮らしの高齢者向け支援サービスや民間企業の見守りサービスを利用するのもおすすめです。
安心して一人暮らしをするために、いざというときに対応できる体制を整えておきましょう。
要介護1で一人暮らしを続ける際に利用したいサービス
要介護1で一人暮らしを続けるために利用したい介護サービスは、以下の3つです。
- 訪問介護(ホームヘルパー)
- 通所リハビリ(デイケア)
- 通所介護(デイサービス)
それぞれのサービスについて、詳しく解説します。
サービス①:訪問介護(ホームヘルパー)
訪問介護は訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪れ、入浴や排泄といった身体介護や掃除や洗濯などの生活援助をするサービスです。
サービスの具体的な内容と自己負担額は、下表のとおりです。
サービス内容 | 身体介護 | ・排泄 ・食事 ・入浴 ・更衣 ・服薬介助 など | |
生活援助 | ・洗濯 ・掃除 ・買い物 ・薬の受け取り など | ||
自己負担額(1割)※ | 身体介護 | 20分未満 | 163円 |
20分以上30分未満 | 244円 | ||
30分以上1時間未満 | 387円 | ||
1時間以上1時間30分未満 | 567円 | ||
以降30分を増すごとに算定 | 82円 | ||
生活援助 | 20分以上45分未満 | 179円 | |
45分以上 | 220円 | ||
身体介護に引き続き生活援助をした場合 | 65円 |
自宅で安心して一人暮らしを続けるために、訪問介護を活用して1人でできない部分の支援を受けましょう。
引用元:厚生労働省|令和6年度介護報酬改定における改訂事項について
サービス②:通所リハビリ(デイケア)
通所リハビリは、自宅で可能な限り自立した生活を送るために、日帰りで専門職によるリハビリが受けられるサービスです。
病院や介護老人保健施設で実施され、以下の専門職が配置されています。
- 医師
- 看護師
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士
- 介護福祉士 など
サービスの具体的な内容と自己負担額は、下表のとおりです。
サービス内容 | ・機能訓練 ・口腔機能向上サービス※1 ・栄養改善サービス ・食事や入浴などの日常生活上の支援 など |
自己負担額(1割)※2 | 762円 |
※2 通常規模の事業所で7~8時間利用の基本報酬を単位10円で算出
一人暮らしを継続するためには身の回りの動作や家事などを、できる限り自分で行える状態を保つ必要があります。
専門職によるリハビリを受けて、健康で自立した生活を続けましょう。
サービス③:通所介護(デイサービス)
通所介護は、日帰りで日常生活の支援や機能訓練が受けられるサービスです。
通所介護の主な目的は、以下の3つです。
- 孤立感の解消
- 心身機能の維持
- 家族の介護の負担軽減
具体的なサービス内容と自己負担額は、下表のとおりです。
サービス内容 | ・食事や入浴などの日常生活上の支援 ・機能訓練 ・レクリエーション など |
自己負担額(1割)※ | 658円 |
基本報酬に以下のサービスは含まれません。
- 入浴
- 送迎
- 食事
- 看護師などによる機能訓練 など
別途、追加料金が必要になるので、利用する前にいくらかかるかは事前にケアマネジャーへ確認しましょう。
通所介護を利用して馴染みの関係ができれば、一人暮らしによる孤立感の解消につながります。
機能訓練やレクリエーションなどで気分転換や心身機能の向上・維持も可能です。
引用元:厚生労働省|令和6年度介護報酬改定における改訂事項について
要介護1で一人暮らしを続ける場合のケアプラン例
要介護1で一人暮らしを続ける場合のケアプラン例は、下表のとおりです。
利用サービス | 頻度 | 目的 |
通所リハビリ | 週1回 | リハビリによる移動能力の改善 |
通所介護 | 週2回 | ・機能訓練による心身機能の向上・維持 ・レクリエーションによる気分転換 |
訪問介護 | 週2回 | 買い物や掃除などの生活支援 |
住宅改修 | 玄関や浴室に手すりを設置 |
移動能力の低下は、転倒のリスクを高め、生活の制限につながります。
住宅改修によるバリアフリー化や、リハビリによる移動能力の改善が大切です。
また、要介護1の場合、身の回りの動作は自立していても、買い物や掃除など家事が難しい場合があります。
訪問介護を利用して1人では難しい家事の支援を受ければ、一人暮らしの可能性が広がります。
さらに、孤立感の解消には、デイサービスで馴染みの方との交流がおすすめです。
機能訓練により、日常生活の動作に必要な心身機能の維持もできます。
上記のように、要介護1でもサービスを組み合わせると、一人暮らしが継続できます。
ケアマネジャーの助言を受けながら、状態にあったサービスを活用しましょう。
要介護1での一人暮らしが不安になったらゴールドエイジへ
弊社ゴールドエイジのサ高住は、要介護1の方がご本人のできる動作や家事をしながら、健康的な生活が送れるよう支援します。
訪問介護やデイサービスが併設した施設で、必要な支援を受けながら、リハビリやレクリエーションなどに取り組めます。
施設内は手すりや段差がないバリアフリーなので、転倒の予防ができ、安全な生活が送れます。
四季折々の行事や、買い物などの外出も可能です。
施設に入所されている方と一緒に楽しめば、生きがいのある生活につながるでしょう。
要介護1で一人暮らしが不安な方は、施設一覧ページをぜひご覧ください。
まとめ:要介護1でも状態によっては一人暮らしができる
要介護1でも、ご本人の状態や周囲のサポート体制によっては、一人暮らしが可能です。
一人暮らしを継続するためにはできるだけ健康を保ち、1人では難しい部分は必要なサービスを受ける必要があります。
将来、要介護度が悪化した場合も想定して、早めに施設を検討しておくと、不安も少なくなるでしょう。
なお、弊社ゴールドエイジでは、介護度が低い方でも、生きがいを持って生活できるサ高住を運営しています。
施設への入居を検討している方は、以下の一覧ページをあわせてご覧ください。
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この記事の監修
間井 さゆり
役職 | 内部監査室長 |
保有資格 | 介護支援専門員(ケアマネージャー) |
2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。