要介護1で受けられるサービス一覧!よく利用されるものの支援内容や費用も

要介護1の状態では、介護を必要とする場面が多くなります。
ご家族の負担は増加し、在宅での生活継続に対して不安が大きくなるため、施設入所を意識する方も少なくありません。
要介護1でも介護保険サービスを上手に活用すれば、在宅での生活は続けられます。
しかし、「要介護1で受けられるサービスには、どのようなものがあるのだろう」と疑問をもつ方も多いでしょう。
この記事では、要介護1で受けられるサービスを一覧表とともに解説します。
よく利用される支援内容や費用についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
要介護1とは

要介護1とは、自立している面がありながらも、一部に介助がないと日常生活を送ることが難しい状態です。
日常生活動作の介助度は、下表のとおりです。
日常生活動作 | 介助度 | ||||||||||||||||||
食事 | ・基本的に介助なしで摂取できる ・調理や片付けは介助が必要となる ・飲水は促しが必要となる | ||||||||||||||||||
歩行・立ち上がり | ・立ち上がりは支えが必要となる ・歩行時は、つえや手すりが必要となる ・自宅内であれば、見守りや介助により自力で移動できる ・段差などによる転倒のリスクは高い ・外出は見守りや介助が必要となる | ||||||||||||||||||
入浴・トイレ | ・手すりが必要となる ・ズボンの上げ下げは、少しの介助か自力でできる ・入浴時は適宜介助が必要となる | ||||||||||||||||||
意思疎通 | 困難なことも多い | ||||||||||||||||||
その他 | ・約束や物の場所などは忘れてしまうことが多い ・整容や家事に介助が必要となる ・理解や判断力が低下し、1人での買い物は難しい |
人によって症状はさまざまですが、要介護1であれば基本的に見守りや介助で在宅生活が続けられます。
ただし、身体機能の低下により外出は厳しくなり、社会的交流の機会は減ります。
外出の機会が減れば、下肢筋力や認知機能は低下します。
体調が不安定なケースも多く、要介護度が進む恐れは高い状態といえるでしょう。
そのため、要介護1では現状の維持・向上を目的とした介護サービスが求められます。
なお、要支援2・要介護1との違いについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
【関連記事】要介護1でもらえるお金はある?利用できるサービス一覧や希望別の選び方も
【一覧表】要介護1で受けられる介護保険のサービス

要介護1で受けられる介護保険サービスは、下表のとおりです。
入所系サービス | ・介護老人保健施設(老健) ・介護療養型医療施設 ・特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホームなど) ・介護医療院 | |
通所系サービス | ・通所介護(デイサービス) ・通所リハビリ(デイケア) ・地域密着型通所介護 ・療養通所介護 ・認知症対応型通所介護 | |
訪問系サービス | ・訪問介護(ホームヘルプ) ・訪問看護 ・訪問リハビリ ・訪問入浴 ・夜間対応型訪問介護 ・定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | |
その他のサービス | 短期間の宿泊 | ・短期入所生活介護(ショートステイ) ・短期入所療養介護 |
訪問・通所・宿泊の複合施設 | ・小規模多機能型居宅介護 ・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス) | |
地域密着型小規模施設 | ・認知症対応型共同生活介護(グループホーム) ・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 ・地域密着型特定施設入居者生活介護 | |
福祉用具 | ・福祉用具貸与※ ・特定福祉用具販売 |
要介護1では、リハビリテーションや身体機能を維持するサービスが中心となります。
筋力保持や、バランス機能改善に向けた取り組みが必要となるためです。
要介護度が進まないよう、受けられるサービスを最大限に活用しましょう。
要介護1で受けられるサービスの中でよく利用されるもの

名古屋市の介護保険在宅サービス利用者調査によると、要介護1では通所介護(デイサービス)の割合が62.5%ともっとも多い状況でした。
要介護1の方が受けられるサービスでよく利用されているのは、以下の5つです。
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリ(デイケア)
- 訪問介護(ホームヘルプ)
- 福祉用具貸与・購入
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
サービス①:通所介護(デイサービス)
通所介護(デイサービス)は、施設に通いながら日常生活上の支援や機能訓練を受けられるサービスです。
要介護1の方が支援を受けることで、以下のような効果が期待できます。
- 社会的孤立感の解消
- 心身機能の維持と向上
- ご家族にかかる介護負担の軽減
通所介護の利用によって定期的な外出が刺激となり、要介護1の状態における心身機能の維持や向上につながります。
スタッフとの信頼関係も生まれ、安心して相談できる環境が整えられるでしょう。
具体的なサービス内容と自己負担額は、下表のとおりです。
サービス内容 | ・食事や入浴の介助 ・身体機能訓練 ・生活相談 など |
自己負担額(1割)※ | 658円 |
自己負担額には、食費やイベント参加費は含まれていません。
入浴介助などの加算もあるため、費用には余裕をもっておく必要があります。
要介護1で利用できるデイサービスの回数や費用について詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。
【関連記事】【デイサービス】要介護1で利用できる回数は?1回あたりの費用一覧も紹介
引用元:厚生労働省|令和6年度介護報酬改定における改訂事項について
サービス②:通所リハビリ(デイケア)
通所リハビリとは、介護老人保健施設や病院など、国が定める施設で身体の機能訓練を受けられるサービスです。
専門資格の保有者によるリハビリが受けられることで、以下のような効果が期待できます。
- 日常生活の自立促進
- 心身機能の維持や回復
具体的なサービス内容と自己負担額は、下表のとおりです。
サービス内容 | ・理学療法 ・作業療法 ・生活相談 など |
自己負担額(1割)※ | 762円 |
専門性を活かしたサービスが提供され、移動や体を起こすときの注意点など、要介護1で安全な生活を送るための知識も得られます。
転倒や骨折は、要介護度が進む要因となるため注意が必要です。
要介護1の方が定期的にリハビリを受けることで、事故防止につながり、自宅での安全な生活が続けられるでしょう。
引用元:厚生労働省|令和6年度介護報酬改定における改訂事項について
サービス③:訪問介護(ホームヘルプ)
訪問介護(ホームヘルプ)とは、自宅で介護員(ホームヘルパー)による援助を受けられるサービスです。
支援は、以下の内容に分かれます。
- 身体介護
- 生活援助
利用者の状態にあわせて適切なサービスが選択され、どちらも生活の質を維持するために重要なサポートとなっています。
具体的な内容と自己負担額は、下表のとおりです。
サービス内容 | 身体介護 | ・排泄や食事介助 ・身体の整容 ・服薬介助 など |
生活援助 | ・洗濯や掃除などの家事 ・買い物 ・薬の受け取り など | |
自己負担額(1割)※1 | 身体介護※2 | 387円 |
生活援助※3 | 220円 |
※2 30分~1時間利用した場合
※3 45分以上利用した場合
訪問介護を受けられることにより、要介護1で在宅を続ける方は「1人ではない」という精神的な支えを得られるでしょう。
引用元:厚生労働省|令和6年度介護報酬改定における改訂事項について
サービス④:福祉用具貸与・購入
福祉用具は、自立した日常生活を送るための補助用具です。
要介護1において保険給付の対象となる福祉用具は、以下のとおりです。
- 手すり
- 歩行補助つえ
- 歩行器
- スロープ
- 自動排泄処理装置(尿のみ)
要介護1では自立している面が多く、歩行をサポートする用具のレンタルが中心です。
使用者の肌が直接触れたり品質変化により再利用できない用具は、購入となります。
要介護1は基本的に軽度な状態のため、購入の対象は浴槽手すりなどの入浴補助用具が主です。
福祉用具の購入時には上限10万円として、介護保険により費用の一部が払い戻されます。
要介護1の方にとって、福祉用具は在宅で自立した生活を送るために欠かせないサポートとなるでしょう。
引用元:
サービス⑤:サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
要介護1で施設を検討する際は、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)が有力な選択肢の1つとなります。
サ高住は、自立または要介護度が低い状態でも入居できるバリアフリーの賃貸住宅です。
令和4年の豊田市高齢者等実態調査では、要介護1・2の方が入居する施設として、サ高住や有料老人ホームの割合が53.3%ともっとも高い結果となりました。
要介護1では自立した面もあり、自由に生活したいと考える方が多い傾向にあります。
在宅での生活を続けたいけれど、耐震や段差など住宅性能の問題によって、住み替えが必要になるケースも多いでしょう。
サ高住のような高齢期に適した住環境は、要介護度の進行を遅らせ日常生活の自立を支えます。
要介護1の方が自分らしい暮らしを守るためには、サ高住などへの入居も選択肢の1つとして検討するのがおすすめです。
ゴールドエイジでは、介護認定を受けている入居者の中で要介護1の割合は約24%です。
サ高住の費用相場や内訳について詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
【関連記事】サ高住の費用相場と内訳一覧!年金だけでも無理なく支払える方法も解説
ゴールドエイジのサ高住なら要介護1の方も快適に過ごせる

弊社ゴールドエイジのサ高住なら、要介護1の方も快適に過ごせます。
要介護1の方が自立して暮らすためには、心身の状態維持に有効なリハビリの充実が欠かせません。
ゴールドエイジのサ高住には理学療法士9名・作業療法士4名も配置されており、自宅のように自由な環境で、専門的なリハビリが受けられます。
また、手すりやバリアフリーといった安全面に配慮された環境も整っています。
整備された環境と充実したリハビリにより、安全で快適に過ごせる空間が提供されているのです。
要介護1でサ高住への入居を検討している方は、施設一覧ページをぜひご覧ください。
まとめ:要介護1でも受けられるサービスは多種多様

要介護1でも、状態によって受けられるサービスは多種多様です。
在宅での生活を続けるためには、介護サービスを積極的に活用することが重要です。
将来を見越して早めに施設を検討しておくことも、安心した暮らしにつながります。
なお、弊社ゴールドエイジでは、安全な環境で自分らしい生活を送れるよう支援するサ高住を運営しております。
サ高住への入居を検討している方は、施設一覧ページをあわせてご覧ください。
【関連記事】要介護2でもらえるお金はある?利用できるサービスやよくある質問も解説
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この記事の監修

間井 さゆり
役職 | 内部監査室長 |
保有資格 | 介護支援専門員(ケアマネージャー) |
2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。