要介護2でも一人暮らしはできる?ケアプラン例や役立つサービスも解説

歳を重ねても、住み慣れた自宅での生活を続けたいと願う方は多いものです。
しかし、安全・安心な生活を続けるためには、自宅の環境整備やサービスの利用などが必要になってきます。
とくに要介護2の状態では身の回りの支援が増えるため、「一人暮らしができるのか」と不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、要介護2で一人暮らしを続ける際に押さえたいポイントを解説します。
役立つサービスやケアプラン例も、あわせて紹介。要介護2で安全・安心な一人暮らしを続けたい方は、ぜひ参考にしてください。
要介護2の方でも一人暮らしはできる?

要介護2の方でも適切なサポートがあれば、一人暮らしの継続はおおむね可能です。
厚生労働省の調査によると、一人暮らしをしている要介護者は、要介護2が要介護1に次いで多い結果となっています。
一人暮らしの割合 | |
要介護1 | 18.9% |
要介護2 | 16.5% |
要介護3 | 9.5% |
要介護4 | 5.9% |
要介護5 | 3.3% |
ただし、一人暮らしの可否は、ご本人の身体機能や認知症の有無によって左右されます。
要介護2でも、日常生活動作に支援が必要な状態である点を考慮すると、介護サービスの利用が重要な要素といえるでしょう。
要介護2の方が一人暮らしを続けるために押さえたいポイント

要介護2の方が一人暮らしを続けるために押さえたいポイントは、以下の3点です。
- 福祉用具貸与や住宅改修を利用する
- 栄養バランスのよい食事をとる
- 認知症の状態を家族が把握する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイント①:福祉用具貸与や住宅改修を利用する
要介護2では転倒などの事故防止に向けて、福祉用具貸与や住宅改修を利用することが大切です。
実際、要介護2では、以下のような動作に支えや介助が必要になります。
- 立ち上がりや歩行
- 階段の上り下り
- 浴槽の出入り
- 入浴やトイレ時の衣類着脱 など
日常生活で支えが必要なシーンが多くなると、転倒の危険性も高まります。
要介護2で安全に生活するには手すりの取付けや段差の解消など、敷地内での事故を防ぐ対策が重要です。
このような物理的支援は、安全性を高めるだけでなく自立の促進にもつながります。
また、福祉用具貸与では介護ベッドや車椅子などの用具をレンタルできます。
ただし、使用者の肌が直接触れるような入浴時に使用する椅子などは購入となるため、事前に確認することが大切です。
さらに、住宅改修では補助金を活用し、経済的な負担を軽減しつつ生活環境を整えることが可能です。
要介護2の方が一人暮らしをする際は国や自治体の制度を利用し、事故防止や自立促進に向けた対策を検討しましょう。
なお、要介護2で福祉用具に使える制度を詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
【関連記事】要介護2でもらえるお金はある?利用できるサービスやよくある質問も解説
ポイント②:栄養バランスのよい食事をとる
要介護2の方が一人暮らしを続けるうえでは、栄養バランスのよい食事で体調を維持することも大切です。
実は、加齢によって噛む力が衰えたり、入れ歯を使い始めたりすると、摂取できる栄養素に偏りが生じます。
その結果、以下のような問題が生じ、介護度が進む可能性があります。
- 体重減少
- 低栄養
- 骨密度の減少
- 筋力の低下 など
このような状態の悪化を避けるには、筋肉量に直結するたんぱく質の摂取が大切です。
食事を準備する負担が大きい場合は、お惣菜や宅配弁当サービスを活用するのも1つの方法です。
おかずが単品になりそうなときは缶詰を追加するなど、栄養素を意識してさまざまな食品を取り入れるとよいでしょう。
ポイント③:認知症の状態を家族が把握する
要介護2の方は認知症が進行する恐れを抱えており、ご家族は注意深く観察する必要があります。
認知症は下表のように、年齢が上がるにつれて発症リスクが高まるためです。
認知症有病率 | 軽度認知障害の有病率 | |
65~69歳 | 1.1% | 6.9% |
70~74歳 | 3.1% | 9.3% |
75~79歳 | 7.1% | 16.5% |
80~84歳 | 16.6% | 22.6% |
85~89歳 | 32.8% | 27.5% |
要介護2の方も、将来的に認知症が進行する可能性は高いと認識しておく必要があるでしょう。
介護サービスや入居先の検討などは現在の状態だけではなく、将来的な変化も視野に入れることが大切です。
介護の悩みを相談する窓口や負担軽減につながるサービスを詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
【関連記事】介護の悩み相談ができる窓口一覧|負担軽減が期待できるサービスも解説
引用元:厚生労働省|認知症および軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計
【一人暮らしを続けたい方へ】要介護2で利用できるサービス

要介護2の方は、一人暮らしを続けながら、以下3つのサービスを利用できます。
- 訪問サービス
- 通所サービス
- 短期入所サービス
なお、要介護2の方が利用する割合の高いサービスを詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてください。
【関連記事】【一覧表付き】要介護2で受けられる在宅・通所サービスとは?主な入居先も
訪問サービス
要介護2の方が一人暮らしを続けるためには、訪問サービスが不可欠です。
自宅にいながら日常生活の支援やリハビリが受けられるため、安全で快適な生活の維持に役立ちます。
サービス名 | 内容 | ||
訪問介護 | 訪問介護員等が身体介護や生活援助を実施 | ||
訪問看護 | 看護師が訪問し、体調管理や療養相談などを実施 | ||
訪問リハビリテーション | 自宅で理学療法士などの有資格者がリハビリを実施 | ||
訪問入浴 | 専用車両で浴槽を持参し、入浴の援助を実施 | ||
定期巡回・随時対応型訪問介護 | 定期または随時連絡を受けた際に利用者を訪問し、入浴介助や家事支援を実施 | ||
居宅療養管理指導 | 医師や薬剤師が訪問し、服薬などの指導を実施 |
要介護2では日常生活の介助が必要になり、訪問サービスの回数が多くなります。
これらのサービスは要介護2の方にとって安否確認や現状の評価だけではなく、安心感にもつながります。
一人暮らしを続けられるよう、サービスを適切に組み合わせて利用することが重要です。
通所サービス
要介護2の方が一人暮らしを続けるうえで、通所サービスは心身の状態安定に重要な意味を持ちます。
介護施設に通うことで、身体機能の低下を防ぐための訓練を受けられるのはもちろん、社会的交流の維持が可能です。
要介護2の方が利用できる通所サービスは、下表のとおりです。
サービス名 | 内容 | ||
通所介護 | 食事やレクリエーションなどのサービスを提供 | ||
通所リハビリテーション | 理学療法士などの有資格者によるリハビリを実施 | ||
認知症対応型通所介護 | 認知症の方に、日常生活上の支援や機能訓練などのサービスを提供 | ||
地域密着型通所介護 | 小規模な施設で、食事やレクリエーションなどのサービスを提供 |
たとえば、専門家によるリハビリは事故防止や自立促進につながり、施設での会話やレクリエーションは認知症の進行を遅らせるのに役立ちます。
要介護2で心身ともに健やかな生活を送るためには、通所サービスの適切な利用が大切です。
短期入所サービス
要介護2で一人暮らしを続ける方にとって、短期入所サービスは心身の負担軽減に有効です。
加齢による身体機能の低下があるなかで、自立して生活することは大きな負担となります。
このような負担が蓄積しないよう、定期的な休息が大切です。
要介護2の方が受けられる短期入所サービスは、下表のとおりです。
サービス名 | 内容 | ||
短期入所生活介護(ショートステイ) | ・介護施設に短期入所 ・日常生活上の支援や機能訓練を実施 | ||
短期入所療養介護 | ・医療機関や介護施設に短期入所 ・日常生活上の支援に加えて、医療や機能訓練を実施 |
施設入居も体験できるため、将来の入居先を検討する際の参考になるでしょう。
【要介護2の方】一人暮らしを続ける場合のケアプラン例

要介護2で一人暮らしを続ける場合のケアプラン例は、下表のとおりです。
サービス | 頻度 | 目的 | ||||||||||||
通所系サービス (リハビリなど) | 週1~2回 | リハビリやレクリエーションによる身体機能の低下予防 | ||||||||||||
訪問系サービス | 訪問介護 | 週2~3回 | ・掃除や買い物などの生活支援 ・更衣や排泄介助などの身体援助 | |||||||||||
訪問看護 | 週1回 | ・体調管理 ・療養相談 | ||||||||||||
福祉用具貸与 | ・杖 ・手すり | 自立の促進 |
基本的に要介護2の方が一人暮らしをする際のケアプランは、自宅での安全確保や日常生活支援が主となります。
ただし、孤独感を感じないよう、社会的な交流も視野に入れることが大切です。
要介護2での一人暮らしを継続するためには、定期的にサービス内容を見直し、状態の変化に応じたプランの調整が望ましいでしょう。
一人暮らしが不安な要介護2の方はゴールドエイジがおすすめ

要介護2の状態で一人暮らしを続けていると、さまざまな不安や困難に直面するケースも少なくありません。
とくに、体調の急変や緊急時の対応など、日々の生活支援は大きな課題です。
このような不安を抱えている方には、弊社ゴールドエイジがおすすめです。
ゴールドエイジはサ高住などさまざまな施設を運営しており、専門的なケアと安全面に配慮した生活環境を提供しています。
施設には理学療法士9名と作業療法士4名が在籍しており、専門的なリハビリも可能です。
また、食事面も大切にしており、個々の状態や要望に応じて栄養士がメニューを考え提供しています。
要介護2で、このような多様なサポートを受けつつ元気に過ごしたい方は、施設一覧ページをご覧ください。
なお、サ高住の食事サービスに関する費用相場やメニュー例を知りたい方は、下記の記事もチェックしましょう
【関連記事】サ高住は食事サービスもある?提供方法や食費の相場も解説|メニュー例も
まとめ:要介護2でも一人暮らしを続けられる方もいる

要介護2でも、適切なサポートを受けて一人暮らしを続けられる方もいます。
ただし、状態の変化に備えて、施設の選択肢も頭に入れておくことが大切です。
弊社ゴールドエイジでは柔軟な生活が可能なサ高住や、専門的ケアの受けられる施設を多数運営しております。
要介護2で、希望に合った環境のもと安全・安心な生活を送りたい方は、ぜひ施設一覧ページをご覧ください。
【関連記事】サ高住とはどんな施設?5つの観点からわかりやすく解説!近年の入居状況も
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この記事の監修

間井 さゆり
役職 | 内部監査室長 |
保有資格 | 介護支援専門員(ケアマネージャー) |
2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。