要介護2でもらえるお金はある?利用できるサービスやよくある質問も解説

介護が必要な状態でも制度を正しく理解して上手に活用すれば、生活の質を高めることが可能です。
しかし、要介護認定を受けた直後だと「どのような制度やサービスが利用できるのか」など、わからないことも多いでしょう。
この記事では、要介護2でもらえるお金の有無や受けられる制度について紹介します。
利用できるサービスやよくある質問についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
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要介護2でもらえるお金はある?

要介護2をはじめ、要介護認定を受けても現金が給付される制度はありません。
ただし、介護サービスを利用した場合に負担を軽減する制度があります。
要介護2で受けられる制度は、主に以下の3つです。
- 区分支給限度額
- 介護用品のレンタル・購入費用に対する給付
- 自宅の改修工事費用の支給
それぞれの制度について詳しく解説します。
また、要介護が進んだときのために、他の制度について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしましょう。
【関連記事】【要介護度別】もらえるお金はある?介護にかかるお金や支援制度も解説
制度①:区分支給限度額
区分支給限度額は、介護サービスを利用したとき要介護度にあわせて支給される給付金の限度額です。
介護サービスを利用した場合、所得に応じて自己負担が1〜3割になります。
残りの費用は、利用したサービス費用の合計が区分支給限度額の範囲内であれば、介護保険から支給されます。
要介護2における区分支給限度額と所得に応じた自己負担額は、下表のとおりです。
金額 | ||
区分支給限度額 | 19万7,050円 | |
所得に応じた利用者負担額 | 1割 | 1万9,705円 |
2割 | 3万9,410円 | |
3割 | 5万9,115円 |
なお、区分支給限度額は、通所介護や訪問介護などの居宅サービスや地域密着サービスを利用した場合の限度額です。
つまり、施設サービスには適用されません。
また、区分支給限度額を1円でも超えて介護サービスを利用した場合、超過分は全額自己負担になるため注意が必要です。
要介護2の場合にどの程度の枠があるかを理解したうえで、介護サービスの利用をケアマネジャーと検討していきましょう。
制度②:介護用品のレンタル・購入費用に対する給付
介護用品をレンタル・購入する場合、自己負担は費用の1〜3割で、残りは介護保険による給付で支払われます。
要介護2の場合にレンタルできる介護用品は、以下の13種類です。
- 車いす
- 車いす付属品
- 特殊寝台
- 特殊寝台付属品
- 床ずれ防止用具
- 体位変換器
- 手すり
- スロープ
- 歩行器
- 歩行補助杖
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト(つり具部分を除く)
- 自動排泄処理装置(排便機能のないもの)
介護用品のレンタルで必要な費用は、前述の区分支給限度額の範囲に含まれます。
また、介護用品はレンタル以外にも、購入する場合に介護保険からの補助が受けられるものがあります。
具体的な用品は、以下の6種類です。
- 腰掛便座
- 自動排泄処理装置の交換可能部分
- 排泄予測支援機器
- 入浴補助用具
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具部分
上記の介護用品にかかる費用のうち、10万円を限度額として介護保険の給付が受けられます。
かかった費用のうち自己負担分は1〜3割で、残りの費用が介護保険から給付されます。
介護用品のレンタルは要介護1以下と要介護2以上で、レンタル可能なものが異なるので注意が必要です。
引用元:
制度③:自宅の改修工事費用の支給
要介護2の場合、安心して自宅生活を続けるためには、段差の解消や手すりの設置などの改修工事が必要なケースも多々あります。
その場合、改修工事に必要な費用が介護保険から支給されます。
介護保険から支給される限度額は、要介護度にかかわらず20万円です。
20万円の支給は生涯一度きりですが、1回の改修で使い切らない場合は、限度額の範囲内で複数回申請できます。
また、転居した場合や介護度が3段階上がった場合は、再度20万円までの限度額が設定されます。
要介護2はある程度介助が必要な状態なので、改修費用の補助を有効活用して、安全な生活ができる環境にしましょう。
要介護2とは

要介護状態とは身体的または精神的な障害のため、入浴や排泄などの日常生活動作の全部または一部に常時介助が必要となる状態です。
介護が必要な程度に応じて、要介護1〜要介護5の5つの区分に分けられます。
ここでは要介護2の基礎知識として、以下の3つを解説します。
- 基本的な状態
- 要介護1との違い
- 要介護3との違い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
基本的な状態
要介護2は要介護区分の中で、介護の必要性が2番目に低い状態です。
必要とされる介護の具体例は、以下のとおりです。
- 歩行が不安定で支えがいる
- 金銭管理や服薬管理が難しい
- 1人で体が洗えない
- 簡単な調理もできない
要介護2は歩行や立ち上がりが難しくなり、入浴や排泄などの日常生活動作が1人では難しい状態です。
また、理解力の低下があり、金銭や服薬の管理はもちろん、調理なども困難になります。
要介護区分の中では、介護度が低い状態ですが、日常生活を1人だけで送るのは難しい状態といえるでしょう。
要介護1との違い
要介護1と要介護2の違いは、下表のとおりです。
違い | 要介護1 | 要介護2 | |
日常生活動作 | 食事 | 一部介助が必要 | 介助が必要 |
歩行・立ち上がり | 支えが必要 | 支えが必要 | |
入浴・トイレ | 一部介助が必要 | 介助が必要 | |
身の回りのこと | 一部介助が必要 | 介助が必要 | |
要介護認定等基準時間 | 32分以上50分未満 | 32分以上50分未満 | |
認定者数(割合) | 男女計 | 146万3,388人(20.7%) | 118万8,630人(16.8%) |
要介護1は基本的な動作や身の回りのことは自分でできる内容も多いですが、要支援2と比較して介助が必要な状態です。
一方、要介護2は基本的な動作や身の回りのことに、何らかの介助を必要とします。
要介護1の状態について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
【関連記事】要介護1でもらえるお金はある?利用できるサービス一覧や希望別の選び方も
要介護3との違い
要介護2と要介護3の違いは、下表のとおりです。
違い | 要介護2 | 要介護3 | |
日常生活動作 | 食事 | 介助が必要 | 介助が必要 |
歩行・立ち上がり | 支えが必要 | 支えが必要(寝返りも困難) | |
入浴・トイレ | 介助が必要 | 介助が必要(身だしなみも整えれない) | |
身の回りのこと | 一部介助が必要 | 全面的に介助が必要 | |
要介護認定等基準時間 | 50分以上70分未満 | 70分以上90分未満 | |
認定者数(割合) | 男女計 | 118万8,630人(16.8%) | 92万4,828人(16.8%) |
要介護3では要介護2に比べ、さらに介護が必要な場面が多くなります。
生活において全面的な介助が必要となるため、自宅での生活が難しく、施設への入所が必要となるケースもあるでしょう。
要介護3の状態について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
【関連記事】要介護3でもらえるお金はある?状態像や利用できるサービス一覧も紹介
要介護2で利用できるサービス一覧

要介護2で利用できるサービスは、下表のとおりです(★は区分支給限度額の対象となるサービス)。
入所サービス | ・介護老人保健施設(老健) ・介護療養型医療施設 ・介護医療院 ・特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホームなど) ・認知症対応型共同生活介護(グループホーム) ・地域密着型特定施設入居者生活介護 | |
通所サービス | ・通所介護(デイサービス)★ ・通所リハビリ(デイケア)★ ・地域密着型通所介護 ・療養通所介護 ・認知症対応型通所介護 | |
訪問サービス | ・訪問介護★ ・訪問看護★ ・訪問リハビリ★ ・訪問入浴★ ・夜間対応型訪問介護★ ・定期巡回・随時対応型訪問介護看護 ★ | |
その他のサービス | ケアプラン作成のサービス | ・居宅介護支援 |
短期間の入所サービス | ・短期入所生活介護(ショートステイ)★ ・短期入所療養介護★ | |
訪問・通所・入所を組み合わせたサービス | ・小規模多機能型居宅介護★ ・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)★ | |
介護用品をレンタル・購入するサービス | ・福祉用具貸与★ ・特定福祉用具販売 |
要介護2では、ほとんどの介護サービスを利用できますが、介護老人福祉施設などは特別な場合を除き利用できません。
在宅で生活する場合、どの介護サービスを組み合わせるかは、居宅介護支援を利用してケアマネジャーによる支援を受けながら計画を立てます。
また、施設に入所が必要な場合は、ケアマネジャーの支援を受けながら、希望の施設を探す必要があります。
要介護2で利用できるサービスを参考にしながら、ケアマネジャーと協力して状態に合わせたサービスを利用しましょう。
なお、弊社ゴールドエイジは要介護2の方でも入居できる施設を運営しています。
施設について検討してみたい方は、以下の一覧ページもあわせてご覧ください。
引用元:厚生労働省|介護事業所・生活関連情報検索 公表されている介護サービスについて
要介護2に関するよくある質問

要介護2に関するよくある質問は、以下の3つです。
- 1人暮らしは続けられる?
- デイサービスは週に何回行ける?
- 特別養護老人ホームには入居できる?
それぞれの質問へ回答していきます。
質問①:1人暮らしは続けられる?
要介護2の認定を受けていても、1人暮らしが可能な場合があります。
同じ要介護2でも、介護が必要な部分や生活環境は人それぞれのためです。
介護サービスをうまく活用すれば、1人での生活が可能になるケースもあります。
1人暮らしが必要な場合は、現在の状態で可能かどうかケアマネジャーに相談してみましょう。
質問②:デイサービスは週に何回行ける?
デイサービスの利用に制限はありません。
しかし、デイサービスの利用日数が増えると、費用が高額になります。
場合によっては区分支給限度額を超えてしまい、全額実費で支払う必要が出てきます。
要介護2であれば、週に3〜4回デイサービスを利用するケースが多いでしょう。
デイサービス以外のサービスを組み合わせる場合、週のデイサービスの利用日数が少なくなる可能性があります。
ケアマネジャーと相談して、デイサービスを何回利用するのがよいか検討してみましょう。
質問③:特別養護老人ホームには入居できる?
特別養護老人ホームは、原則要介護3以上の方しか入居できないため、要介護2で入居はできません。
ただし、以下の要件を満たす場合は入居できる場合があります。
- 認知症や精神障害などで日常生活に支障をきたし、意思疎通が困難で在宅生活が難しい場合
- ご家族などに虐待が疑われるなどで、心身の安全・安心の確保が難しい場合
- 1人暮らしやご家族が高齢などで支援が受けられず、在宅生活が難しい場合
要介護2で特別養護老人ホームへの入所を希望する場合は、上記の条件を満たしているかどうか施設に確認してみましょう。
特養の基礎知識について振り返りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
【関連記事】特別養護老人ホームと介護老人福祉施設の違いとは?類似施設との比較も解説
まとめ:要介護2でもらえるお金はないが助成制度がある

要介護2では介助を必要とする場面も多く、必要とするサービスも増えるため、金銭的な不安を感じる方も少なくありません。
要介護2で直接もらえるお金はありませんが、さまざまな助成制度が活用できます。
生活の質を維持するためにも助成制度をうまく活用しながら、ご本人やご家族にかかる負担の軽減を図りましょう。
また、在宅で生活が難しいと感じた場合、要介護2では多くの施設の利用が可能です。
弊社ゴールドエイジでは、要介護状態で利用できる施設があります。
要介護2で入所できる施設を探している方は、以下の一覧ページをご覧ください。
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この記事の監修

間井 さゆり
役職 | 内部監査室長 |
保有資格 | 介護支援専門員(ケアマネージャー) |
2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。