公開日:2024.10.10

認知症になりやすい人の特徴一覧!予防として今からできることや相談先も

認知症になりやすい人の特徴一覧!予防として今からできることや相談先も

認知症は記憶や判断力といった認知機能の低下により、一人暮らしが困難になった状態です。
認知症の方は年々増え続けており、自分自身も認知症になるかもしれないと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、認知症になりやすい方の特徴とともに、今からできる認知症の予防方法を解説します。
認知症のサインや相談先についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

認知症の種類と原因

認知症の種類と原因は、下表のとおりです。

種類原因代表的な症状
アルツハイマー型認知症脳に特定のタンパク質がたまることによる脳の萎縮・もの忘れ
・ものの名前が理解できない
・今までできた行動ができない
脳血管性認知症脳梗塞や脳出血などの脳血管障害・まひにより体が動かなかったりしゃべりにくかったりする
・症状の変動が大きい
・感情のコントロールが難しい
レビー小体型認知症脳にレビー小体と呼ばれる物質が蓄積・目の前に存在しないものが見える(幻視)
・転びやすい
・睡眠中に大声で叫んだり暴れたりする
前頭側頭型認知症脳の前頭葉と側頭葉が萎縮・同じ行動を繰り返す
・言葉を話したり理解したりするのが難しくなる
・計画を立てて行動できなくなる

日本ではアルツハイマー型認知症がもっとも多く、脳血管性認知症、レビー小体型認知症と続きます。
認知症の種類や原因について正しい知識をもち、早期発見や対応方法の理解につなげることが大切です。

なお、弊社ゴールドエイジでは、認知症の方でも入居できる施設を運営しています。
認知症向け介護施設をお探しの方は、以下の一覧ページからお近くの施設をチェックしましょう。

※認知症の方が入居をご希望される場合、事前面談があります。
症状によっては入居いただけないケースもございますので、あらかじめご了承くださいませ。


【要因別】認知症になりやすい人の特徴一覧

認知症と関連する要因と具体的な特徴は、下表のとおりです。

要因具体的な特徴
性格・こまかいことが気になる
・怒りっぽい
・自分で何でもこなそうとする
・すぐ批判する
生活習慣・偏った食生活
・運動不足
・睡眠不足
・過度な飲酒
・IT機器への依存
既往歴※・高血圧
・糖尿病
・歯周病
・慢性腎臓病
遺伝・両親がアルツハイマー型認知症
※過去にかかった病気や怪我など

それぞれの特徴について、認知症への影響を含めて詳しく解説します。


チェックポイント①:性格

認知症になりやすい性格の特徴と認知症への影響は、下表のとおりです。

特徴認知症への影響
こまかいことが気になる引きこもりがちになったり、不安やストレスを感じやすかったりする点が認知症のきっかけになる
怒りっぽい周囲から避けられコミュニケーションの機会が減ってしまう結果、脳の刺激がなくなり認知症につながる
自分で何でもこなそうとする人の助けが不要なため他者との交流が減ることで、脳の刺激が少なくなり認知症につながる
すぐ批判するストレスや孤立感が増えて、認知症になりやすい

認知症になりやすい性格の特徴として、人との交流が少なくなったり、ストレスを感じやすかったりする性格があげられます。

過剰なストレスは、認知症の発症と関連しているとされています。
生活で過度なストレスを感じていたり、人と関わりが減ったりしていないかチェックしてみましょう。


チェックポイント②:生活習慣

認知症になりやすい生活習慣は、下表のとおりです。

特徴認知症への影響
偏った食生活高血圧や糖尿病などにつながり、脳へ悪影響を与えるため認知症のリスクを高める
運動不足運動不足で体を動かしにくくなると、活動の機会が減って脳の刺激が少なくなるため、認知症になりやすい
睡眠不足睡眠不足は脳へ悪影響へ及ぼすため、認知症のリスクを高める
過度な飲酒アルコールを大量に摂取すると、脳に負担を与えたり、高血圧や糖尿病につながったりするため、認知症になりやすい
IT機器への依存長時間のスマホなどのIT機器を使用すると、脳の機能を低下させる可能性があり、認知症につながる

認知症は高齢者に特有の症状と思われるかもしれませんが、過度な飲酒やIT機器への依存により若い方でも認知症になりやすい特徴としてあげられます。
不規則な生活習慣になっていないか、上記のポイントを確認してみましょう。


チェックポイント③:既往歴

認知症につながりやすい既往歴は、下表のとおりです。

特徴認知症への影響
高血圧高血圧は脳梗塞や脳出血など脳の病気につながるため、認知症のきっかけになりやすい
糖尿病糖尿病により脳に認知症の原因となる物質がたまりやすくなるため、認知症のリスクが高まる
歯周病認知症につながる物質がたまりやすくなったり、噛む力が弱まり脳への刺激が減ったりするため、認知症のリスクが高まる
慢性腎臓病体内に不要な物質がたまりやすくなるため、認知症のリスクが高まる

高血圧や糖尿病など認知症につながりやすい病気は、生活習慣の乱れと関連しています。
前述の認知症になりやすい生活習慣と合わせて、チェックしてみましょう。


チェックポイント④:遺伝

認知症は遺伝により発症する場合があります。
たとえば、両親のアルツハイマー型認知症の場合は、子どもも1/2の確率で認知症になるとされています。
しかし、認知症は遺伝に関係なく発症する場合がほとんどとされており、遺伝が関連しているケースはまれです。

遺伝による認知症のリスクを調べるためには、遺伝子検査があります。
不安な方は、遺伝子検査を検討してみましょう。


認知症になりやすい人が予防としてできる3つのこと

認知症になりやすい方にできる予防法は、以下の3つです。

  1. 生活習慣を見直す
  2. 自分なりのストレス発散方法を見つける
  3. 定期的に健康診断を受ける

それぞれ、具体的に解説します。


できること①:生活習慣を見直す

認知症の予防には以下をはじめとして、生活習慣病の見直しが有効です。

  • 栄養バランスのとれた食事をとる
  • 糖分、塩分、脂質を摂りすぎない
  • アルコールの摂取や喫煙を控える
  • ウォーキングやジョギングなど有酸素運動を中心とした運動習慣をつける
  • 質のよい睡眠を確保する
  • 人と交流をもつ など

認知症の発症には高血圧や糖尿病など生活習慣病が影響するため、食事や運動に気をつけるとともに、アルコールや喫煙などの過剰摂取に注意が必要です。

また、6〜7時間程度の適切な睡眠時間を確保して、以下の点を注意しながら質のよい睡眠も心がけましょう。

  • 昼寝をしすぎない
  • 夕方以降に寝ない
  • 快適な寝具や室温にする
  • 起床後に日光を浴びる
  • 就寝前に刺激を受けない(カフェインの摂取やスマホの閲覧など)

心理学者のウィリアム・ジェームズは、「心が変われば行動が変わる、行動が変われば習慣が変わる、習慣が変われば人格が変わる、人格が変われば運命が変わる」と述べています。
積極的によい習慣を作り、認知症の予防につなげましょう。


できること②:自分なりのストレス発散方法を見つける

定期的にストレスを発散して、日頃からストレスを溜めないように生活しましょう。
具体的な方法は、以下のとおりです。

  • 趣味を楽しむ
  • 仲のよい人と交流する
  • 外に出て軽めに運動する
  • 自然の多い場所に出かける

人によって気分転換の方法は異なります。
自分なりのストレス解消の方法を見つけて、意識的に気分転換するように努めましょう。


できること③:定期的に健康診断を受ける

定期的に健康診断を受ければ、専門家により心身の状態を把握できるため、認知症の予防につながります。
たとえば、認知症の発症につながる生活習慣病のリスクが高いと診断されれば、早めの治療が可能です。

かかりつけ医を決めておけば、健康診断も気軽に行えます。
定期的な健康診断につなげるために、通いやすい場所にある医療機関をかかりつけ医として決めておきましょう。


認知症の悪化防止には早期発見が大切!見逃せないサイン

認知症の初期に見られるサインは、以下のとおりです。

  • 物を置いた場所わからなくなる
  • 数分前に聞いた話が思い出せない
  • 何度も同じことを言ったり聞いたりする
  • 場所や日付の感覚が不明確になる
  • 外出がおっくうになる
  • 怒りっぽくなった
  • だらしなくなった など

認知症の予防には、認知症の可能性を早期に発見して、できるだけ早い対応が大切です。
「物忘れが多くなったのでは?」などとご家族から言われるようになったら、自分は大丈夫と過信せず医療機関への受診や認知症の相談窓口に行きましょう。

なお、認知症が進行して介護が必要になった場合は、介護保険の申請が必要です。
介護保険申請のタイミングや手続きの方法について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】介護保険を申請すべきベストなタイミングとは?手続きの流れや注意点も解説


認知症のサインが見られたときに相談できる場所

認知症のサインが見られたときに相談できる場所は、以下のとおりです。

  • かかりつけの医師
  • 医療機関のものわすれ外来
  • 認知症疾患医療センター
  • 自治体の相談窓口
  • 地域包括支援センター

上記以外にも電話相談ができる窓口として、都道府県ごと支部がある「認知症の人と家族の会」があります。
早めに対応するためにも、認知症のサインが気になったら1人で抱え込まず気軽に相談しましょう。

また、介護負担が大きくなった場合に備えて、入居施設の情報も収集しておくのも大切です。
認知症向けの介護施設の情報について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】認知症向け介護施設一覧|入所にかかる費用や選び方のポイントも解説


まとめ:認知症になりやすい人の特徴はさまざま

認知症になりやすい人の特徴は、性格や生活習慣などさまざまな要因が関連しています。
自分に当てはまる部分がないか定期的に確認し、当てはまった場合は早めに予防策を講じることが大切です。

なお、弊社ゴールドエイジでは、認知症の方でも安心して過ごせる施設を運営しています。
認知症でも入れる施設をお探しの方は、施設一覧ページをチェックしましょう。

※ゴールドエイジでは認知症の方のご入居につきまして、ご入居者様の個別の状態により判断させていただいております。
認知症の診断の有無にかかわらず、他のご入居社様との共同生活や、職員のサービス提供に支障がない場合は、ご入居いただけます。

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この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。