公開日:2025.06.17
更新日:2025.06.19

【住宅型有料老人ホーム】費用の内訳と平均金額|経済的負担を減らす方法も

【住宅型有料老人ホーム】費用の内訳と平均金額|経済的負担を減らす方法も

住宅型有料老人ホームは、自立から要介護まで幅広い状態の方が利用できる魅力的な施設です。
生活に関する支援はもちろん、レクリエーションなどの余暇活動も充実しています。
しかし、「費用はどれくらいかかるのか」「他施設の費用よりも安いのか高いのか、知りたい」と思う方も多いでしょう。

この記事では、住宅型有料老人ホームの費用内訳や平均金額について解説します。
他施設との比較や利用費用を抑えるコツも紹介するので、経済的な負担を軽くしたい方はぜひ参考にしてください。

住宅型有料老人ホームとは

住宅型有料老人ホームは、自立〜要介護状態の高齢者が入居できる施設です。
施設によっては介護度の高い方でも入居可能ですが、身体状況や病状によっては受け入れが難しい場合もあるため注意が必要です。
住宅型有料老人ホームで提供される主なサービスは、以下のとおりです。

  • 食事
  • 洗濯
  • 清掃
  • 見守り
  • 緊急時の対応 など

サービス内容や設備の充実度は施設によって異なるため、入居を検討する場合は事前に確認しましょう。

基本的に介護サービスは提供されておらず、介護を受けたい場合は外部の事業所と別途契約する必要があります。
住宅型有料老人ホームの特徴や他施設との違いを詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】住宅型有料老人ホームとは?他施設との違いや費用などをわかりやすく解説


住宅型有料老人ホームでかかる費用の内訳と平均金額

住宅型有料老人ホームに入居した場合に必要な費用は、主に以下の2つです。

  1. 入居一時金(居住費用)
  2. 月額料金

それぞれの内訳や平均金額を解説します。


入居一時金(居住費用)

入居一時金は施設に入居する際に支払われるお金で、居住費用に相当します。
居住費用として入居時に支払うのは、入居一時金と敷金です。

住宅型有料老人ホームにおける入居一時金の平均金額は、51万1,000円です。
また、敷金や保証金の平均金額は、7万9,000円となっています。

施設が定めた想定入居期間(償却期間)より前に退去した場合、入居時一時金は返金されます。
返金金額は償却期間によって異なるので、事前に確認しておきましょう。


月額利用料

月額利用料の平均金額は、7万1,000円です。
月額利用料の内訳とそれぞれの平均金額は、下表のとおりです。

平均金額
管理費・サービス費2万7,000円
食費4万円
水道光熱費5,000円

管理費は施設の共用スペースの修繕費や、スタッフの人件費などにあてられます。
充実した設備があったり、手厚く人員配置されたりしている施設では、費用が高くなる可能性があります。

サービス費は、施設内で提供されている生活支援などのサービスにかかる費用です。
住宅型有料老人ホームで提供されるサービスは施設によって大きく異なるため、費用に差が出やすくなっています。

上記の他にも、居住費を毎月の家賃として支払う場合があります。
入居一時金として入居時に全額前払いしている場合は、毎月の支払いが不要です。

このように、月額に必要な固定費用は、施設の設備やサービス内容によって大きく異なります。
パンフレットやホームページに記載してある場合が多いので、事前に確認しておきましょう。


住宅型有料老人ホームの費用は他の施設よりも安い?

住宅型有料老人ホームの費用は、介護付き有料老人ホームと比較すると安くなっています。
また、サービス付き高齢者住宅(サ高住)の費用と同程度です。

総額費用(月額換算)居住費用月額利用料
住宅型有料老人ホーム11万2,000円4万2,000円7万1,000円
介護付き有料老人ホーム23万8,000円12万円11万6,000円
サービス付き高齢者住宅13万3,000円5万7,000円7万6,000円

介護付き有料老人ホームは介護体制が充実しているため、他の施設と比べて費用が高額になっています。
費用面を優先するならば、住宅型有料老人ホームとサ高住を比較して検討するとよいでしょう。

なお、弊社ゴールドエイジでは住宅型有料老人ホームに加え、多数のサ高住も運営しております。
住宅型有料老人ホームやサ高住を比較検討したい方は、ぜひ以下の一覧ページからお近くの施設をお探しください。


住宅型有料老人ホームで選択できる費用の支払い方式

住宅型有料老人ホームで選択できる費用の支払い方式は、下表のとおりです。

支払い方法の名称概要割合
全額前払い方式入居時に想定される居住期間分の家賃を、前もって全額支払う方式9.5%
全額月払い方式入居時に前払いをぜずに、家賃を毎月支払う方式82.2%
一部月払い方式入居時に想定される居住期間分の家賃の一部を前払いして、残りの費用を毎月支払う方式6.1%

全額前払い方式はまとまった金額が必要になるため、入居時の負担が大きくなります。
一方、全額月払い方式は入居時の負担が少ないため、施設に入りやすい支払い方法です。

しかし、全額月払い方式では毎月の支払いが負担になる可能性があります。
月額の支払いが不安で少しでも金額を抑えたい場合は、一部月払い方式を検討するのもよいでしょう。


住宅型有料老人ホームの利用費用を抑えるコツ

住宅型有料老人ホームの利用費用を抑えるコツは、以下の2つです。

  1. 費用負担の軽減制度を活用する
  2. 地方にある施設を選ぶ

それぞれのポイントについて解説します。


コツ①:費用負担の軽減制度を活用する

住宅型有料老人ホームで介護保険サービスを利用する場合、減免制度を活用すれば費用負担を軽減できます。
費用負担を軽減するために活用できる制度は、以下の2つです。

  1. 高額介護サービス費制度
  2. 高額医療・高額介護合算療養費制度

高額介護サービス費制度は、1か月に支払った介護サービス費の合計が一定の金額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。
高額医療・高額介護合算療養費制度は、医療保険と介護保険で年間に支払った自己負担額が限度額を超えた場合に還付を受けられます。

どちらも、世帯の所得などによって限度額や利用可否が異なります。
気になる方は、お近くの介護保険課に相談してみましょう。
高額介護サービス費制度の内容や申請方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

【関連記事】高額介護サービス費は特養でも適用される?計算方法や申請手順を解説


コツ②:地方にある施設を選ぶ

好立地の施設は一般的な不動産と同じように家賃が高くなる傾向にあるため、地方での入居を選択すれば月額利用料の支払いを安くできます。
都市規模別の施設費用は、下表のとおりです。

総額費用(月額換算)居住費用月額利用料
指定都市・特例区15万7,000円7万円3万9,000円
中核市11万6,000円4万2,000円2万9,000円
町村10万3,000円3万6,000円2万3,000円

指定都市・特例区にある施設に比べると、町村にある場合の月額費用は5万円以上も安くなっています。
地方にある施設を選べば同じサービスや設備でも、費用が安くなる点を知ったうえで検討しましょう。

また、同じ地域でも駅や商業施設に近いなど好立地であれば、費用が高くなる可能性があります。
費用を抑えるために、ご本人やご家族が許容できる立地条件を検討するとよいでしょう。


住宅型有料老人ホームの費用に関するよくある質問

住宅型有料老人ホームの費用についてよくある質問は、以下の2つです。

  1. 生活保護を利用していても入居できる?
  2. 利用費用が支払えなくなったら即退去になる?

それぞれの質問へ回答していきます。


質問①:生活保護を利用していても入居できる?

住宅型有料老人ホームの中には、生活保護を利用して入居ができる施設があります。
しかし、すべての施設で入居可能なわけではありません。

運営方針や自治体からの条件により、生活保護の利用が認められていない施設があります。
また、入居できる施設は、月額料金が生活扶助として支給される費用の範囲内に設定されている必要があります。

わかりにくい場合は、お近くの福祉事務所や担当のケースワーカーに相談してみましょう。


質問②:利用費用が支払えなくなったら即退去になる?

利用費用が支払えなくなったからといって、すぐに退去になるわけではありません。
施設によって1〜2か月程度の猶予期間が定められており、その間に支払えば大丈夫です。

猶予期間内に費用が支払えない場合は、保証人や身元引受人に請求されます。
それでも支払いが延滞すれば、強制的に退去させられる可能性があるため注意しましょう。

猶予期間などの条件は、契約書や重要事項説明書に記載されているため、事前の確認が重要です。
利用費用が支払えない場合の対処法や予防策について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】介護施設の費用が払えないと即退去?対処法や予防策・安くする方法を解説


まとめ:住宅型有料老人ホームの費用はサ高住と同程度

住宅型有料老人ホームは対象者が幅広く、費用も他の施設に比べて高くないため、入居を検討しやすくなっています。
サ高住とは費用が同程度なので、入居を検討する施設として比較しやすいでしょう。

なお、弊社ゴールドエイジは、住宅型有料老人ホームや多数のサ高住を運営しています。
運営する施設の9割が介護サービスを提供しており、費用面でもサービス面でも希望にあった施設を選択可能です。
手厚い介護だけでなく、レクリエーションやイベントも充実しており、さまざまなニーズに対応しています。

住宅型有料老人ホームやサ高住をお探しの方は、ぜひ以下の一覧ページからお近くの施設をお探しください。

【関連記事】サ高住とは?費用・入居条件・サービス内容・問題点など基礎知識を解説
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この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。