公開日:2025.06.10
更新日:2025.06.19

【後悔しないために】住宅型有料老人ホームの問題点|快適に過ごすコツも

【後悔しないために】住宅型有料老人ホームの問題点|快適に過ごすコツも

住宅型有料老人ホームは幅広い対象者が入居でき、高齢者の居住施設として有力な選択肢の1つとなっています。
しかし、施設によっては、心身機能が低下した場合に生活継続が難しくなる可能性もあります。
実際、「どのような問題点があるのか」と疑問に思う方も多いでしょう。

この記事では、住宅型有料老人ホームの問題点や、影響を小さくするコツについて解説します。
住宅型有料老人ホームの特徴やメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

住宅型有料老人ホームとは

住宅型有料老人ホームは高齢者向けの居住施設で、下表のような特徴があります。

対象者・自立している方
・要支援、もしくは比較的要介護度の低い方
サービス内容・食事の提供
・洗濯や掃除などの支援
・健康管理 など

住宅型有料老人ホームの大きな特徴は、特定施設入居者生活介護の指定を受けていない点です。
そのため、介護サービスを受ける場合には、入居者自身が外部の事業所と契約を結ぶ必要があります。
住宅型有料老人ホームの入居条件や費用を詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてチェックしてみてください。

【関連記事】住宅型有料老人ホームとは?他施設との違いや費用などをわかりやすく解説


住宅型有料老人ホームの問題点

住宅型有料老人ホームは、比較的元気な状態から介護を必要とする方まで入居でき、多くの高齢者に選ばれています。
しかし、入居を検討する際は、以下5つのような問題点を認識しておく必要があります。

  1. 施設によって配置人員の数や質が異なる
  2. 手厚い介護サービスを受けにくい
  3. 一部の施設では囲い込みが起きている
  4. 介護度が上がると費用がかさみやすい
  5. 1日の過ごし方が自宅生活と異なる

それぞれ詳しく見ていきましょう。


問題点①:施設によって配置人員の数や質が異なる

住宅型有料老人ホームにおける大きな問題点は、施設によって配置人員の数や質が異なる点です。
介護付き有料老人ホームとは異なり、住宅型有料老人ホームには介護職員や看護師に関する法的な人員配置基準がありません。
そのため、施設によっては以下のような状況が見られます。

  • 介護福祉士や看護師といった有資格者が常駐していない
  • スタッフの経験年数やスキルに差がある
  • 夜間や緊急時の対応が施設ごとに異なる

上記は、日常的な見守りや緊急時の対応力にも影響を与える可能性があります。
住宅型有料老人ホームを検討する際は、入居後のサービス提供にばらつきがある点を理解しておくことが大切です。


問題点②:手厚い介護サービスを受けにくい

手厚い介護サービスを受けにくいことも、住宅型有料老人ホームにおける問題点の1つです。
住宅型有料老人ホームでは、介護が必要となっても施設スタッフによる直接的なサービスの提供はありません。

外部事業所と個別で契約し介護サービスを利用するため、施設内でケアを受けるのとでは、スピード面や手厚さに差の生じる可能性があります。
とくに、認知症などで入居者の介護度が上がった場合には外部サービスだけでは対応が難しくなり、転居を視野に入れる必要性も出てくるでしょう。

実際、厚生労働省の調査によると、4割近くの方が住宅型有料老人ホームでは対応できずに他施設へ転居しています。
そのため、住宅型有料老人ホームへの入居時は、将来的な心身状態の変化による介護サービスの増加や転居の可能性も念頭に置くことが大切です。

引用元:厚生労働省|高齢者住まい事業者団体連合会


問題点③:一部の施設では囲い込みが起きている

住宅型有料老人ホームの一部施設では、併設する介護サービス事業所の利用を強制される「囲い込み」が問題となっています。
一般的に、入居中に介護サービスが必要となった場合、外部事業所の選択はご本人やご家族が行います。
しかし、入居者が併設・隣接する介護事業所を勧められるケースも少なくありません。

住宅型有料老人ホームの約8割には介護事業所が併設されており、そのサービス利用促進は運営上のメリットにつながりやすいためです。
このような状況下では、併設施設でスタッフとの相性などに問題があった場合に、入居者は事業所を変更しにくくなってしまいます。

とはいえ、住宅型有料老人ホームに併設している介護施設の利用には、迅速な対応やスムーズな連携といった利点もあります。
介護サービスが必要になった場合、外部事業所をどの程度自由に選択できるかも確認しておくとよいでしょう。

引用元:厚生労働省|地域包括ケアシステムにおける高齢者向け住まいについて


問題点④:介護度が上がると費用がかさみやすい

住宅型有料老人ホームでは、介護度が上がると費用がかさみやすくなるという問題点があります。
入居者が月額で支払う基本的な内容は、以下のとおりです。

  • 家賃
  • 共益費
  • 食費・光熱費 など

介護度が上がると上記に加えてデイサービスや訪問介護などのサービス費用が必要となり、総負担額が増加する可能性もあります。
もちろん、介護保険制度によって一部は負担軽減されます。

しかし、介護ケアの必要性が高くなれば支払う金額が増える点は認識しておきましょう。
要介護度別にかかるお金や活用できる制度について詳しく知りたい方は、下記の記事をチェックしてください。

【関連記事】【要介護度別】もらえるお金はある?介護にかかるお金や支援制度も解説


問題点⑤:1日の過ごし方が自宅生活と異なる

住宅型有料老人ホームは自由に過ごせる自宅生活と異なり、1日の生活スケジュールが決まっています。
イベントやレクリエーションもあり、慣れるまでは大変に感じる方も少なくありません。
また、外出時間が制限されていたり外泊時に事前申請が必要だったりするため、自由度は自宅生活よりも低い傾向にあります。

しかし、施設のスケジュールに沿って生活することで体内リズムが規則的になり、体調が整いやすい環境にもなっています。
新しい環境に適応するためには、事前に住宅型有料老人ホームのスケジュールを調べて、ご自身のライフスタイルとの違いを把握しておくとよいでしょう。


問題点だけではない!住宅型有料老人ホームのメリット

住宅型有料老人ホームでは、問題点ばかりでなく以下のようなメリットもあります。

  • イベントやレクリエーションが充実している
  • プライバシーが確保されている
  • 生活支援を受けられるため、安心感を得られる
  • 予算やライフスタイルに合わせて豊富な施設から選択できる
  • ご自身の希望に沿った介護サービス事業所を選択できる など

イベントやレクリエーションは楽しみを生むだけでなく、心身機能の維持や向上にもつながります。
また、施設の設備や価格帯は多様となっており、ご自身の希望に合う選択ができる点も大きな魅力です。

住宅型有料老人ホームを選択する際は、ご自身の現状だけではなく将来を想定したうえで、問題点とメリットを比較することが大切です。


住宅型有料老人ホームの問題点による影響を小さくするコツ

住宅型有料老人ホームの問題点による影響を小さくするコツは、以下の2つです。

  1. 入居前の情報収集を入念に行う
  2. 入居後もできる範囲で家族がサポートする

それぞれの内容について解説します。


コツ①:入居前の情報収集を入念に行う

住宅型有料老人ホームの問題点による影響を小さくしたい方は、下表の内容を中心に入居前の情報収集を入念に行いましょう。

項目具体的なチェックポイント
設備や建物・居室や共有スペースなどの広さの程度
・清掃の行き届き具合
・設備の充実度
・施設までのアクセスや周辺環境の状況
サービス・リハビリや認知症ケアの有無
・緊急時の対応体制
・イベントやレクリエーションの頻度や内容
スタッフ・人員配置状況
・挨拶や対応の丁寧さ
・施設内の雰囲気
・スタッフの教育体制
その他・食事に関する対応の柔軟性
・ご家族の面会制限の有無
・入居者の雰囲気

上記のような内容はパンフレットや資料だけでは十分に判断できないため、見学や体験利用がおすすめです。
実際に足を運べば、パンフレットには掲載されていない設備の状況や、スタッフと入居者の雰囲気などを把握できます。

この際重要なのが、移行先も並行して探しておくことです。
住宅型有料老人ホームを選ぶ際は、介護度が上がった場合の転居についても想定しておきましょう。

移行先の1つとしては、ゴールドエイジもおすすめです。
弊社ゴールドエイジでは、住宅型有料老人ホームに加えて、施設のようなサービスを受けられる「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」を運営しております。

弊社のサ高住は、自立している方だけでなく介護度の重い方を対象とした施設もあり、柔軟な対応が可能です。
入居を前提とした方であれば自費で短期利用できるため、まずは施設一覧ページをご覧いただき、お気軽にご相談ください。


コツ②:入居後もできる範囲で家族がサポートする

住宅型有料老人ホームの問題点による影響を小さくするコツとして、ご家族によるサポートも重要です。
たとえば、ご家族が面会した際にご本人の不安を施設側に伝えれば、スタッフが解決策を検討できます。

上記のようなコミュニケーションを重ねることで、住宅型有料老人ホームの施設スタッフとの良好な関係構築が可能となります。
その結果、ご本人の快適な生活につながるでしょう。

住宅型有料老人ホームへ入居したあとも、ご家族がサポートできる内容は多岐にわたります。
入居後もご本人が安心して過ごせるよう、ご家族はできる範囲で面会や電話連絡をすることをおすすめします。


ゴールドエイジなら住宅型有料老人ホームの問題点を解決

住宅型有料老人ホームは対象者が幅広いという利点がある反面、介護が必要になった場合の対応など、認識しておきたい問題点も多岐にわたります。
弊社ゴールドエイジは、住宅型有料老人ホームの問題点を解決し、安心して生活できる環境を整えています。
とくに、介護が必要になった際の対応に関する不安を軽減できるのが強みです。

サ高住を含め、弊社の運営する施設の9割が介護サービスを提供しています。
さらに、一部の住宅型有料老人ホームやサ高住では、24時間看護師が常駐して医療対応が必要な方を受け入れています。

他の館からの転居も可能なため、将来介護度が重くなった場合でも、ご自身で新たに施設を探す必要がありません。
日々の生活を安心して送りたい方は、施設一覧ページをご覧ください。

なお、住宅型有料老人ホームとサ高住の違いやおすすめな人を知りたい方は、下記の記事もあわせてチェックしましょう。

【関連記事】【比較表付き】住宅型有料老人ホームとサ高住の違い|おすすめな人の特徴


まとめ:住宅型有料老人ホームの問題点は制度によるものも多い

住宅型有料老人ホームの問題点は多様ですが、国の制度によるものも多いのが現状です。
そのため改善が難しく、施設を選ぶ際は、ご自身の現状と今後予想される変化の両方を考慮して検討することが必要です。

上記のような課題解決に向けて、弊社ゴールドエイジでは、さまざまな状態の方に寄り添ったサービスを提供しております。
とくに、介護面に関しては柔軟に対応できるため、将来的な変化に対する不安の軽減が可能です。
心身機能の変化にも対応できる場所で、支援を受けつつ生活を送りたい方は、施設一覧ページをぜひご覧ください。

【関連記事】【一覧表付き】高齢者住宅の種類|最低限押さえたい選び方のポイントも解説
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【関連記事】サ高住の費用相場と内訳一覧!年金だけでも無理なく支払える方法も解説

この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。