公開日:2025.06.05
更新日:2025.06.19

住宅型有料老人ホームとは?他施設との違いや費用などをわかりやすく解説

住宅型有料老人ホームとは?他施設との違いや費用などをわかりやすく解説

住宅型有料老人ホームとは、生活支援サービスが受けられる高齢者向けの施設です。
しかし、「住宅型有料老人ホームのサービス内容は?」「入居する場合、どれくらいの費用がかかるのか」など疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では住宅型有料老人ホームの特徴や費用など、基礎知識について解説します。
住宅型有料老人ホームのメリット・問題点やよくある質問への回答もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

住宅型有料老人ホームとは

住宅型有料老人ホームとは、食事や洗濯などの生活支援サービスが受けられる施設です。
ここでは住宅型有料老人ホームの基礎知識として、以下の3つを解説します。

  1. 特徴
  2. 入居条件
  3. 提供されるサービス

それぞれ詳しく見ていきましょう。


特徴

厚生労働省によると、住宅型有料老人ホームは以下のように定義されています。

生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設です。
介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら当該有料老人ホームの居室での生活を継続することが可能です。

住宅型有料老人ホームは、他の有料老人ホームと比べると自由度が高くイベントやレクリエーションが充実しています。
バリアフリー構造の居室・リビングや、娯楽スペース・リハビリ訓練室など、施設によって設備もさまざまです。
入居するときには、ご本人のライフスタイルや希望する生活にあった施設を探しましょう。

また、似たような施設に「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」があります。
サ高住との違いや選ぶときのポイントについて知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】【比較表付き】住宅型有料老人ホームとサ高住の違い|おすすめな人の特徴

引用元:厚生労働省|有料老人ホームの類型


入居条件

住宅型有料老人ホームの入居条件は、おおむね「65歳以上」「自立~要介護5」が一般的です。
全国一律の条件が決められているわけではなく、あくまで施設の受け入れ体制によって異なります。

また、常に介護ケアが必要な方や医療ケアの依存度が強い方だと入居できない場合もあります。
ご本人の持病や身体状況に不安のある方は、直接施設に問い合わせましょう。


提供されるサービス

住宅型有料老人ホームで提供されるサービスは、主に以下のとおりです。

  • 洗濯・食事・清掃などの生活支援サービス
  • 見守りや緊急時対応
  • 生活に関する悩みや相談
  • レクリエーションやイベントの開催 など

介護保険サービス・医療ケアを受けたい場合は、希望に応じて外部サービス事業者と契約します。
自由にサービスを組み合わせることで、ご本人のペースに合わせた生活ができるでしょう。


【有料老人ホーム】住宅型・介護付き・健康型の違い

有料老人ホームには、住宅型の他に介護付き・健康型といった3つのタイプがあります。
それぞれの違いは、下表のとおりです。

住宅型介護付き健康型
介護度自立~要介護自立~要介護自立~要支援
サービス内容食事や掃除などの生活支援・生活支援
・介護ケア
・機能訓練 など
家事や食事などのサポート
認知症の入居可否軽度ならば可能可能不可
要介護となった場合外部の居宅サービス事業所と契約が必要そのまま居住を継続可能退去

介護付き有料老人ホームとは、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームです。
要介護状態の方を対象とした手厚い介護ケア・医療ケアが受けられますが、その分住宅型と比べ費用も高くなります。

健康型有料老人ホームは、基本的に自立もしくは要支援状態の方を対象にした有料老人ホームです。
住宅型と同じく家事や食事などのサポートを受けられますが、要介護状態が重くなると退去する必要があります。

なお、認知症でも入れる施設は有料老人ホームのほかにグループホームがあります。
有料老人ホームとグループホームの違いやそれぞれのメリット・デメリットについて知りたい方は、以下の記事もチェックしてください。

【関連記事】【一覧表】有料老人ホームとグループホームの違い|メリット・デメリットも


住宅型有料老人ホームの利用にかかる費用

住宅型有料老人ホームの費用では、「入居一時金」と「月額費用」がかかります。
それぞれの費用相場は、下表のとおりです。

入居一時金0円~数百万円
月額費用10万~30万円

入居一時金とは施設に入居する前に支払うお金で、入居想定期間に応じて金額が設定されています。
一時的に金銭面の負担は多くなりますが、その分月額費用に償却されるため、月々の支払いが安くなります。
月額費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 居住費
  • 管理費、共益費
  • サービス費
  • 食費
  • 光熱水費 など

施設の立地や設備の充実度により入居一時金・月額費用が大きく変わるため、入居前に確認しておきましょう。

また、外部の介護保険サービスを利用した場合、介護保険一部負担額が利用した分だけかかります。
施設の費用だけではなく、介護サービス費も合わせた金額が月々かかる点に注意しましょう。
住宅型有料老人ホームの詳しい費用内訳や負担を抑えるコツについて知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】【住宅型有料老人ホーム】費用の内訳と平均金額|経済的負担を減らす方法も


住宅型有料老人ホームのメリットと問題点

住宅型有料老人ホームに入居する主なメリットは、以下のとおりです。

  • 自由度が高く、自立した生活を送れる
  • 生活支援を受けられるため、1人での生活でも安心できる
  • イベントやレクリエーションが充実している
  • 介護保険サービスは必要な分だけ組み合わせて利用できる

ある程度ご自身で生活できるものの「1人だと不安」という方にとって、生活支援やイベントなどによる他入居者との交流がある点は魅力に感じられるでしょう。
さらに、施設に入居した後も今まで利用していたサービスを継続も可能なため、これまでの関係性も保てます。

一方、住宅型有料老人ホームに入居するときは、以下が問題点として挙がりやすい傾向にあります。

  • 施設によって人員配置や質が異なる
  • 手厚い介護サービスが受けにくい
  • 一部の施設では囲い込みが起きている
  • 介護度が上がると、その分費用が高くなる
  • 1日の過ごし方が自宅での生活と異なる

住宅型有料老人ホームと同じような自由度で、手厚い介護・看護ケアも希望される方はサ高住がおすすめです。

弊社ゴールドエイジでは住宅型有料老人ホームに加え、多数のサ高住も運営しております。
入居相談やご見学も随時受付中なので、ぜひ以下の一覧ページからお近くの施設をお探しください。

なお、住宅型有料老人ホームの問題点やその影響を小さくするコツについて詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしましょう。

【関連記事】【後悔しないために】住宅型有料老人ホームの問題点|快適に過ごすコツも


住宅型有料老人ホームの入居難易度

住宅型有料老人ホームの入居難易度は、それほど高くありません。
住居件数・利用者数の推移ならびに他施設との比較は、下表のとおりです。

 2012年(平成24年)2017年(平成29年)2021年(令和3年)
住居件数(利用者数)住居件数(利用者数)住居件数(利用者数)
住宅型
有料老人ホーム
4,392件(12万321人)8,715件(25万840人)1万1,064件(32万8,506人)
介護付き
有料老人ホーム
2,245件(19万4,539人)3,874件(23万6,391人)7,956件(26万1,268人)
サ高住※3,153件(7万999人)6,786件(22万2,085人)4,280件(27万244人)
※特定施設以外のサ高住

ただし、住宅型有料老人ホームの入居率は88%と高く、希望の施設が見つかっても満室となっている可能性もあります。
高齢者人口の増加に比例してホームの需要も高まることが予想されるため、早めに入居までの計画を立てておきましょう。

引用元:


住宅型有料老人ホームに関するよくある質問

住宅型有料老人ホームに関するよくある質問を、2つ紹介します。

  1. 認知症の方や寝たきりの方は入居できる?
  2. 看取りケアには対応している?

気になる疑問があれば、直接施設に問い合わせしましょう。


質問①:認知症の方や寝たきりの方は入居できる?

認知症を抱えた方や寝たきりの方でも、住宅型有料老人ホームに入居できる可能性があります。

ただし、施設の人員配置や認知症・寝たきりの程度によって受け入れが難しい場合もあるので、入居前に確認しましょう。
また、外部の介護保険サービスを利用する頻度が増えるため、費用面にも考慮することが必要です。


質問②:看取りケアには対応している?

住宅型有料老人ホームでは、施設での看取りケアに対応しています。

実際、ご入居者が居室にて逝去した割合は59.4%と、看取りケアをしたケースが過半数となっています。
施設に入居する前に看取りケアの有無だけではなく、どこまで対応してもらえるかもあわせてチェックしておきましょう。

引用元:高齢者住まい事業者団体連合会|第4回新たな地域医療構想等に関する検討会 P.13


まとめ:住宅型有料老人ホームの対象者は幅広い

住宅型有料老人ホームは入居できる対象者が幅広く、また自由度も高いためご本人のペースにあわせた生活が可能です。
施設によって設備や対応可能なケアもさまざまなため、早めに希望する施設を調べておきましょう。

なお、弊社ゴールドエイジでは住宅型有料老人ホームに加え、多数のサ高住も運営しております。
住宅型有料老人ホームと同じように生活できるサ高住が豊富で、手厚い介護・看護ケアだけではなくレクリエーションやイベントも充実しています。
入居相談やご見学も随時受付中なので、ぜひ以下の一覧ページからお近くの施設をお探しください。

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この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。