公開日:2025.01.08

【一覧表付き】高齢者住宅の種類|最低限押さえたい選び方のポイントも解説

【一覧表付き】高齢者住宅の種類|最低限押さえたい選び方のポイントも解説

高齢者住宅の選択は、残りの人生を大きく左右する決断です。
加齢とともに低下する身体機能や社会活動の縮小などを考慮すると、住宅の持つ役割は重要となります。

介護が必要となった場合でも、適切な住宅であれば自分らしい生活を続けることが可能です。
しかし、「どのような高齢者住宅を選択すればよいか、わからない」と悩む方も多いでしょう。

この記事では、高齢者住宅の種類を一覧表付きで解説します。
種類別の違いやそれぞれの特徴も紹介するので、最適な高齢者住宅を選択したい方は、ぜひ参考にしてください。


【種類別】高齢者住宅の違い

高齢者住宅は下表のように、公的・民間の2種類に区分されます。

公的な高齢者住宅民間の高齢者住宅
運営主体地方自治体や社会福祉法人民間企業
待機期間長い短い
利用期間の制限ありなし
費用相場安い高い

公的な高齢者住宅の場合、費用は比較的安く抑えられますが、入所までの期間が長くなるケースも少なくありません。
一方、民間の高齢者住宅は選択肢が幅広く、現状に沿った住まい探しが可能です。

各施設の入居に関する要素は大きく異なるため、ご本人やご家族の状態と緊急性を慎重に見極めて、最適な住宅を選択しましょう。
具体的な住宅の種類は、次項の「高齢者住宅の種類一覧」で解説します。


高齢者住宅の種類一覧

高齢者住宅の主な種類は、下表のとおりです。

公的な高齢者住宅民間の高齢者住宅
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・介護医療院
・養護老人ホーム
・ケアハウス
・有料老人ホーム
・グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
・シニア向け分譲マンション
・サービス付き高齢者向け住宅

それぞれ詳しく見ていきましょう。


種類①:公的な高齢者住宅

公的な高齢者住宅は、主に下表の5つです。

 入居条件の概要サービス範囲※費用相場
介護看護医療食事
特別養護老人ホーム要介護3以上の高齢者10万円~15万円
介護老人保健施設在宅復帰に向けたリハビリを必要とする高齢者7万円~16万円
介護医療院要介護1以上で長期的な医療ケアや介護が必要な高齢者8万円~17万円
養護老人ホーム環境・経済面において困窮した65歳以上の高齢者0円~14万円
ケアハウス低所得な60歳以上の高齢者4万円~15万円

※〇提供有 △施設による ⋯提供不可

それぞれ詳しく見ていきましょう。

引用元:厚生労働省|高齢者向け住まいについて


特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、24時間介護を必要とする高齢者にサービスを提供する施設です。
要介護度が重い方に対応しているうえに、比較的安く入所できることから第一選択肢として人気があります。

希望者が多く終身利用も可能なため、待機期間が1年以上となるケースも少なくありません。
特別養護老人ホームを選択する際は、入所条件や待機期間を考慮した長期的な視点が必要です。
特別養護老人ホームの費用内訳や相場を詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしましょう。

【関連記事】【早見表付き】特別養護老人ホームの費用を居室タイプ別に解説!軽減方法も


介護老人保健施設

介護老人保健施設では、病状が安定した高齢者に心身機能を回復するためのリハビリを実施します。
在宅への復帰を目指し、自立支援に向けたサービスが提供される施設です。

基本的な利用期間が3〜6か月を目安としていることや、入所対象者が要介護1以上の方に限られる点には注意が必要です。
リハビリを受けられる施設について、種類や費用を詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

【関連記事】リハビリ施設の種類一覧|費用や専門職による訓練内容も解説

引用元:厚生労働省|介護老人保健施設


介護医療院

介護医療院は、長期にわたる医療的ケアと介護が必要な高齢者を支える施設です。

日常的に医療処置が必要な高齢者は、適切な施設を見つけることが難しい傾向にあります。
このような高齢者の多様なニーズに対応し、介護医療院では、介護と医療の両面からサービスを提供しています。


養護老人ホーム

養護老人ホームは、環境や経済面に課題を持つ65歳以上の高齢者が対象の施設です。
高齢者の抱える問題は多岐にわたり、中でも経済的な部分は生活に直結します。

養護老人ホームは市区町村長の措置により入所が可能で、高齢者が不安なく生活できる施設の選択肢として提供されています。
食事の提供や機能訓練などのサービスを受けられますが、比較的自立した方が多く、基本的に介護サポートは実施していない施設です。

ご家族の援助を受けられない高齢者を保護する住宅としての意味合いもあり、生活行動や社会活動に向けた支援が行われます。
さまざまな問題を抱える高齢者にとって、養護老人ホームは社会福祉の重要な側面を担っています。

引用元:国土交通省|養護老人ホーム及び軽費老人ホーム・ケアハウスの概要


ケアハウス

ケアハウスは、低額な料金で入所できる高齢者向けの施設です。
自立した生活を目的としており、施設形態によっては介護サービスの提供も可能です。

ケアハウスでは60歳以上の高齢者を対象に、食事や入浴等の準備といった日常生活面のサポートを行っています。
経済面に不安を抱える高齢者にとって、安心して生活できる住まいの選択肢となっています。

引用元:


種類②:民間の高齢者住宅

民間の高齢者住宅は、主に下表の4つです。

 入居条件の概要サービス範囲※1費用相場※2
介護看護医療食事
有料老人ホーム60歳以上の高齢者10万円~40万円
グループホーム認知症の高齢者10万円~20万円
シニア向け分譲マンション自立している高齢者10万円~50万円
サービス付き高齢者向け住宅単身・夫婦世帯で60歳以上の高齢者10万円~30万円

※1 〇提供有 △施設ごとに相違あり ⋯提供不可
※2 初期費用は含めず

それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。


有料老人ホーム

有料老人ホームは、住宅としての機能と生活に必要なサポートを兼ね備えた高齢者向けの施設です。
高齢者が安心して健やかに暮らせるよう、日常生活におけるさまざまなサービスが提供されています。

有料老人ホームの施設形態は多様であり、自立した方向けや介護に対応しているタイプなど、個々の状態や希望に合わせた選択が可能です。
しかし、施設によっては状態の変化に伴い退去が求められるケースもあるため、契約内容はしっかりと確認することが重要です。

有料老人ホームとサ高住の違いやおすすめな人の特徴を詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしましょう。

【関連記事】有料老人ホームとサ高住の違い|おすすめな人の特徴も解説


グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症のある高齢者が5〜9人の少人数で共同生活を送る施設です。
家庭的な環境で地域と交流を深め、利用者の自立と社会的役割の維持を目的としています。

地域との関わりを重視し、利用者の社会的な価値や信頼度を高めていくことで、自分らしい生活を継続できるよう支援します。
グループホームは、高齢者が心身機能を維持しながら安心して暮らせる環境を整えた住宅といえるでしょう。

グループホームと有料老人ホームの違いやメリット・デメリットを詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

【関連記事】【一覧表】有料老人ホームとグループホームの違い|メリット・デメリットも


シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションは、自立した高齢者を対象としたバリアフリー仕様の住宅です。
活動的な高齢者が生活を楽しめるように設計されており、充実した共有スペースのある点が特徴です。

住宅によっては、緊急時の呼び出しボタンが設置してあったりスタッフが常駐し細やかなサービスを提供したりするなど、形態は多様です。
一般の分譲マンションと同じ位置づけですが、バリアフリー仕様や共有スペースが確保されている分、価格が高めな点は理解しておきましょう。


サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、バリアフリー構造の賃貸住宅です。
高齢者が安全に安心して生活できる環境を整備しており、施設スタッフによる安否確認や生活相談が実施されています。

費用やサービス内容は住宅の種類によって異なり、介護や食事が提供されるケースなど多岐にわたります。
住宅によっては、要支援・要介護度の認定を受けている60歳未満の方でも入居可能です。
サービス付き高齢者向け住宅の費用やサービス内容を詳しく知りたい方は、下記の記事もチェックしましょう。

【関連記事】サ高住とは?費用・入居条件・サービス内容・問題点など基礎知識を解説


【種類が多すぎて困っている方へ】高齢者住宅の選び方

高齢者住宅は特別養護老人ホームや有料老人ホームなど種類が多く、何を基準に選択すればよいか判断に悩むものです。
選択肢は、ご本人やご家族の身体状況や要介護度によって狭められるため、以下の点を評価し明確にすることが大切です。

  • ご本人・ご家族の身体状況や要介護度
  • 入居時期
  • 入居地域
  • 想定費用
  • ご本人・ご家族の希望条件 など

入居期間が長期化して費用が支払えずに転居となれば、負担は大きくなり、希望の相違も心身機能に大きな影響を及ぼします。
高齢者住宅の選択肢を絞り、今後の生活を想定した費用と希望条件について考慮したプランを考えましょう。
具体的な施設を選定する際は、以下の内容に着目してみてください。

  • サービス内容
  • スタッフの体制
  • 夜間の緊急時対応
  • 介護・医療等の体制
  • 雰囲気
  • 費用
  • 契約内容 など

これらのポイントを踏まえつつ、見学や体験入居することが大切です。
パンフレットだけではわからない雰囲気や、スタッフの対応を直接確認できます。

ただし、多くの高齢者住宅を訪問すると身体的な負担が大きくなる点には留意してください。
事前に十分な情報収集をしてから、限定して回ることをおすすめします。


高齢者住宅をお探しならゴールドエイジがおすすめ

高齢者住宅の種類は数多くあり、「どこを選べばよいか、わからない」という方も少なくありません。
とくに、要介護1〜5の方には適切な施設選びが、今後の生活を穏やかに暮らすうえで必須です。

要介護1〜5の状態で高齢者住宅を探している方には、ゴールドエイジをおすすめします。
サービス付き高齢者向け住宅やデイケアホームなど、多様な形態の高齢者住宅を運営しており、さまざまな状態の方に適した住まいの選択が可能です。

また、ゴールドエイジでは、イベントの開催や栄養バランスの取れた食事を提供することで、心身機能の向上や日々の楽しみにも貢献しています。
安心して生活できる環境を整えておりますので、ぜひ一度施設一覧ページをご覧ください。


まとめ:高齢者住宅にはさまざまな種類がある

高齢者住宅には、有料老人ホームなど運営形態や費用の異なるさまざまな種類があります。
住宅を検討する際は、ご本人・ご家族の状態や必要なサービスを明確にすることが大切です。

各住宅の特徴をしっかりと把握し、見学や体験入居も活用して丁寧に情報収集を行いましょう。
なお、弊社ゴールドエイジでは、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームを多数運営しております。
最適な高齢者住宅を見つけて安心した生活を送りたい方は、施設一覧ページをご覧ください。

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この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。