公開日:2025.04.15

訪問介護員(ホームヘルパー)になれる資格一覧!取得にかかる時間や費用も

訪問介護員(ホームヘルパー)になれる資格一覧!取得にかかる時間や費用も

訪問介護員として働きキャリアアップするためには、必要な研修・資格を取得することが大切です。
しかし、「無資格・未経験だと訪問介護員として働けないのだろうか」「どのような資格が必要か、よくわからない」と悩む方も多いでしょう。

この記事では、訪問介護員に必要な資格について、費用や取得までにかかる時間などを解説します。
訪問介護員以外の職種における資格要件についてもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

訪問介護員は資格なしでも働ける?

結論から言うと、訪問介護員は資格なしで働くことはできません。

訪問介護サービスは、ご利用者の自宅に訪問し、身体介護や生活援助を行います。
基本的には介護員1人で対応する分、適切なケアができるよう専門的な知識や技術が必要です。
そのため、定められた介護系資格を持っていないと訪問介護員として働けません。

また、介護保険制度において、訪問介護員は以下のように定義されています。

  • 介護福祉士
  • 実務者研修修了者
  • 介護初任者研修修了者
  • 生活援助従事者研修修了者 など

無資格のスタッフが身体介護サービスを提供しその費用を受け取ると、不正請求とみなされ事業所の指定取り消しや介護給付費の返還が科されてしまうのです。

ただし、求人によっては「無資格・未経験」で募集している事業所もあります。
その場合、以下のような業務を行います。

  • 訪問介護員のサポート
  • 併設施設での業務
  • 事務作業 など

入職したあとに資格取得を支援する事業所もあるため、無資格・未経験の方は応募前に確認しておきましょう。

引用元:厚生労働省|訪問介護


訪問介護員として働ける資格一覧

訪問介護員として働くためには、主に以下4つの資格が必要です。

  1. 介護職員初任者研修
  2. 介護福祉士実務者研修
  3. 介護福祉士
  4. 生活援助従事者研修

各研修・試験の概要について解説します。
介護未経験者が取っておきたい資格や、スキルアップ・キャリアアップにおすすめの資格について知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。

【関連記事】【介護の資格】未経験者・経験者向けの種類一覧|特徴や取得難易度も解説


資格①:介護職員初任者研修

受講要件なし
開催時期年間通して開催
受講時間130時間
料金5~8万円

介護職員初任者研修は、介護の基礎・基本を習得できる研修です。
とくに、介護未経験の方にとって入門的な研修として位置づけられており、短期間で取得できます。
初任者研修を修了すると訪問介護員として従事可能となり、介護業界で働くための第一歩となります。

介護未経験でまず資格を取得したい方や、これからスキルアップを目指す方におすすめの研修といえるでしょう。


資格②:介護福祉士実務者研修

受講要件なし
開催時期・年間通して開催
・教室により開催スケジュールに違いあり
修了までかかる時間320~450時間※
料金初任者研修修了者6万4,000円~10万9,670円
無資格者7万5,000円~14万2,670円
※所持している資格によってカリキュラム免除される

介護福祉士実務者研修とは初任者研修の上位研修であり、介護や医療ケアの専門的知識・技術を身につけるための研修です。
とくに、後述する「サービス提供責任者(サ責)」になるためには、少なくとも実務者研修を修了する必要があります。

すぐにサ責の資格・介護福祉士の受験要件がほしい方や、訪問介護事業所内でキャリアアップを目指す方におすすめの研修です。


資格③:介護福祉士

受験資格養成施設ルート指定の養成施設等を卒業
実務経験ルート・実務経験3年以上
・介護福祉士実務者研修の修了
福祉系高校ルート福祉系高校を卒業
試験日程毎年1月下旬
合格率82.8%※
受験料1万8,380円
※第36回(2024年度)時点

介護福祉士は、介護のプロフェッショナルとして専門的知識・資格を習得していることを証明できる唯一の国家資格です。
訪問介護サービスにおいて、ご利用者へのケアだけでなく、協働するヘルパーへの指導も行います。
また、訪問したご利用者やご家族の悩み・課題を解決できるようアドバイスすることも必要です。

ご利用者の多様なニーズに応えたい方や、さらなるスキルアップ・キャリアアップを目指す方はぜひ取得しましょう。
また、介護福祉士の仕事内容や資格取得方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

【関連記事】【3ステップ】介護福祉士になるには?社会人・主婦向けの最短ルートも解説


資格④:生活援助従事者研修

受講要件無資格・未経験可
開催時期スクールによって開催時期に違いあり
修了までかかる時間59時間
料金5,750円~3万2,450円

生活援助従事者研修とは、訪問介護サービスにおける生活援助業務に必要な知識を習得するための研修です。
生活援助従事者は、主に生活援助中心型の訪問介護サービスで、以下のような支援を行います。

  • 掃除
  • 洗濯
  • 調理
  • 買い物代行 など

こうしたサービスを生活援助従事者が受け持つことで、有資格者が身体介護業務に集中しやすくなり、介護人材の不足解消・業務効率の向上につながります。
訪問介護員をはじめてみたいが身体介護に不安な方や、子育て中・定年退職して少し介護に携わってみたい方におすすめの資格です。
年齢問わず受講できるため、興味のある方は研修をぜひ受けてみましょう。


【ヘルパー以外も】訪問介護に必要な職種の資格要件

訪問介護事業所では、ご利用者の自宅へ赴く訪問介護員の他に、以下2つの役職者を配置することが義務付けられています。

  1. 管理者
  2. サービス提供責任者(サ責)

それぞれの役職に必要な資格要件を解説します。
訪問介護でキャリアアップを目指す方は、ぜひ参考にしてください。


資格要件①:管理者

実は、訪問介護の管理者になるために必要な資格はありません。
しかし、事業所の運営や他職種との兼務を踏まえると、以下のような資格を取得していると役立つでしょう。

  • 介護福祉士実務者研修
  • 認知症介護実践者研修
  • 介護福祉士
  • ケアマネジャー など

また、訪問介護における管理者は、主に以下のような業務を行います。

  • ご利用者や介護サービスの管理
  • 訪問介護員の配置、教育
  • 介護保険請求や契約
  • 行政への各届出提出 など

事業所の責任者として、ご利用者・スタッフのマネジメントスキルや法令関係の知識が必要です。
介護保険請求や運営・マネジメントスキルを向上させたい方は、ぜひチャレンジしてみましょう。


資格要件②:サービス提供責任者(サ責)

サービス提供責任者(サ責)になるために必要な資格は、以下のとおりです。

  • 介護福祉士
  • 介護福祉士実務者研修修了者
  • 介護職員基礎研修修了者※
  • ホームヘルパー1級課程修了者※

※現在は廃止され、実務者研修に一本化

サービス提供責任者は、主に以下9つの業務内容が定められています。

  1. 訪問介護計画の作成
  2. 利用申込みの調整
  3. 利用者の状態変化やサービスへの意向の定期的な把握
  4. 居宅介護支援事業者等に対する利用者情報の提供(服薬状況や口腔機能等)
  5. 居宅介護支援事業者との連携(サービス担当者会議出席等)
  6. 訪問介護員に対しての具体的援助方法の指示及び情報伝達
  7. 訪問介護員の業務の実施状況の把握
  8. 訪問介護員の業務管理
  9. 訪問介護員に対する研修、技術指導等

ご利用者へのサービス提供だけでなく、他関係者との連絡調整や自事業所の訪問介護員に対するフォローが必要です。
スキルアップ・キャリアアップしたい方や、よりよいケアを実現したい方はぜひ目指してみましょう。


働きながら訪問介護員の資格を取得したい方はゴールドエイジへ

弊社ゴールドエイジでは、訪問介護員として必要な資格を働きながら取得できるようサポートしております。
実際、弊社で介護職員初任者研修を開催しており、研修を修了した方のうち10%が入社後に受講しています。
さらに、これまで延べ149名のスタッフが入社後に介護福祉士の資格を取得できました(2025年2月1日時点)。

また、サービス付き高齢者向け住宅などに併設されている訪問介護サービスには、以下のような働きやすさがあります。

  • 移動負担が少ない
  • 住宅環境の違いが少なく、介護しやすい設備が整っている
  • 一緒に働くスタッフからアドバイスを受けやすい など

通常の在宅訪問介護サービスと比べると身体的な負担も少なく、他スタッフとのコミュニケーションもとりやすいため、安心して働けるでしょう。
介護未経験の方やさらなるスキルアップ・キャリアアップしたい方は、採用情報ページをぜひご覧ください。


まとめ:訪問介護員として働くなら資格の取得を目指そう

訪問介護員として働くには、初任者研修や実務者研修といった資格が必要です。
今後、訪問介護員やそれ以上のキャリアプランを描きながら、少しずつ資格取得を目指しましょう。

なお、弊社ゴールドエイジでは、介護未経験・経験者の方でも「やりたい気持ち」を尊重できるキャリアパス制度が充実しています。
訪問介護員としてスキルアップ・キャリアアップしたいと考えている方は、採用情報ページをぜひご覧ください。

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この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。