公開日:2025.04.09

訪問介護員(ホームヘルパー)とは?仕事内容・資格要件・給料事情まで解説

訪問介護員(ホームヘルパー)とは?仕事内容・資格要件・給料事情まで解説

高齢者が日常生活で支援を必要とする場面は、多岐にわたります。
訪問介護員(ホームヘルパー)は、このような高齢者の生活をサポートする重要な存在です。

高齢化社会が進む現代では、訪問介護員のニーズが年々高まっています。
しかし、具体的な仕事内容や給料を知らなければ、訪問介護員として働くことに不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、訪問介護員の仕事内容と給料事情を解説します。
必要な資格や混同しやすい職種との違いについてもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

訪問介護員(ホームヘルパー)とは

訪問介護員(ホームヘルパー)とは、要介護認定を受けている高齢者の自宅を訪問し、身体介護や日常生活の支援を行う専門職です。
ここでは訪問介護員の基礎知識として、以下の3つを解説します。

  1. 主な仕事内容
  2. 働く場所
  3. 資格要件

それぞれ詳しく見ていきましょう。
なお、訪問介護を必要とする高齢者の住まいについて、種類や違いを詳しく知りたい方は下記の記事をチェックしてください。

【関連記事】【一覧表付き】高齢者住宅の種類|最低限押さえたい選び方のポイントも解説


主な仕事内容

訪問介護員の主な仕事内容は、以下のとおりです。

  • 入浴や更衣の介助
  • 洗濯や掃除などの家事支援
  • 排泄介助
  • 買い物代行
  • 車椅子移乗や階段昇降といった移動の介助 など

利用者の日常生活全般をサポートするため、上記のように訪問介護員の仕事は多岐にわたります。

引用元:厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag 訪問介護/ホームヘルパー


働く場所

訪問介護員の働く場所は、利用者の自宅や高齢者専用アパートなどが挙げられます。
介護保険法に基づく指定を受けた事業所に所属し、そこから利用者のもとへ訪問します。
訪問先の種類は多様化していますが、提供する介護サービスの内容に変わりはありません。

近年では高齢化の進行にともなう在宅サービスの拡充により、訪問介護員のニーズは高まっています。
実際、訪問介護事業所は数多くあり、運営主体は社会福祉法人や医療法人などさまざまです。

令和4年の厚生労働省の調査によると、居宅サービスの中で訪問介護事業所は3万6,420か所で最も多い結果となりました。
高齢化はさらに進むと予想されるため、訪問介護員の働く場所は今後も広がっていくでしょう。


資格要件

訪問介護員として働くためには、以下に挙げるいずれかの資格が必要です。

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士
  • 生活援助従事者研修

通常、介護職員初任者研修課程を修了していれば、訪問介護員として働けます。
介護職員初任者研修とは、介護に関する基本的な知識や技術を習得するための講習です。
ただし、資格によって可能な業務が異なる点には注意が必要です。

たとえば、生活援助従事者研修の修了者は、身体介護を行えません。
訪問介護員として働く際は、ご自身の保有資格で可能な業務内容を確認しておくことが大切です。


訪問介護員と混同しやすい資格・職種

訪問介護員と混同しやすい資格・職種として、以下の3つが挙げられます。

  1. ホームヘルパー2級
  2. 介護職員(介護士)
  3. 介護福祉士

これらの資格・職種に関する違いを認識しておくことは、適切な職場を選択するうえで重要です。
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。


ホームヘルパー2級との違い

訪問介護員とホームヘルパー2級の大きな違いは、研修内容にあります。
ホームヘルパー2級の研修が居宅介護に特化していたのに対し、介護職員初任者研修では、より幅広い知識と技術を学びます。

ホームヘルパー2級の正式名称は「訪問介護員養成研修2級課程」で、訪問介護員の前身となる資格です。
この資格は、2013年4月の制度改正に伴い廃止されました。
キャリアパスを一本化し、介護に関する資格取得をわかりやすくするためです。

ただし、ホームヘルパー2級の資格を保有していれば、介護職員初任者研修課程の修了相当とみなされ訪問介護員として従事できます。
実際、訪問介護員との間に待遇や担当業務の違いはなく、将来的に介護福祉士を目指すことも可能です。
どちらの資格も、利用者の生活を支えるという重要な役割を担っています。


介護職員(介護士)との違い

訪問介護員と介護職員(介護士)の違いは、下表のとおりです。

 訪問介護員介護職員(介護士)
働き方利用者の自宅や高齢者専用のアパートなどを訪問し、介護を提供施設で介護を提供
仕事内容・身体介護
・生活援助 など
・身体介護※1
・生活援助 など
必要な資格・介護職員初任者研修課程の修了
・旧介護職員基礎研修課程の修了など
無※2
※1 介護福祉士の監督下であれば可能
※2 就労後1年以内に認知症介護基礎研修の受講が必要

介護職員は主に施設内で働く職種となり、チームワークを活かしたケアが求められます。
一方、訪問介護員は利用者の自宅でサービスを提供するため、より密接に関わった個別的な介護が可能です。

訪問介護員と介護職員の大きな違いはサービスを提供する場所であり、働き方や環境が異なります。
ただし、両者の待遇に大きな差はありません。
介護分野で働く際は、ご自身が重視するポイントを明確にし、適切な職種を選択することが重要です。


介護福祉士との違い

訪問介護員と介護福祉士の違いは、下表のとおりです。

 訪問介護員介護福祉士
働く場所・利用者の自宅
・サービス付き高齢者向け住宅
・高齢者専用のアパート など
・高齢者福祉施設
・障がい・福祉施設
・医療施設 など
仕事内容・身体介護
・生活援助 など
・生活援助や身体介護
・介護に関する相談や助言
・チームマネジメント など
資格の種類公的資格国家資格

介護福祉士は、介護に関する専門的な知識や技術を持つ国家資格となり、働く場所や仕事内容はより幅広くなります。
求められる役割も多様な分、訪問介護員よりも待遇面は優遇されます。
資格手当の支給など、給与面で優遇されることも多いでしょう。

訪問介護員で経験を積み、キャリアアップの選択肢として介護福祉士に挑戦することも可能です。


訪問介護員の給料事情

訪問介護員の給料事情を理解するには、まず基本報酬の仕組みを知ることが重要です。
基本報酬は訪問介護員の給料を構成する要素となり、全体の収入に大きく影響します。
ここでは訪問介護員の給料事情について、以下の2つを解説します。

  1. 基本報酬
  2. 平均年収

それぞれ詳しく見ていきましょう。


基本報酬

訪問介護の身体介護や生活援助には、サービス提供時間に応じた基本報酬が設定されています。
具体的な金額は、下表のとおりです。

サービス利用区分報酬単価※利用者負担(1割)
身体介護20分未満1,630円163円
20分以上30分未満2,440円244円
30分以上1時間未満3,870円387円
1時間以上5,670円+30分ごと820円追加567円+追加料金
生活援助20分以上45分未満1,790円179円
45分以上2,200円220円
通院等乗降介助1回につき970円97円
※1単位10円で計算、地域により相違あり

基本報酬のほかにも、介護サービス提供に伴う負担を考慮して、さまざまな加算が設けられています。
たとえば、初回訪問や専門的な認知症ケアなど、加算の内容は多岐にわたります。
訪問介護員の給料は、基本報酬と加算を組み合わせて計算される点を覚えておきましょう。

引用元:厚生労働省|介護報酬の算定構造 介護サービス


平均年収

以下は訪問介護員の就業者統計データをもとに、全国と東海3県の平均年収をまとめた表です。

年収就業者数年齢労働時間
全国390万円27万5,770人48.8歳166時間
愛知県396.3万円1万3,780人49.8歳168時間
岐阜県367.5万円3,420人46.3歳163時間
三重県378万円3,840人49.9歳174時間

民間における給与所得者の平均額は460万円で、訪問介護員の年収はやや低めとなっています。
しかし、資格取得によって年収アップも目指せることから、キャリアの選択肢として有効です。

また、年齢層は比較的高めとなっており、長く働き続けられる職種です。
訪問介護は人生経験やコミュニケーション能力を活かせる職種であり、年齢を重ねていることは武器になります。

一方で、訪問介護の仕事環境は地域によって異なる点に注意が必要です。
就業者数は地域ごとに大きく異なり、これが労働時間や年収の差にも影響しています。
ご自身が働きたい地域の実情についてしっかりと確認し、キャリアプランに活かしましょう。

引用元:


訪問介護員として活躍するならゴールドエイジがおすすめ

社会からのニーズが高まっている訪問介護員は、働く場所の選択肢が豊富となっています。
だからこそ、数多くの選択肢から、ご自身がやりがいの感じられる職場を選ぶことが大切です。
そのような職場をお探しの方には、ゴールドエイジがおすすめです。

弊社ゴールドエイジでは、高齢者施設を多様な形態で運営しており、介護に関して幅広く経験できます。
また、利用者だけではなく、働くスタッフの成長を大切にしている点が特徴です。
資格取得支援制度を設け、働きながらスキルアップできる環境づくりに取り組んでいます。

実際、延べ149人のスタッフが、入社後に介護福祉士の資格を取得しています(2025年1月時点)。
ゴールドエイジで知識や技術を高め、訪問介護員として活躍したい方は、ぜひ一度採用情報ページをご覧ください。


まとめ:訪問介護員の需要は今後ますます増える

高齢化社会における現代では、訪問介護員の需要が今後ますます増えると予想されます。
訪問介護の仕事は大変な面もありますが、やりがいを感じられれば長く活躍し続けられるでしょう。

なお、弊社ゴールドエイジでは、訪問介護員としてやりがいを持ちながら働けるよう、環境を整えています。
社会に貢献しつつご自身の成長も図りたい方は、ぜひゴールドエイジの採用情報ページをご覧ください。

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この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。