公開日:2024.11.05
更新日:2024.12.04

サ高住とはどんな施設?5つの観点からわかりやすく解説!近年の入居状況も

サ高住とはどんな施設?5つの観点からわかりやすく解説!近年の入居状況も

サ高住とはサービス付き高齢者向け住宅の略称で、高齢者が入居できる施設の1つです。
サ高住を入居先として検討する際は、特徴や入居条件を押さえておく必要があります。

しかし、施設選びに慣れていないご家族だと、「どの介護施設が本人にあっているのだろう?」「サ高住とはどのようなサービスを受けられる?」など疑問を感じることも多いでしょう。

この記事ではサ高住とはどのような施設か、入居条件や費用など5つの観点から解説します。
有料老人ホームとの違いや、近年の入居状況もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とはどんな施設?

サ高住は、高齢の単身者や夫婦世帯が入居できる施設です。
ここではサ高住とはどのような施設なのか、基礎知識として以下の2つを解説します。

  1. 特徴
  2. 有料老人ホームとの違い

それぞれ詳しく見ていきましょう。


特徴

サ高住の設備は高齢者が安全・安心に暮らしていけるように、すべてバリアフリー構造となっています。
たとえば、歩行エリアでは、移動の妨げとなる段差が解消されています。
さらに、居室の床面積は一定の広さが確保されているため、車いすもスムーズに使用できるでしょう。

また、サ高住の特徴的なサービスとして、以下に挙げるようなケアの専門家による安否確認サービスと生活相談サービスがあります。

  • 看護師
  • 介護福祉士
  • 社会福祉士
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)
  • 医師 など

サービス内容の詳細について知りたい方は、後述の「観点③:サービス内容」もあわせてチェックしてみてください。


有料老人ホームとの違い

入居条件からみたサ高住と有料老人ホームの違いは、下表です。

サ高住有料老人ホーム
・介護を必要としない高齢者(自立)
・要介護認定を受けているものの、要介護度が低い高齢者(要支援~要介護)
・60歳以上の高齢者
・要介護認定を受けている高齢者(要支援~要介護5)

また、有料老人ホームでは以下に挙げるサービスのうち、いずれかが提供されています(複数も可)。

  • 食事
  • 入浴や排せつなどの介助
  • 洗濯や掃除などの家事
  • 健康管理

一方のサ高住では、原則として入浴介助などの介護サービスや食事の提供は行われていません。
ただし、後述する「介護型」の場合、施設内で提供される介護サービスを24時間体制で利用できます。

サ高住と有料老人ホームの細かな違いを確認したい方は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】【一覧表付き】有料老人ホームとサ高住の違い|おすすめな人の特徴も解説


サ高住とは?5つの観点から詳しくチェック!

以下に挙げる5つの観点から、サ高住について詳しくみていきましょう。

  1. 提供タイプ
  2. 入居条件
  3. サービス内容
  4. 設備
  5. 費用

なお、弊社ゴールドエイジでは多様なサ高住を運営しております。
すでにお近くのサ高住を探している方は、施設一覧ページもぜひご覧ください。


観点①:提供タイプ

サ高住の提供タイプには、介護型と自立型の2種類があります。

介護型は、入浴や排せつの介助といった日常生活に必要な介助を24時間体制で提供しています。
介護型のサ高住については、付設する介護サービスの種類の確認も大切です。
たとえば、弊社ゴールドエイジのでは以下の3タイプが主ですが、訪問看護が加わり医療対応が充実したものもあります。

  1. 訪問介護
  2. 通所介護
  3. 訪問介護+通所介護

また、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や看護小規模多機能型居宅介護など、さまざまな介護サービスを付設するものもあります。
介護型を検討する際は、利用可能な介護サービスも確認してみましょう。
「日常的に身の回りの介助をお願いしたい」「認知機能や体力に自信がない」といったケースの場合は、介護型を検討してみましょう。

一方、自立型とは、身の回りの介護を必要としない方向けの提供タイプです。
「身の回りの介護は必要ないが、ときどき安否確認してほしい」「1人の生活に不安を感じる。相談にのってほしい」などの希望がある方には、自立型をおすすめします。


観点②:入居条件

サ高住の入居条件は「満60歳以上の高齢者」または「60歳未満で要介護認定を受けている高齢者」です。
要介護認定を受けていない自立の方や、要支援の方にも入居資格があります。

ただし、自立型のサ高住では介護サービスが提供されていません。
要介護認定のご家族の入居を検討する際は、自立型よりも介護型を検討しましょう。


観点③:サービス内容

サ高住に入居すると、ケアの専門家による安否確認サービスと生活相談サービスを利用できます。
それぞれのサービス内容は、下表のとおりです。

安否確認サービス・定期的に入居者の部屋を訪問し、健康状態などに問題がないか確認する
・体調不良などの緊急時に、病院や家族へ連絡してくれる
生活相談サービス・日常生活を送るうえで必要な相談にのってくれる
・「食事の用意を頼みたいけど、どこに連絡したらよいか」「病院へ通うのが大変になってきたけど、どうしたらよいか」といった相談ができる

サ高住では1日スケジュールに厳密な決まりはありません。
入居者は、ご自分のタイミングで外出することも可能です。
ご自分の生活スタイルを大切にしたい方にとって、サ高住は非常に過ごしやすい施設といえるでしょう。

また、多くのサ高住は独自の有料サービスによって、介護保険で対応が難しいこまごまとした支援を提供しています。
たとえば、弊社ゴールドエイジでは生活支援サービスとして、下表の2つを提供し入居者の快適な生活をサポートしております。

フロントサービス生活サービス
・緊急時の対応
・訪問マッサージの手配
・介護保険証の管理
・健康保険証の管理
・居室鍵の管理
・建物鍵の管理
・電話の取り次ぎ
・郵便物の管理
・共用トイレの清掃
・廊下の清掃
・共用風呂の清掃
・消耗品の発注
・消耗品の管理
・共用部蛍光管の交換
・居室部蛍光管の交換
・見学者の対応
・緊急時の対応
・事故・転倒の対応
・小遣いの管理
・食堂清掃
・訪問美容の手配
・訪問美容の誘導
・宅配クリーニングの取り次ぎ
・配膳・下膳
・食事時の見守り
・食事形態アドバイス
・お茶の支給
・イベントの企画運営
・コール対応
・往診の手配
・往診の立ち会い
・夜間の巡回

サ高住を選ぶ際は、介護保険以外の施設独自のサービスにも注目してみてください。


観点④:設備

サ高住の設備には、高齢者住まい法により一定の基準が設けられています。

  • 専用部分の床面積は原則として25㎡(約13.7畳)以上(※)
  • バリアフリー構造

※所定の条件を満たせば18㎡以上も可

バリアフリーとは、以下の構造を指します。

  • 床の段差がない
  • トイレや廊下に手すりが設置されている
  • 廊下の幅が広めに確保されている

また、専用部分に備え付けられている設備は以下のとおりです。

  • 台所
  • 水洗便所
  • 収納設備
  • 洗面設備
  • 浴室

このように、サ高住では高齢の方が安全・安心に暮らしていけるよう環境整備が行われています。

引用元:厚生労働省|サービス高齢者向け住宅について


観点⑤:費用

サ高住の利用にかかる費用の内訳は、以下のとおりです。

  • 家賃
  • 共益費※
  • サービス費(安否確認サービスと生活相談サービス)

※共同で利用する設備などの維持管理費

サ高住へ入居する際、敷金は必要ですが礼金は不要です。
また、介護型と自立型とでは、費用のかかり方に若干の違いがあります。

介護型自立型
共通してかかる費用・家賃
・共益費
・必須サービス費
介護サービスについて要介護度に応じて毎月介護サービス費が発生個別に契約した介護事業者との間でサービス費が発生

なお、サ高住によって細かい料金体系は異なります。
費用に関する疑問点があれば、契約前に施設担当者に確認しましょう。
サ高住の利用にかかる費用の平均額や負担軽減につながる制度について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】サ高住の費用相場と内訳一覧!年金だけでも無理なく支払える方法も解説


サ高住の入居状況

近年におけるサ高住の入居状況について、以下の2つを解説します。

  1. 入居率
  2. 利用者の属性

それぞれ詳しく見ていきましょう。

引用元:国土交通省|令和2年12月 情報提供サービス付き高齢者向け住宅の現状等


入居率

令和元年度におけるサ高住の入居率は、92%です。

平成29年度平成30年度令和元年度
戸数22万9,94724万4,05425万4,747
棟数6,9997,3357,600
入居率(%)89%91%92%

とくに、開設後2年以上を経過したサ高住の入居率は上昇傾向にあります。


利用者の属性

利用者の年齢は、下表のとおりです。

入居者の年齢割合
65歳未満2.3%
65歳~74歳9.6%
75歳~84歳30.8%
85歳以上57.3%

入居者の年齢別比率をみると、85歳以上の割合が57.3%と最も高い数値を示しています。
また、要介護度の割合は下表のとおりです。

要介護度割合
認定なし9.2%
要支援1または要支援213.8%
要介護121.9%
要介護220.4%
要介護314.7%
要介護412.1%
要介護57.4%
その他0.5%

入居者の介護度別比率をみると、要介護1と要介護2の方が高い割合を示しています。
また、要介護認定を受けていない「認定なし」から要介護2までを合計した割合は約65%です。
全体の3分の2程度を占めており、比較的自立度が高い方の利用が多いといえるでしょう。


お近くのサ高住を探しているなら「ゴールドエイジ」へ

サ高住への入居を検討しているなら、ぜひこの機会にゴールドエイジをご検討ください。
ゴールドエイジのサ高住は、要介護1から要介護5までの方の入居申込みを積極的に受け入れています。

また、緊急時の対応やフロントサービスは24時間体制で提供しており、きめ細やかな生活支援で入居者様の生活をサポートします。

さらに、栄養士が考案した食事メニューは、高血圧や糖尿病などに対応可能です。
おかゆや刻み食といった食事形態も提供しますので、嚥下状態に関わらず1日3回のお食事を楽しめます。

サ高住の食事内容や食費について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】サ高住は食事サービスもある?提供方法や食費の相場も解説|メニュー例も


まとめ:サ高住とは高齢の単身者や夫婦が利用できる施設

サ高住は、1人暮らしに不安のある高齢者や身近に相談できる人がほしい方におすすめの施設です。
建物の構造はバリアフリー構造となり、日中はケアの専門家が施設に常駐して見守りサービスを提供しています。

なお、弊社ゴールドエイジではサ高住だけではなく、有料老人ホームも運営しております。
介護施設を探している方は、施設一覧ページをぜひご覧ください。

【関連記事】【家族だからこそ】在宅介護で大変なことランキング|負担の軽減方法も解説
【関連記事】介護の悩み相談ができる窓口一覧|負担軽減が期待できるサービスも解説
【関連記事】【一覧表】有料老人ホームとグループホームの違い|メリット・デメリットも

この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。