
有料老人ホームは、集団で高齢者が生活する場で、食事など日常的に必要な便宜をはかり、サービスを提供する施設です。中でも、「介護付き」と言われる施設は、上記のサービスの他に、介護サービスが提供され、介護保険の基準を満たした施設で、特定施設の認定を受けた有料老人ホームの事を言います。
多くの有料老人ホームは、まるでお城のような美しい外観、ホテルのような広いエントランス、最近は食事等にも趣向をこらし、レストラン顔負けの食事が提供されるところもあります。そこに入所すれば、華やかな集団生活が出来るようなイメージを抱く方もいますが、一般的に、食事や入浴に時間が決まっており、「集団生活」を営む上での一定のルールがあるため、それらを守る事が求められます。そのため、サービス付き高齢者向け住宅ほどの「自由」な生活とは異なります。
有料老人ホームは、決して安くは無い入居費用を必要とし、これからの生活を左右する場所になります。外観や広告に書かれている内容だけで決めてしまわず、実際の集団生活の場を体験してからの検討も可能な「体験入居」もできます。また、複数の施設を見学し、施設で集団生活をされている入居者の声を聞いたり、表情、身なりなどを見てみるとどのような生活をしているのか客観的に感じる事が出来ます。
また、集団生活につきものは、他者との交流です。これまで、一人暮らしで気ままに生活をしていた方にとって人の声がいつもする中での生活、一人で食事をするときは、TVはつけずに静かに食べていた方がTVがついている食堂での食事――これはかなりの苦痛、ストレスになる事も考えられます。
その施設が、どれだけ個人の時間を大切に、上手に他者との交流を持てる機会を設けているのか、食事環境はどのようなものか、これらも施設の考え方によってずいぶん異なります。
なるべく自分に合った生活の場を見つけて、心身ともに穏やかに、楽しい集団生活を送りたいものです。