全国の高齢者住宅は空室だらけで、夜逃げ倒産です。

老人福祉法と介護保険法の改正と、高齢者専用住宅の国交省による届けで制度がスタートして約3年がたちました。その3年間で、全国で650棟2万5千世帯の高齢者住宅が建設されましたが、『空室だらけ』ですね。
これでは多額の借金をして建てた人達は大変です。私の知っている限りで倒産、夜逃げが20件以上。ほとんどの経営が『大赤字』です。
これから老人が増えて、日本は世界初の超高齢社会になるのですから、介護も受けられる『高齢者専用住宅』は絶対に必要なはずなのに、これが悲しい現実です。
まあ今現在の、私の考えと、言いたい事を一言で言うと『高専賃は絶対にやらないで下さい。』ですね。やれば必ず失敗します。世の中でこんなに難しい経営はありません。
一部の医療法人は別にして、誰がやっても必ず失敗するでしょう。それほど難しいのが、『高齢者住宅』の運営と経営です。たくさん日本中に建てられた『特定施設』などの『介護付の有料老人ホーム』などは誰が運営しても、経営しても簡単ですし、利益もいっぱいあります。だからたくさん建ち過ぎてしまって、国は総量規制をしてもう建てられないことになってしまいました。

さて、なぜこの『高専賃』はこんなに難しいのでしょう。『特定施設』や、不正をして潰れたコムスンさん等の『訪問介護』と比較して理由を申し上げます。

①『入居募集』について
特定施設は募集しなくても、一時入居金を1000万円から500万円、500万円から100万円にすれば満室です。こんな簡単なものはありません。しかし高専賃は、入居金ゼロなのに多額の募集費用をかけても入居がありません。一言で理由を言うと、今の高齢者は一日でも長く自宅で頑張りたい。と言う考えです。

②『建設費』について
ゴールドエイジも10棟で40億円分の土地建物を使って高齢者のお世話をしていますが、特定施設のように50人で2.5億や5億円の入居一時金の収入もありません。又特定施設は24時間やってもやらなくても、介護収入は最高額の全額が入るのですが、高専賃は30分単位での介護分だけしか収入になりません。同じ人数のヘルパーで、3倍以上です。要するに1/3しか収入がありません。特に深夜の介護報酬がゼロなのにヘルパーが常駐して、各室の見回りをしていますから、これだけでも、大赤字ですね。

③『死亡と入院』について
高専賃は年間に例えば50人の高齢者がお亡くなりになると、一人当り月間30万円、50人で1500万円、年間で1億8000万円の収入が無くなりますね。ゴールドエイジは今450世帯ありますから、これは大げさな話しではありません。もう絶対に入居者の皆さんは元気に長生きしていただかないと大変です。特定施設はどうでしょう。50人お亡くなりになると500万円の入居金の2.5億円が収入になって、又50人分の2.5億円が入ってくるのですから・・・。どう思いますか?すごいお金が入りますね。

今回は10コある理由の中のたった3つだけを説明しましたが、この際私の考えをはっきりと申し上げます。私は『高専賃』をやめません。
それはちょっと考えてみて下さい。入居者の高齢者にとって、これ程いい住いは他にはありませんね。私達にとって苦しいことは、逆に言うと入居者の高齢者にとっては、みんないい事でお得な事ばかりですね。入居者が喜んでくれている限り、私は頑張りますし、経営も安定させます。

この気持ちを大切にして、超高齢者社会を私は乗り切りたいものです。