『老後難民時代』が来るのか。

『難民』と言うと国を追われたり、逃げ出したりで、テントで暮らす悲惨な生活の人達です。日本でこの『老後難民時代』が来ると言われ始めています。

日本の人口が1億2705万人で、65才以上が過去最高の、2881万5916人です。22.7%ですから、赤ちゃんも入れた全人口の約5人に1人が『高齢者』ですね。おおざっぱに言うと19才以下の子供達が、3000万人。65才以上の高齢者が3000万人。20 64才の働く人達が6000万人です。
2015年には団塊の世代がすべて65才以上になりますから、65才以上は3300万人。2030年に3500万人。2050年には3600万人になるのです。
今現在でも、働く人達2人で1人の高齢者のお世話をしている訳ですから、もうこれは『限界』を超えていますね。『老後難民』は10年20年先の問題ではなく、今すでに始まっている大問題なのです。

『家計調査年報』の老後のお金の計算によると、1ヶ月に必要なお金は『27万円』です。しかし夫婦の年金は夫13.5万円、妻5.5万円、合計19万円ですから、毎月8万円不足します。1年間で96万円の不足です。平均年齢は、男79才、女86才ですから、妻の平均年齢86才として、退職後の60才から26年間と計算しますと2496万円不足ですね。ですから『約2500万円』が『老後に必要な資金』となります。
これだけでも大変なお金が必要ですから、心配どころではありません。しかし今でさえ働く人2人に対して1人の老人ですから、限界をすでに超えていますね。ですから年金はもっと、もっと下がります。

アンケート調査では、①公的年金不安90% ②公的年金では生活できないと思う80%ですから、国民全員が不安なのです。
それに加えて、40才で預金ゼロの家庭が、全世帯数の4割となりました。50才以上でも、4件に1件が『預金ゼロ』世帯です。年金の減額分を考えて、老後資金として3000万円の預金が必要ですが、その預金のある世帯があまりにも少ないのです。
しかし考えてみて下さい。3000万円を65才までに預金するためには、40才から25年間、年間120万円、月に10万円づつ預金をしろと言われても、夫の給料は上がらず、子供の教育費や住宅ローンなど、どこにそんなお金があるのでしょう。
またそれに加えて、世界一の超高齢社会の日本で爆発的に老人の数が増えているのに、高齢者を受け入れる住宅が少なくて、供給が追いつきません。介護も受けられる、高齢者の住宅が諸外国と比べて、極端に少ないのです。全高齢者の0.9%ですから100人に1人しか入居できません。

イギリスは8%、デンマーク8.1%、スウェーデン2.3%、アメリカ2.2%です。アメリカと比べても半分、イギリスと比べると1/8以下ですね。

さてさて、これでも『老後難民時代』が日本に来ない。と言えるのでしょうか…。
世界第2位の経済大国で、一人当たり給与も多額で、世界一高い税金を払い続けて、子供の教育に熱心で、一生懸命に働いてきた私達ですが、老後になぜ『難民』にならなければならないのでしょうか…。

解決策は『1つ』。もう『政・官・財』には期待しない。頼らない。私達一人一人の『民衆』の知恵と『民間企業』の努力で乗り切るしかありません。期待し頼るべきものは、私達『民』の知恵と努力以外にはありません。