【高齢者】76%減算のあと、緩和措置を発表。

前月号で在医総管(在宅時医学総合管理)が4,200点(42,000円)から1,000点(10,000円)に4月1日から減算されてしまいます。76%もドクターの収入が減るのですから全員倒産でもうメチャメチャになります…。と私は文句を山程言ったのですが、その一週間後に厚労省さんから『緩和措置』が発表されました。
 あまりにもひどい『減算』でしたから全国からたくさんのクレームが出たのでしょう。医師会も在宅診療を積極的にすすめていましたから、強力に反対したのではないでしょうか。ゴールドエイジも何度も会議をしたり、ドクターの先生方と話し合ったり、どうすればいいのかお先まっ暗な中で、なんとか緩和措置で生き残れそうですね。今まで通りにとはいきませんが入居者の高齢者の医療を続けていくことができそうです。まずは安心安心と私はほっと一息ついているところです。
 さて緩和措置とは何でしょうか…。まあ適当というか、数字合わせというか、現場が混乱してしまって十分な在宅診療ができない緩和措置ですね。しかし私達はそれに合わせて医療をやるしかありません。全くできなくなるよりはずっといいのですから、厚労省さんに感謝しながら私達とドクターの先生で努力するしかありません。2年後の医療報酬改定にはこの緩和措置も無くなることも考慮に入れて、注意深く実行していくしか方法はありません。
 2010年度で国民医療費は37.4兆円、介護保険給付は7.8兆円で合計45.2兆円です。それが2025年には60兆円と21兆円で合計81兆円にもなってしまうのですから厚労省さんも必死になんとかしようと苦心しているのです。私達はそれを十分に考えて医療と介護を運営しなければいけないのがゴールドエイジ(株)なんですね。
 しかし今回はもうびっくりで緩和措置で生き延びましたが、次回改定の2年以内に新しいやり方を考えて実行しないとやっていけません。しかしもうすでにやり方は考えてありますし、あとは1つ1つ実験的に実行していく計画です。2年あれば私はやれると考えています。
 高齢者にとって一番の不安は介護より病気ですね。そしてドクターがいつでも来てくれることで安心して生活ができるのです。そしてドクターを頼りにして信頼して尊敬しているのが今の高齢者ですから、その信頼に応えるゴールドエイジの運営をしていきたいと考えます。
 さて緩和措置とは、ドクターは一人の患者さんに月に2回の訪問診療をするのですが、1棟のサ高住の中の患者さんが2人以上重なった場合は2人目の患者さんからは1,000点に減額されるというものでした。ですから1日に1棟の中で10人を診療すれば、1人は4,200点で9人は1,000点となり、減算の3,200点×9人分の28,800点(288,000円)が減額でした。
 しかし緩和で月2回の中で、月1回だけは重複してもいいことになりましたから、これは理屈と数字合わせですが、月に1日だけで10人を診療して、あとは毎日1人ずつ10日間診療すれば4,200点のままでよくなりましたね。しかしドクターにとっては1日で10人診れるのに、毎日毎日10日間行くことになってしまいます。時間のムダですが仕方ありません。それでも診療をやめるよりはいいですね。ということで何百人、何千人を診ているドクターや医療法人はそれでも大打撃ですが、ゴールドエイジの160人の患者さんならなんとかやれそうです。
 今回は200床未満の病院さんも大改革されました。苦しい選択と集中ですが日本にはもう時間がありません。医療制度改革も今後待ったなしで実行されていくのでしょう。制度に合わせてゴールドエイジも努力するしかありませんね。やりがいのある仕事ですので前進したいと考えています。