【高齢者】高齢者住宅は『私の寮生活』と同じ

 私は9年前から『高齢者住宅』の運営を始めましたが、やろうと決心した理由は2つですね。①1つ目は、94歳の祖母を自宅で看取りましたが『家庭崩壊』寸前でした。私の母と家内の2人の女性が介護をしたのですが、それでも『崩壊ギリギリ』です。それがもし1人の女性の手でやっていれば『完全崩壊』間違いなしです。5年間くらい祖母は『マダラボケ』状態で『ウンチ』が廊下に落ちていました。

 こんな状態がいつまで続くか分からない不安は恐怖に変わってしまいます。あと3年かかるのか、10年かかるのか…。いつお亡くなりになっていただけるのか、考えてはいけないことを考え始めて、そんな嫌な自分とも戦っていると神経がおかしくなってしまいます。私は男ですから何もできません。私が動かすと細い骨が折れてしまいそうで手が出せませんね。そういう体験から、私は住宅屋さん(戸建住宅・賃貸住宅)ですから私の人生の後半(終盤?)を『高齢者の住宅づくり』に捧げようと決心したのです。そして専門の『介護設備』と専門の『介護技術者』がいない所では『介護はしないでください。』と考えて事業を展開しています。おかげさまで700戸になりましたから、今では東海3県で第一位の実績となりました。

 ②2つ目の理由が『私の寮生活』でした。私は高校3年間と大学の4年間を親元を離れて『学生寮』で生活していました。特に高校3年間の寮生活は忘れられません。一言で言って『人生で最も楽しい思い出』でした。だから私は高齢者の寮生活(サ高住)をやってみたかったのです。年齢の似た者同士が一つ屋根の下で生活することは楽しいものです。しかし当然に色々な問題も起こりますね。好き嫌いや、合う合わない、考え方の違いで意見もぶつかりますし、衣食住の全てが自分勝手にはいかないのが『集団生活』というものです。

 しかし一つ一つ問題を乗り越えて、仲良くなっていくものです。自分のわがままや意見も少し抑えて、人と仲良くすることを覚えていくのです。これは高校生でも高齢者でも全く同じですね。人類全員が年をとるという経験は自分にとっては初めてのことですから『未知』で『無知』で『未経験』なんですね。だからお互いがみんなで助け合って、理解し合って人間として成長していくのです。介護の必要な人も病気の人も同じです。助けてもらう代わりに、何か自分でも人のために、仲間のためにやれることはないのかを考えればいいのです。10mしか歩けなかった人が100m、1km歩けるようになれば、仲間やヘルパーが喜んでくれますから『私は頑張れるんだ』と思うものです。一人で居てはできないことも、助けてもらえば何でもできるようになるんですね。

 しかし一つだけ苦しいことは『自分に醜い心』があることが分かることです。集団で生活して、団体で行動していますと『根性の悪いやつ』、自分のことしか考えない『利己主義のやつ』、人の悪口しか言わない『嫌なやつ』はすぐに分かりますね。そしてその人は『出て行く』か『自分を変える』か2つに1つの厳しい選択となります。そしてその苦しい努力をした人が『人間として成長』して幸せな人生を全うするんだと私は確信しています。

 まあそれらを私は『寮生活の体験』で学んだんですね。この体験がなければ今私が会社経営や社長として650人の社員さんのリーダーになることはできませんでした。苦しかったけど『死ぬ程楽しい』寮生活でしたね。それが忘れられなくて私は『ゴールドエイジ』をやろうと決めて(死ぬ程苦しいこともありましたが)今も努力し続けているわけですね。是非私のこの気持ちをご理解ください…。

 さて私は高校でも大学でも『寮長さん』でした。ですから『ゴールドエイジ』でも同じです。これからは『社長』ではなく『寮長さん』とお呼びいただくと私は嬉しいのですが…。お願いいたします。