【高齢者住宅】ゴールドエイジの『経営指標』

入居者や一般の人達は『介護の施設』はみんな同じようなものだと思っていますね。厚労省さんも制度を複雑にし過ぎましたから、余計に分からなくなってしまいました。簡単に説明しますと①国の施設(療養型・特養・老健)②民間の施設(介護付有老・デイサービス)③民間の住宅(訪問介護・サービス付高齢者住宅)の3つに分かれています。

 そして国の介護報酬の支払い方法が大きく2つに分かれます。 は『包括請求』『定額料金』『まるめ』、意味は全て同じで、介護にかかる費用が毎月変わらなくて同じ金額を国は支払ってくれますし、利用する高齢者も同じ金額を払う制度です。①と②の施設は全てこの定額料金となります。そして経営は安定しますから、大きく赤字になることはありません。次に は一人一人の『介護度別』に『30分単位の介護』をどれだけ利用したかによって毎月毎月料金が変わる制度です。③の『サ高住』ではヘルパーさんや職員の人数が毎月同じでも、入居者が利用する『30分単位の介護』が毎月毎月変動しますから、月によっては人件費が赤字になったり黒字になったりしています。経営は不安定ですし、大きな赤字になってしまうことも多く大変に厳しい『サ高住の運営』となっています。

 私達ゴールドエイジは、介護だけではなく看取りや医療行為も多く、認知症への対応も相当行っているのですが、皆さんはこの数字を見られると『ビックリ』すると思います。それはこの①②③の一人当り平均介護報酬(国が支払ってくれる介護の費用)の大きな違いです。療養型は一人当り『45万円』。老健『30万円』。特養『28万円』。民間の介護付有老『20万円』。サ高住は『8万円』。もうビックリですね。何故こんなにも国の支払いの違いがあるのでしょうか…。

 それは財政が今は厳しいのに、16年前(介護保険開始)26年前(80%の補助金で施設を建てた頃)は政府の計算が甘かった(間違っていた)からですね。一番新しくできた『サ高住』は同じか、同じ以上の介護をしても3倍も5倍も介護報酬が低いのです。その証拠をもう1つ言うと、①と②を過去にたくさん作って失敗したから、政府は新しいサ高住を作った。しかし①と②の既に作ってしまった施設の報酬は下げられないということです。(下げると甘い経営の施設は全て倒産しますね)

 これが日本の現実でしょうか。残念なことです。しかし私は、だからこそ『サ高住が日本を救う』んだと、毎回毎回セミナーなどで大きな声で訴えて、サ高住の経営のアドバイスをしています。厳しい経営だけれども、赤字になることなく高齢者の介護のお役に立ちたいと真剣に考えて、私が一番大切にしている『経営指標』があります。それが『上限率』ですね。

 サ高住の居宅介護の介護報酬の上限は要介護①16.7万円②19.6万円③26.9万円④30.8万円⑤36万円となっています。使った場合の利用者さんはこの中の1割を自己負担で支払って、残りの9割が介護保険や補助金で国から支払われています。さてここでゴールドエイジのサ高住は入居者の平均介護度が②として、196,000円の介護の上限(上限を超えると自己負担100%)金額があるのですが、一人平均8万円(月間)ということは、2分の1以下しか入居者の高齢者が介護を使っていないことになりますね。会社は介護が必要だと考えてヘルパーさんを採用して給料を払っているのに、介護の必要な入居者が介護を使ってくれないのです。

 『1割負担でも節約したい』『なるだけ自分でやりたい』など理由は人それぞれだとは思いますが、私としては80%ぐらいの介護は使っていただくために、職員やヘルパーを常駐させています。夜間も含め24時間安心していただきたいと思いますので『サ高住』にご協力願います。国には介護報酬アップをお願いしても無駄ですから、入居者の利用者様一人一人にお願いする次第です。