【高齢者住宅】『ゴールドエイジ』は日本を救えない…。

サ高住が日本を救う。ゴールドエイジが日本の高齢者問題を解決して日本を救うんだ…。と高い理想と目標を持って11年間運営いたしましたが、どうもそれはできない、無理なのではないかと私は考え始めました…。残念です。  

2025年、団塊の世代806万人が全員75才の後期高齢者となります。そして医療・介護の費用が81兆円です(医療60兆円・介護21兆円)。ゴールドエイジが頑張れば81兆円は半分の40兆円になると思いますね。そうすれば世界一の高齢社会の日本の高齢者問題が解決されます。サ高住が頑張れば、ゴールドエイジが頑張れば本当にそれが実現するのに…。悔しい思いでいっぱいですが、どうもいくらゴールドエイジが頑張っても無理なのかなー、と悲観的に考えると、現実を変えることが難しくなってきました。  

さてその理由は①厚労省さんの縦割り行政と、省庁の利権なのでしょうか。『サ高住』を日本で発展させようという意志が全くありません。諸外国は施設を止めて高齢者の住宅を推進する方針です。それはどこの国でも施設運営にお金がかかりすぎて、多額の税金が使われてしまって破綻してしまったからです(日本も同じです)。だから施設から住宅への大転換が行われました。日本でも10年前から住宅への大転換の方針が決定されたはずなのに。住宅といえば国土交通省さんですね。だから厚労省さんは施設にこだわっていて『介護サービス付高齢者向け住宅』サ高住の発展には非協力的です。  

②建物は住宅だろうが施設だろうがどうでもいいのです。しかし『介護報酬』は厚労省さんの権限で決定して施行されていますので、国交省さんも口出しはできませんね。だからサ高住の介護報酬が異常に低い金額で決められていますから、サ高住運営会社のほとんどが赤字経営となっています。ゴールドエイジは赤字ではありませんが120億円相当の土地と建物を使って、700人のヘルパーさんや看護士さんに給料を支払って、年間に1,000万円の利益しかないのは赤字経営と同じだと私は考えています。こんなに努力して、世のため人のために頑張っているのに、経営は非常に苦しいのです。これではやっていられませんね。  

③その理由は1つだけです。国の3施設(療養型・老建・特養)と民間の施設の特定施設(メッセージさん、ワタミさんの有料老人ホーム)と,ゴールドエイジのサ高住にあまりにも大きい介護報酬の格差があるのです。一人当たり介護報酬は療養型45万円、老建30万円、特養28万円、特定施設20万円、サ高住6万円です。  

④ちなみに一人のヘルパーで何人の介護をするかの配置人員ですが、順番に2.2対1、2対1、1.9対1、2.3対1、ゴールドエイジは2.3対1となります。ほとんど同じぐらいの配置人員(ヘルパー)がいて、認知や病気や看取り(看取り150人)なども施設以上に十分にやっているのに、介護報酬は一人当たり『6万円』。これはもうひどいと言うしか言葉がありませんね。  

逆に言うとサ高住が頑張れば81兆円は40兆円でもやっていけるのに…。日本政府にはその考えはありませんね。各省庁の利害というか、利権というか、介護報酬は厚労省さんが決めること。住宅であるサ高住は国交省さんの管理下ですから、介護報酬はいつまでたっても施設の介護報酬の7.5分の1から3.3分の1におさえられています。私達がいくら世のため人のため、と考えて頑張っても日本の高齢者問題はいつまでたっても良くなりませんね。  

そんな中でも私個人は意地で経営していますから、もうこうなったら、一人当たり介護報酬が6万円でも、私も社員も利用者さんも頑張って『赤字』は絶対に出さないと決心しています。ご理解をいただきまして、社員さんやパートさん、利用者様やご家族様のご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。