【高齢者住宅】『お客様』『社員さん』ヒアリングシート

 ドラッカー先生の言葉に『外へ出て、見て、聞く』とありますがやはり『お客様』のことが知りたければ、お客様の所へ聞きに行くこと。『社員さん』のことが知りたければ、社員さんの所へ聞きに行くことです。どうしようかと悩んだり考えたりする前に、出かけて聞いてくるのが一番効率がいいですし、生々の本当のお話が聞けます。

 アサヒグローバルの202人の社員さんの『ヒアリングシート』では、約600項目の意見や要望要求を聞くことができました。その後にミーティングしたり面談したりして、理解を深めることができます。どうしようかと悩む前に、どうしたらいいかを聞いてしまった方がずっと簡単に答えが出ることが解ります。

 そして、ゴールドエイジの高齢者の入居者、1,600人にヒアリングを計画しています。文字を書いてもらったりするのが高齢者は難しいので、音声入力でヒアリングするシステムを開発しました。ご本人の要介護度が高い場合は音声入力もできませんから、ご家族のご意見や感想を入力することにしています。

 そして、ゴールドトラストの土地活用の地主さんや、トチプラス(土地付き賃貸マンション・サ高住)を購入していただいた一人一人のお客様へのヒアリングアンケートも始まっています。人数的には400人くらいですので、個別に面会していただいて色々なご意見をお聞きすることができます。

 さて、どうしてこのようなヒアリングやアンケートや個別の面談をするのでしょうか。またドラッカー先生のお言葉ですが、『経営者の道具は情報である』と言われています。『私や組織のメンバーが手に入れる情報によって会社の成長は決まる』のだそうです。難しく考えなくても、お客様のご意見を素直に聞く会社は成長するに決まっていますね。社員さんの要望や希望をよく聞いて叶えれば会社は成長するに決まっています。

 ①どんな情報が必要か。②それを如何なる形で手に入れるか。③それを誰から手に入れるか…。なかなか難しいのですが、まずは欲しい情報を明確にしないと何も始まりません。私は30年以上前から『クレーム情報』を一番大切にしてきました。『クレームをいやがることも恐れることもない。我が社の商品やサービスや技術の水準を上げる貴重な体験であり、最も楽しい仕事である』と文章にも書いて社員さんにも徹底しています。はっきり言って、クレーム対応は楽しい仕事ではないのですが、私流に言えばそれは最も楽しい仕事だと思えるようになれば、その人も一人前ですよと言いたいのです。

 次に私が2番目に欲しい情報は、買っていただいた情報ではなく、何故買っていただけなかったのかの情報です。これを『非顧客の情報』と言いますが、これはなかなか手に入りません。もう2度とお会いできない非顧客ですから聞くことができないんですね。しかし少し多額のお金をかけて今システムを使い始めました。そうすると何故買っていただけなかったのかのご意見を聞くことができるのです。私はこれが非常に楽しみです。その理由は、何故買っていただけなかったのかの理由が分かればすぐにカイゼンできるからです。カイゼンすれば次回は買っていただけますね。

 私は600項目の社員さんからの要望・要求を聞くことによって大袈裟に言って『人生が変わりました』。社員さんにこんな苦労をかけてたんだ…。こんなに頑張って仕事してたんだ…。こんないい仕事のやり方があったんだ…。だから私は死ぬまで一生『社員さんのヒアリング』は年に何回もやり続けると決心しました。お客様へのヒアリングやアンケートも必ずずっと続けます。そしていい会社になって、お客様や社員さんに喜んでいただくことが『会社経営の目的』だと確信しました。やり続けます。