ゴールドケア事例
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【介護美容で叶えた夢】新しい靴を履きたい!I様が取り戻した前向きな気持ちと輝き
- 掲載日:2025.11.25
- 更新日:2025.12.22
ゴールドエイジ千秋では、新しい取り組みとして「介護美容」プログラムを導入しています。これは、介護を必要とする方に専門的な美容サービスをお届けする活動です。
今回は、3つのサービスを中心に展開してきた取り組みと、その利用者であるI様のエピソードをご紹介します。
介護美容の目的
高齢になると、美容室やネイルサロンへ行く機会が減ってしまう方も少なくありません。しかし「綺麗になりたい」という気持ちは、年齢を重ねても変わることはありません。むしろ、自分らしくいられることが、日々の暮らしに彩りと活力をもたらすと私たちは考えています。
私たちが介護美容に込めた想いは、単に見た目を整えることだけではありません。3つの大切な目的があります。
一つ目は、心と身体にプラスの効果を生み出すこと。専門的なケアを通じて心地よい刺激を与えることで、内側から「生きる力」を引き出したいと考えています。
二つ目は、前向きな気持ちを育むこと。「綺麗になった」という実感は、自己肯定感を高め、気持ちを明るくします。その変化が、他の方との交流や新しいことへの意欲につながっていきます。
三つ目は、リラックス効果とコミュニケーションの促進。スタッフが肌に直接触れながら行うケアは、深いリラクゼーション効果をもたらします。この一対一の時間が、言葉だけでは築けない信頼関係と安心感を生み出します。
3つの介護美容
フットケア
足は私たちの身体を支える大切な部分です。特に「土踏まず」のアーチ構造が崩れると、膝や腰の痛み、肩こりや頭痛といった全身の不調につながることがあります。
高齢になると、足のトラブルは深刻な問題に発展しやすくなります。足の痛みや不快感は活動量の低下を招き、筋力が落ちてしまいます。その結果、転倒のリスクが高まり、最悪の場合は寝たきりになってしまうことも。健康な歩行能力を維持することは、自立した生活を送るための生命線だと考えています。
特に注意が必要なのが「肥厚爪」です。これは爪が異常に厚くなってしまう状態で、爪の水虫や変形など、様々な原因で起こります。普通の爪切りでは切ることが難しく、塗り薬を塗っても成分が浸透しにくいため、専門的な知識と技術を持つ「福祉爪ケア専門士」による適切な処置が必要です。
ハンドケア・ネイルケア
ハンドケア・ネイルケアは、自己表現の喜びを感じていただける大切な時間です。
ある入居者様は、施術前に「何色にしようかな」と本当に嬉しそうに色を選び、最終的に「キラキラネイル」を希望されました。ケア後には、綺麗になった指先をカメラに向けて、可愛らしいポーズを決めてくださいました。
この「選ぶ喜び」と「綺麗になる喜び」が、日々の暮らしに小さな楽しみと自信を与えてくれます。
足浴・手浴
手足を清潔に保つことはもちろん、温熱効果により血液の循環がよくなり、むくみや冷えが軽減されます。温かいお湯と心地よいマッサージは深いリラクゼーション効果を生み、気持ちが落ち着きます。また、高齢者の方の皮膚は敏感なため、刺激の少ない乳液を使用しています。
その結果、夜もぐっすり眠れるようになったという声もいただいています。
利用者のI様―長年の悩みと諦めていた願い
I様は84歳、要介護2の方です。高血圧と多発性脳梗塞の既往歴をお持ちでした。
I様には長年の悩みがありました。前述した肥厚爪です。靴を履くと爪が当たって痛むせいで、息子様との約束だった「新しい靴を買う」という願いを叶えられずにいました。
「前から買ってあげるって言われてたけど、合う靴が無かった」
I様のその言葉には、諦めと申し訳なさが滲んでいました。
そこで、福祉爪ケア専門士の資格を持つ館長が、I様のフットケアを担当させていただくことになりました。
ケアが進むにつれて、I様の表情が変化していきます。
「綺麗になった」 「嬉しいね」
そんな喜びの声が聞かれました。そして施術後、長年の悩みから解放された安堵と喜びから、I様は感極まって涙を流されました。その涙は、単に爪が綺麗になったという喜びだけでなく、長い間諦めていた想いが、ようやく叶うかもしれないという希望の涙だったのだと思います。
願いが叶った日
ケアの数日後、I様は息子様と一緒に外出。そして、念願だった新しいスニーカーを購入されました。
長年諦めていた願いが叶った瞬間でした。I様がどんなに嬉しかったか、息子様がどんなに喜ばれたか。その場にはいませんでしたが、お二人の笑顔が目に浮かぶようです。
歳を重ねても、変化は喜び
従来のケアは、どうしても身体機能の衰えを管理することに焦点が当たりがちです。しかし介護美容は、「ポジティブな変化」という新しい価値を提供できます。
「綺麗になった」「できるようになった」「やりたいことが叶った」
こうした小さな喜びの積み重ねが、日々の暮らしに張りをもたらし、生きる意欲を支える源になります。
一人ひとりに寄り添ったチームケアで、人生最高の暮らしを実現する。その想いを胸に、これからも笑顔いっぱいのゴールドエイジ千秋であり続けたいと思います。