ゴールドケア事例
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看取りから奇跡のV字回復──「翼を授ける」、型にはまらない柔軟なケア
- 掲載日:2025.11.25
- 更新日:2025.12.22
今回は、私たちの介護観を根底から変えた、一人の入居者様についてご紹介します。
ゴールドエイジ藤枝にお住まいのN様、97歳。一度は看取りの段階まで進んだ方が、再び笑顔を取り戻し、大好きな食事を楽しめるまでに回復されました。
この経験は、私たち職員に「諦めない介護」の本当の意味を教えてくれました。
N様について
N様は、入居当初からそのチャーミングで意志の強いお人柄で知られていました。
お部屋の掃除に伺ったヘルパーに「いらん!呼んでない!」と一喝して追い返してしまうこともしばしば。また、歯根だけになった歯茎を巧みに使って、あらゆるものを召し上がる独特の食事スタイルをお持ちで、「N様サ高住伝説」と呼ばれるほどです。
入居のきっかけと目標
N様は、大好きなカツカレーを食べに行った帰りに買ったエビフライを寝ながら召し上がったことで喉に詰まらせてしまい、救急搬送される事態に。
この出来事で手足の筋力が低下し、在宅酸素も必要となったことから、ゴールドエイジ藤枝にご入居いただくことになりました。
入居後の私たちの目標は明確でした。
「すべては美味しいものを食べるために」
往診の先生と密に相談しながら、徐々に食上げを開始し、順調に食事形態が回復していきました。
コロナ感染、そして看取りへ
そんな中、N様がコロナウイルスに感染。
幸い症状自体は重症化しませんでしたが、隔離生活とコロナの後遺症により、食欲と気力が極端に低下してしまいました。
あれほど楽しみにしていた食事も「食べたくない」「起きたくない」と強く拒否されるようになり、笑顔が消えていきました。
私たちはケアの方針を「看取り」へと切り替えました。食事を無理強いせず、「口がダメなら耳から」と、デイサービスの音楽療法士にお願いして、N様が大好きだった歌を歌ってもらうなど、柔軟に、できる限りのことを試みました。
そしてスタッフやご家族との最後の面会。ご家族との再会を果たし、「もう一度家族に会いたい」というN様の願いは叶いました。
「翼」を授けられた奇跡のV字回復
面会後も絶食状態が続き、大好きだったサイダーも受け付けなくなったころ、夜勤者からの驚きの報告が入りました。
「N様がコーラを飲んだ!離床も少しできた!」
この報告を聞いた私たちは驚きとともにあることを考えます。
「レッドブルを飲ませてはどうか?」
実際に飲んでいただいたところ、絶食状態だったN様が、レッドブルを飲んだその翌日に、再びご飯を食べ始めたのです。
この劇的な変化は、単なる一時的な回復ではありませんでした。ここから、誰もが予想しなかったほどの奇跡のV字回復を遂げられました。回復から約1ヶ月後、「私はどっこも悪くない」と宣言されるほどです。
その言葉通り、訪問診療や訪問看護師の介入を「シャットアウトしてくれ」と拒否。そのあまりの回復ぶりに、職員からは「手がつけられません」「お手上げです」と、嬉しい悲鳴が上がるほどパワーアップされていました。
型にはまらない、柔軟なケア
このV字回復は、私たち職員にとっても大きな学びとなりました。
マニュアルや常識にとらわれるのではなく、目の前の一人ひとりの入居者様に真摯に向き合い、その人らしさを最大限に尊重すること。
最後までその人らしく過ごすことができるホームであること。
これからも職員一同、入居者様の夢を叶えるお手伝いができるよう、一人ひとりに寄り添いながら、全力でサポートしてまいります。