公開日:2024.04.22
更新日:2024.06.04

【一覧表付き】有料老人ホームとサ高住の違い|おすすめな人の特徴も解説

【一覧表付き】有料老人ホームとサ高住の違い|おすすめな人の特徴も解説

「親の施設入居を考えているけど、有料老人ホームとサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は何が違うの?」とお悩みの方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

これら2つは、入居条件やサービス内容などさまざまな点で違いがあります。

この記事では、2つの違いについて、入居条件やサービス内容など6つの観点から解説します。

それぞれ向いている人の特徴もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

有料老人ホームとサ高住の基礎知識

まずは2つの基礎知識として、タイプ別の特徴などを解説します。

  1. 有料老人ホームとは
  2. サ高住とは

それぞれ詳しく見ていきましょう。


有料老人ホームとは

有料老人ホームは下記4つのうち、いずれかのサービスを提供している施設です(複数も可)。

  1. 食事の提供
  2. 介護(入浴・排泄・食事)の提供
  3. 洗濯、掃除等の家事の供与
  4. 健康管理

施設の種類は、下表の3つがあります。

概要
介護付き「特定施設入居者生活介護(※)」の指定を受けており、施設内の介護サービスを利用する
住宅型入居者が必要に応じて選んだ外部の介護サービスを利用する
健康型介護の必要のない健康な高齢者が、施設内の生活支援を利用する
※特定施設(国が定める要件を満たした施設)に入居している要介護者に対して、日常生活の支援や機能訓練を提供する

3つの違いは、入居者の健康状態や介護の必要性です。

利用者の介護度は介護付きがもっとも高く、健康型はもっとも低い傾向にあります。

なお、健康型は日本にある有料老人ホームのうち、0.2%程度です。

介護が必要になれば退去する必要もあるため、すでに要介護度認定を受けている方は介護付きか住宅型のいずれかが選択肢となってくるでしょう。

引用元:厚生労働省|令和2年 特定施設入居者生活介護


サ高住とは

サ高住とは、高齢の単身者や夫婦世帯が安心して生活できるバリアフリー構造の賃貸住宅です。

現状の生活は自立または介護度が低い状態でも、将来の自宅生活に不安を感じた高齢者が入居できます。

施設の種類は、下表の2つです。

一般型介護型
・自立~介護度が低い高齢者が利用
・生活支援や介護支援は、必要に応じて外部サービスを利用
・外出制限なし
・介護度の高い高齢者が利用
・事業所が「特定施設入居者生活介護」を受けており、介護支援はサ高住内のサービスを利用
・外出制限あり

2つの大きな違いは、介護度とサ高住内でのサービス利用可否です。

一般型では、訪問看護やデイサービスなどの外部サービスを必要とする場合、個人で依頼します。

一方、介護型は、サ高住内で提供している介護サービスを利用できます。

また、一般型の外出には制限がなく、出入り自由です。

しかし、介護型は認知機能や身体機能が低下した高齢者が入居しているため、安全面を考慮して外出制限を設けている施設もあります。

また、入居者の介護度に合わせて、さまざまな提供形態がある点も特徴の1つです。

たとえば、弊社ゴールドエイジのサ高住では自立している方向けの館はもちろん、看護師が24時間常駐して医療対応にあたるような、重介護を必要とする方向けの館もあります。

サ高住の具体例を知りたい方は、以下の施設一覧ページもぜひチェックしてみてください。


【一覧表付き】有料老人ホームとサ高住の違い

有料老人ホームとサ高住の違いは、下表のとおりです。

有料老人ホームサ高住
入居条件60歳以上の要介護者自立または介護度が低い高齢者
契約方式利用権方式賃貸借方式
設備・居室面積が13㎡以上
・バリアフリー構造
・居室または共用部分に台所の設置義務なし
・居室面積が25㎡以上(※)
・バリアフリー構造
・居室または共用部分に台所の設置義務あり
サービス内容・日常生活全般の支援
・レクリエーション
・安否確認
・生活相談
自由度外出時は施設職員の許可が必要ご自身の意志で自由に外出可能
初期費用入居一時金(数十万~数億円)・敷金(家賃の2~3か月分)
・保証金
月額費用・施設利用費
・介護保険自己負担分
・家賃
・管理費
・光熱費
・食費
・消耗品費
・サービス利用料
※条件によっては18㎡も可

高齢者の日常生活状況にあわせて、入居先を検討しましょう。

引用元:


違い①:入居条件

有料老人ホームサ高住
介護付き住宅型健康型
要介護度認定を受けた高齢者自立または介護度が低い高齢者健康で自立した高齢者(要支援、要介護認定は受けていない)自立または介護度が低い高齢者

入居者の対象年齢は、いずれも概ね60歳以上です。

ただし、要介護認定を受けていれば、60歳未満でも入居可能なケースもあります。

介護付き以外はサ高住と似た入居条件となっているため、自立あるいは要介護度が低い方は後述の事項も踏まえたうえで入所先を検討しましょう。


違い②:契約方式

有料老人ホームサ高住
利用権方式賃貸借方式

有料老人ホームは施設の利用権を獲得する利用権方式であるため、初期費用として入居一時金を支払います。

一方、サ高住は賃貸の家であるため、契約方式が賃貸借方式となり、毎月の家賃と入居時の敷金が必要です。

それぞれの費用相場について知りたい方は、後述の「違い⑥:費用」もぜひ参考にしてください。


違い③:設備

有料老人ホームサ高住
・居室面積が13㎡以上
・バリアフリー構造
・居室または共用部分に台所の設置義務なし
・居室面積が25㎡以上(※)
・バリアフリー構造
・居室または共用部分に台所の設置義務あり
※条件によっては18㎡も可

いずれもバリアフリー構造となっており、それぞれの違いは居室面積の広さと設備の充実度です。

有料老人ホームは居室面積が13㎡以上で、居室内にトイレや洗面などが整っています。

一方、サ高住の居室面積は原則25㎡以上となり、台所や浴室など生活に必要な設備がさらに充実しているところも多くあります。

なるべく自宅と変わらない生活を続けたい方には、サ高住のほうがおすすめといえるでしょう。

引用元:厚生労働省|サービス付き高齢者向け住宅について


違い④:サービス内容

有料老人ホームサ高住
介護付き住宅型健康型
・日常生活全般の支援
・介護
・レクリエーション
・機能訓練
・食事や掃除といった生活支援
・イベント
・レクリエーション
・生活相談
・イベント
・レクリエーション
・安否確認
・生活相談

有料老人ホームでは、基本的に施設内で提供しているサービスを利用して生活します。

イベントやレクリエーションといった入居者が楽しめるサービスが充実している点も魅力の1つです。

一方、サ高住は最低限のサービスのみですが、生活支援が必要であれば個人的に依頼することで外部サービスを利用できます。

なお、サ高住では自分で調理するだけではなく、食事サービスを提供してくれるところもあります。

サ高住の食事サービスについて知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

【関連記事】サ高住は食事サービスもある?提供方法や食費の相場も解説|メニュー例も


違い⑤:自由度

有料老人ホームサ高住
低い高い

有料老人ホームは、施設内のスケジュールに合わせて行動し、外出外泊をする場合は施設側の許可が必要です。

一方、サ高住は1日のスケジュールに縛りはなく、外出外泊も自由となります。

自宅生活と同じような暮らしを続けたい場合、サ高住における自由度の高さは大きな魅力に感じるでしょう。


違い⑥:費用

初期費用月額費用
有料老人ホーム介護付き入居一時金:0〜数百万円15〜30万円
住宅型入居一時金:0〜数百万円15〜30万円
健康型入居一時金:0〜数億円10〜40万円
サ高住敷金と保証金:0~数十万円10~30万円
家賃
管理費
光熱費
サービス利用料(※)
※食費や消耗品費は別途必要

有料老人ホームとサ高住では契約方式の違いにより、初期費用や月額費用の支払額も変わります。

有料老人ホームの支払方法は、前払い方式と月払い方式の2種類です。

前払い方式終身にわたって施設利用することを前提に、家賃やサービス費用の全額を入居時に一括で前払いする方法
月払い方式家賃やサービス費用を月払いする方法

支払方法は施設次第ですが、基本的に利用者が選択します。

前払い方式の場合はまとまった入居一時金が必要ですが、月々の支払い額を抑えられます。

月払い方式は最初にかかる費用が少ない分、月々の支払額が高額です。

一方、サ高住は賃貸物件と同じ考え方で、入居時の敷金と毎月の家賃支払いが必要となります。

利用中にかかる費用をなるべく抑えたい方も、サ高住がおすすめといえるでしょう。


有料老人ホームとサ高住とではどちらがおすすめ?

最後に、有料老人ホームとサ高住どちらがよいか迷う方向けに、以下の2つを解説します。

  1. 有料老人ホームがおすすめな人
  2. サ高住がおすすめな人

それぞれ詳しく見ていきましょう。


有料老人ホームがおすすめな人

有料老人ホームがおすすめな人は、施設内で充実したサービスを受けたい人です。

有料老人ホームは施設ごとにイベントやレクリエーションが充実しており、他入居者と関わりながら、楽しみのある生活を送れます。

また、日常生活全般において介護が必要な人は、介護付き有料老人ホームで十分な介護サービスを受けながら、安心して暮らせます。

自由度よりも他入居者との交流を重視したい人や、充実した介護を受けたい人におすすめといえるでしょう。


サ高住がおすすめな人

サ高住がおすすめな人は、生活環境を守ってもらいながら、自由に暮らしたい人や初期費用を抑えたい人です。

サ高住は安心安全な環境のもと、専門家の相談サポートを受けながら自由に生活できます。

他利用者との交流よりも、個人や夫婦で自由に生活したい人におすすめです。

なお、有料老人ホームとくらべると初期費用が抑えられるため、入居時にまとまった金額が用意できない場合もサ高住は有力な選択肢の1つとなるでしょう。


まとめ:有料老人ホームとサ高住はさまざまな点で違いがある

有料老人ホームとサ高住は似ている部分も多くありますが、入居条件やサービス内容などさまざまな点で違いがあります。

ご自身またはご家族に合った施設を探している方は、重要視する点を洗い出したうえで比較検討していきましょう

有料老人ホームやサ高住をお探しの方は、以下の施設一覧ページもあわせてご覧ください。

この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。