『創業者リーダーシップ』の終わりとは…

 私は、はっきり言ってちょっと強引なリーダーシップで50年近く会社を着実に成長させてきました。それがまあ私の『創業者リーダーシップ』だったのです。しかし4年前に4人の社長に会社を引き継いでからは、アサヒグローバルホーム(株)などは特に会社の成長が止まってしまいました。
 2017年度の5年前のグループ会社の経常利益は『10億円』それが『9.7億円』『6.7億円』『3.2億円』『1.9億円』と下がって昨年の22年には『0億円』になってしまったのです。先に言っておきますが、会社を引き継いだ社長さん達が悪いのではありません。会社の『組織としてのリーダーシップ』が確立できなかったのが問題でした。それは『第2創業』を始めるための『真の組織経営』への転換が準備不足だったのですから、一言で言って準備をせずに引き継いだ『私の責任』だったのです。
 アサヒグローバルホームは三重県のビルダーランキング20年間第一位の会社ですから、そのお陰で社内の新事業の『事業部制』にも成功して、賃貸住宅も介護事業も成長しました。次にそれぞれの事業部が分社化されて独立した会社になり『グループ会社経営』にも成功して各社は成長発展しました。
 そこまでは私が社長だったのですが、ここで4人の社長に会社を引き継いで、会長職に引退したあとに数々の難しい問題が発生して、会社の経常利益の成長は止まりました。今年の売上計画は264億円(2022年とほぼ同じ)ですが、すでに受注済みの30億円を入れると合計294億円。もう実質的な経営規模は『300億円企業』なのです。その会社が何故成長が止まってしまったのでしょうか。
 それは私が社長を辞めたことで、3つの会社がそれぞれの社長一人一人が経営する会社になってしまったことです。グループ会社の全体をまとめて指示するリーダーが居なくなったのが原因でした。一人一人の社長の能力も未熟で発展途上でしたが、各社の社長以外には、『グループ経営』のグループの総責任者がいないのですから上手くいくはずがありません。
 ですから今年の1月から私がスマイシアHDの代表になって本社の代表として経営の再スタートをすることになりました。代表取締役会長です。そしてまず本社のやるべきことは①300億円企業としての足固めです。財務担当役員、経理担当役員をつくることと教育部門の設置や本社機能の充実です。②3社の成績を上げるためのマーケティングや戦略の策定と指導。各社の事業や商品販売の見直しや改善。③次に500億円企業になれるための足場づくり。全事業のナンバーワンブランドの実現。ブランディングによるシェアナンバーワンの追求。新市場への新事業の投入。社内研究開発体制づくり。次世代経営者の育成。外部ブレーンの戦略的活用。複数事業のナンバーワン事業の実現などです。
 あれもこれもはできません。順番を決めて一つ一つ実行します。まずは今の新しい本社機能を一刻も早くスタートさせたいものです。本社機能とは分かり易く言えば各社へのコンサルタントの役割りであって、命令や指示は最低限度にすべきです。あくまで、各社を預かる責任者の社長が経営は行うべきであって、本社は各社社長が見えないところの全体的なコントロールに徹したいと思います。
 さて、私はこの本社機能の準備もせずに会長になってしまって、各社の社長に大変な苦労をさせて、ついでに成績も落としてしまいました。全て私が悪かったというか、私も経営者として未熟だったと反省しています。『創業者リーダー』から『真の組織経営』へ組織としてのリーダーシップを確立したいと思います。グループ全体の成績が良くなるように私も本社の代表としての役割りを果たします。