介護の悩み相談ができる窓口一覧|負担軽減が期待できるサービスも解説
ご家族の介護をされている方は、さまざまな面で悩みを抱えるものです。
「ご家族のために」と無理をしたり悩みを1人で抱え込んだりすると、心身の負担が大きくなります。
そのような場合は、ご自身が倒れてしまう前に相談窓口の利用がおすすめです。
この記事では、介護の悩み相談ができる5つの公的な窓口について解説します。
介護の悩みが尽きない原因や負担を軽減できるサービスもあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
介護の悩み相談は誰にしている?
介護に関する悩みや不安を抱える際の相談先としては、主に以下が挙げられます。
- ご家族
- 友人
- かかりつけ医
以上は日常生活のなかでも容易に相談できる存在で、心の支えとなることも多いようです。
しかし、中には相談できる相手がいないために心身の負担が大きくなり、ご自身の生活も思うように続けられない方も少なくありません。
苛立ちや不安感が強くなると、ご家族との関係にも悪影響を与えます。
互いに穏やかな気持ちで接し、自分らしい生活を続けられるようにするためには、公的窓口へ適宜相談することが大切です。
介護の悩みを相談できる公的な窓口一覧
介護の悩みを相談できる公的な窓口として、以下の5つが挙げられます。
- ケアマネージャー
- 医療機関の相談室
- 地域包括支援センター
- 自治体
- 電話相談
それぞれ詳しく見ていきましょう。
相談窓口①:ケアマネージャー
ケアマネージャーは、要介護者や要支援者が適切な介護サービスを受けられるように調整・支援する専門職です。
正式名称は「介護支援専門員」と呼ばれ、介護保険法に基づいて活動しています。
ケアマネージャーの主な役割は、利用者に合わせたケアプラン(介護サービス計画)の作成と、その実施に必要なサービス事業者や自治体との調整です。
また、居宅ケアマネージャーと施設ケアマネージャーに分類され、それぞれが所属する施設や事業所の役割に応じて働きます。
介護の悩みや不安を抱える方々にとって、ケアマネージャーは身近で大切な相談相手の1人といえるでしょう。
相談窓口②:医療機関の相談室
医療機関の相談室は、ご本人やご家族が医療・介護など生活に関する相談を行える場所です。
以下のような専門家が、相談者の状況に合わせた介護サービスの提案や生活への助言を行います。
- 社会福祉士
- 医療ソーシャルワーカー(MSW)
- 看護師
また、下記のような相談も可能です。
- 医療費の支払い方法
- 退院後の生活支援
- 精神的なサポート
医療機関の相談室は病気や介護だけでなく、それに伴う生活全般の問題に対しても相談できる窓口となっています。
相談窓口③:地域包括支援センター
地域包括支援センターは、ご本人やご家族が直面するさまざまな問題に対応するための総合相談窓口です。
自治体が設置し、以下の専門家でチームを構成します。
- 保健師
- 社会福祉士
- 主任介護支援専門員
また、下記のようにさまざまな面での相談が可能です。
- 高齢者の健康維持
- 生活支援
- 介護予防
- 権利擁護(けんりようご)※
※高齢者の権利を代弁し、行使ができるように支援すること
地域包括支援センターの存在は、ご本人やご家族が持つ介護の悩みを軽減し、生活の質を高める重要な役割を果たしています。
相談窓口④:自治体
各自治体でも、下表のようにさまざまな相談窓口を設けています。
部署・窓口 | 概要 |
自治体の福祉課 | 住民の生活福祉にかかわる全般的な相談ができる |
民生委員・地域福祉委員 | 地域の福祉向上に取り組むボランティアとして地域住民の相談に応じる |
社会福祉協議会 | 高齢者や障がい者にさまざまな福祉サービスを提供する |
介護に関する悩みやサービス利用の手続きについて、各窓口を活用することで、適切なアドバイスやサポートを受けられるでしょう。
相談窓口⑤:電話相談
認知症の方を介護する際の悩みについては、下表のように専門機関への電話相談もできます。
相談先 | 電話番号 | 受付時間 |
---|---|---|
認知症に関する電話相談 | 0120-294-456 | 午前10時~午後3時(月曜~金曜 ※祝日除く) |
若年性認知症コールセンター | 0800-100-2707 | 午前10時~午後3時(月曜~土曜 ※年末年始、祝日除く) |
以上の相談窓口は、介護への不安や悩みなど、些細なことでも相談できる窓口です。
また、各都道府県に認知症疾患医療センターがあるため、最寄りの窓口に電話してみてもよいでしょう。
介護の悩みが尽きない原因と対策
介護をするご家族は、心身の疲労が蓄積しやすい状況にあります。
とくに「家族のことだから自分が見なくては」という思いから、無理をしてしまうことが多いのが現状です。
しかし、介護で無理をしてしまうと、ご自身の健康を害するだけでなく、家族関係にも悪影響を与えます。
介護を続ける際に覚えておきたいのは、「介護サービスの利用は、決して悪いことではない」ということです。
むしろ専門的なサポートを受けることで介護者自身の負担を軽減し、家族全員の精神的平穏を取り戻すきっかけになります。
介護サービスには日常生活の支援から医療的なケアまで多様な形態があるため、ご本人やご家族に合ったサービスを見つけていきましょう。
なお、以下の記事では在宅介護で大変なことをランキング形式で解説しています。
在宅介護の経験者であれば共感できるところも多いため、介護サービスを利用すべきか悩んでいる方もぜひ参考にしてみてください。
【関連記事】【家族だからこそ】在宅介護で大変なことランキング|負担の軽減方法も解説
介護の悩みがあるなら利用したい3つのサービス
介護の悩みがあるときに利用したいサービスには、以下の3種類があります。
- 通所系サービス
- 訪問系サービス
- 入所系サービス
それぞれ詳しく見ていきましょう。
種類①:通所系サービス
通所系サービスは、自宅生活を続けながら日中だけ施設に通って支援を受けるサービスです。
通所系サービスでは利用者ができるだけ自立した日常生活を送れるよう、以下のようなサービスを提供しています。
- 健康チェック
- 入浴介助
- 排泄の介助
- 昼食の提供
- 機能訓練 など
また、レクリエーションや創作活動といった集団活動では、他利用者と触れ合う機会も多く、社会とのつながりを感じながら心身の健康を維持できます。
とくに、他者との交流が好きな方にとっては有力な選択肢の1つになるでしょう。
種類②:訪問系サービス
訪問系サービスは、専門のスタッフが直接家庭を訪問して支援するサービスです。
訪問系サービスの強みは慣れ親しんだ自宅で、実情に即したサポートや介護のアドバイスを受けられる点です。
なお、訪問系サービスで提供される主な支援には、下表に挙げる2つがあります。
身体介護 | 生活援助 |
・入浴 ・食事 ・排泄 など | ・掃除 ・洗濯 ・買い物 など |
ご家族にとっても訪問した専門スタッフに日頃の悩みを相談できる分、心身の負担軽減を図りやすいでしょう。
種類③:入所系サービス
入所系サービスは介護が必要な方が施設に入所し、24時間体制でケアを受けられるサービスです。
入所系サービスには「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」など、利用者の状態に応じたさまざまな施設形態があります。
介護や看護はもちろん、施設によっては専門職によるリハビリを受けることも可能です。
月ごとのイベントなども多いため、季節感を感じながら心身の健康維持を図れるでしょう。
なお、弊社ゴールドエイジでは「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」や「有料老人ホーム」を運営しております。
弊社が提供する(サ高住)は、施設のようなサービスを受けながら在宅サービスも利用できる点がメリットです。
たとえば、在宅での暮らしが難しくなり施設への入居を検討している方の中には、「通い慣れたデイサービスを利用し続けたい」という思いを持つ方もいます。
サ高住であれば、住居を移しても通い慣れたデイサービスへの利用を続けることも可能です。
施設の様子について知りたい方は、以下のページから資料請求してみてください。
まとめ:介護の悩みがあるなら早めに相談しよう
在宅介護は心身の負担が大きく、悩みも多くなるものです。
1人で抱え込むと疲れやストレスが溜まり、ご自身の健康にも影響が出てしまいます。
介護の悩みがある場合は、公的な相談窓口を有効活用しながらしていきましょう。
なお、弊社ゴールドエイジではサ高住や有料老人ホームを多数運営しております。
自宅に近い生活環境で、ご本人の希望する過ごし方を叶えやすいため、施設入所を検討している方は以下のページからお近くの施設をぜひ探してみてください。
この記事の監修
間井 さゆり
役職 | 内部監査室長 |
保有資格 | 介護支援専門員(ケアマネージャー) |
2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。