公開日:2024.05.07
更新日:2024.06.04

サ高住は食事サービスもある?提供方法や食費の相場も解説|メニュー例も

サ高住は食事サービスもある?提供方法や食費の相場も解説|メニュー例も

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を検討している方にとって、食事は大切な検討項目の1つです。

「食事は自分で用意する必要があるのか」「食事サービスを頼んだ場合は、どれくらいの費用がかかるのか」など気になる方も多いでしょう。

この記事では、サ高住での食事サービスとその提供方法、食事代について解説します。

食費の平均月額や有料老人ホームとの比較表も掲載するので、ぜひ参考にして検討してみてください。

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者が自立した生活を送れるよう設計された住宅です。

入居者は原則として60歳以上が対象で、高齢でも安心して生活できる環境が整えられています。

なお、サ高住のタイプは下表の2種類です。

一般型介護型
主な対象者自立した生活を送れる高齢者ある程度介護が必要な高齢者
サービス内容・安否確認
・生活相談
・安否確認
・生活相談
・介護
・リハビリ
・レクリエーション など

一般型は、スタッフの訪問やカメラの設置によって入居者の状況を把握してくれます。

また、普段の生活での悩みや困っていることの相談が可能です。

介護やリハビリが必要になれば、外部のサービスを利用できます。

一方、介護型は国が定める要件を満たしたサ高住であり、施設内で介護サービスを受けられます。

一口にサ高住と言っても、対象者やサービス内容に違いがあることを覚えておきましょう。


サ高住は食事も提供してくれる?

サ高住では各部屋にキッチンがあり、基本的には入居者が自分で買い物したうえで食事を用意します。

とはいえ、実際には食事の提供サービスを受けられるサ高住が多くあります。

一般社団法人高齢者住宅協会の調査によると、96.1%のサ高住で食事の提供が行われているという結果でした。

毎日3食を準備するのは、健康な高齢者であっても大変な作業です。

そのため、入居者を募集するサ高住では、アピールポイントの1つとして食事を提供するところも多くなっています。

引用元:国土交通省|2020年サービス付き高齢者向け住宅の現状等


サ高住における食事の提供方法

サ高住での食事の提供方法は、主に以下の3つがあります。

  1. サ高住内で調理する
  2. 外部の業者へ一部委託する
  3. 宅配サービスを利用する

それぞれ詳しく見ていきましょう。


提供方法①:サ高住内で調理する

サ高住内に調理場所があるか、介護施設が併設されている場合には、サ高住内で調理が行われます。

施設内で調理するため、温かい食事が食べられる点がうれしいところです。

また、入居者の健康状態に合わせた食事の提供も可能です。

たとえば、高血圧の人には塩分を、高コレステロールの人には脂肪分を減らすなどの調整に対応してくれます。

ほかにも、歯の状態や飲み込む力に合わせて食材の柔らかさや切り方に工夫してくれる点もメリットです。

温かい食事や柔軟な対応を望む場合は、サ高住内に調理場所があるサ高住を選ぶと良いでしょう。

健康状態に合わせた食事の提供を受けたい方は、下記の施設一覧ページをご覧ください。


提供方法②:外部の業者へ一部委託する

サ高住内に調理場所がない場合は、ご飯のみを施設内で炊き、おかずを外部の業者に依頼しているケースがあります。

作り立てではないものの、昨今の冷凍食品やチルド食品の技術は上がっており、提供される料理の質も向上しています。

また、サ高住内での調理よりも人件費や食費を抑えられるため、入居者の金銭的負担が軽くなる点がメリットの1つです。

食事にかかる費用をなるべく抑えたい方は、この提供方法を取っているサ高住を選ぶとよいでしょう。


提供方法③:宅配サービスを利用する

施設内に調理場所がないサ高住の中には、食事をすべて宅配サービスに依頼している場合もあります。

宅配サービスのメリットは、一部委託よりもさらに費用を抑えられる点です。

利用者は、必要な時だけ食事を注文できるというメリットもあります。

食事にこだわりがなければ、宅配サービスを利用しているサ高住も選択肢に入れましょう。


サ高住の食事代はいくらかかる?

ここでは、サ高住での食事代について、以下の3つを解説します。

  1. 平均金額
  2. 有料老人ホームとの比較
  3. 消費税の取り扱い

それぞれ詳しく見ていきましょう。


平均金額

平成28年度の株式会社野村総合研究所による調査では、サ高住における1か月の食費の平均は「40,516円」という結果でした。

また、下表は1か月に支払っている食費について、サ高住に入居している2,065名にアンケートを取った結果です。

半数以上が「4万円以上5万円未満」となっており、次いで「3万円以上4万円未満」が2割を超えています。

1か月に支払う食費割合(%)
選択なし5.6
0円0.4
1万円未満0.1
1万円以上2万円未満0.2
2万円以上3万円未満3.2
3万円以上4万円未満23.6
4万円以上5万円未満53.2
5万円以上7万円未満13.6
7万円以上10万円未満0.1

この結果から、7割以上のサ高住の利用者が、食事代として月に3万円〜5万円程度を支払っていることがわかります。

引用元:
株式会社野村総合研究所|平成29年高齢者向け住まい及び住まい事業者の運営実態に関する調査研究報告書
財団法人高齢者住宅財団|平成25年サービス付き高齢者向け住宅等の実体に関する調査研究


有料老人ホームとの比較

下表は1か月にかかる総費用と食費について、サ高住と有料老人ホームを比較したものです。

総費用食費
サ高住132,736円40,516円
介護付有料老人ホーム238,378円48,594円
住宅型有料老人ホーム112,431円39,514円

サ高住と住宅型の有料老人ホームでは、そこまで大きな違いはありません。

しかし、介護付有料老人ホームと比較すると、総費用はサ高住に比べて10万円以上高くなっています。

食費も8,000円程度、介護付有料老人ホームが上回ります。

施設を選ぶ際はサービス内容はもちろん、費用面も十分比較することが大切です。

有料老人ホームとサ高住の違いについて知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

【関連記事】【一覧表付き】有料老人ホームとサ高住の違い|おすすめな人の特徴も解説

引用元:株式会社野村総合研究所|平成29年高齢者向け住まい及び住まい事業者の運営実態に関する調査研究報告書


消費税の取り扱い

食事代にかかる消費税は下表のように、施設の種類によって取り扱いが異なります。

課税対象になる施設非課税の施設
・サ高住
・有料老人ホーム など
特別養護老人ホーム
老人保健施設
通所介護(デイサービス) など

なお、サ高住と有料老人ホームの食事代は、基本的に軽減税率8%が適用されます。

ただし、軽減税率が適用されるのは、あくまでも入居者です。

面会に来たご家族も利用できる食堂があっても、食事代にかかる消費税は入居者と外部者とでは異なる点に留意しましょう。

引用元:一般社団法人高齢者住宅協会|2019年⾼齢者向け住まいにおける飲食料品の提供の消費税の軽減税率


サ高住の食事メニュー例

下記は、弊社ゴールドエイジが運営するサ高住の食事メニュー例です。

▼実際のメニュー

実際のメニュー

【メニュー例】

お寿司、サーモンの煮つけ、白和え、ひじき、苺入りヨーグルト

彩り豊かで、栄養バランスにも配慮された食事が楽しめます。

ゴールドエイジのサ高住では施設内に厨房があり、栄養士による食事管理のもと、温かい食事が用意されています。

入居者1人ひとりの健康状態に合わせて、以下のような食事形態にも対応可能です。

  • きざみ食
  • ミキサー食
  • 糖尿病食
  • 腎臓病食
  • ゼリー食

栄養バランスのとれた食事で、入居者の健康維持・増進をサポートしています。

また、お正月やひな祭りといった季節の行事がある日には、特別な食事を楽しめます。

弊社ゴールドエイジが入居者にアンケートを取ったところ、食事に関する要望が多く寄せられました。

この結果を受けて、ゴールドエイジでは毎月1回、全館でバイキング形式の食事提供を実施しており非常に好評です。

▼ゴールドエイジ3月ひなまつりバイキング

3月ひなまつりバイキングメニュー

▼ゴールドエイジ4月BBQバイキング

4月BBQバイキングメニュー

食事は日々の楽しみとなる大切なものであるため、サ高住を選ぶ際はメニューや提供方法も確認しましょう。


まとめ:サ高住は食事提供も受けられる

1日3食を準備するのは、高齢者でなくとも大変なものです。

ましてや、高齢になると食事の用意にも危険が伴うことがあります。

そのため、ほとんどのサ高住では、食事サービスを提供しています。

ただし、食事の提供方法や金額はサ高住によって違いがあるため、事前にどのように提供されるのかを確認しておくとよいでしょう。

温かい食事の提供を受けられるサ高住をお探しの方は、下記の施設一覧ページをご覧ください。

この記事の監修

間井 さゆり

役職内部監査室長
保有資格介護支援専門員(ケアマネージャー)

2006年入社 ゴールドエイジの創業当初から介護事業運営に幅広く携わり、介護支援専門員、館長、内部監査員などを歴任し発展を支えてきた。
現在は内部監査室長としてゴールドエイジの介護事業運営の適正化、効率化を支えている。